約 147,756 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/884.html
とうとうやってきた、今度の転校先は南大阪姫松高校。順調に現地妻が増えていくね! 転校をなかなか切りだせないこのスレの京ちゃんは実はヘタレ? 大人気愛宕姉、末原さん他魅力的な姫松メンバーであるが、監督代行やプロも攻略対象になるのだろうか 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」三宅「2連荘や!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」洋榎「その3や!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」原田「その4っ…!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」恭子「その5やで」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」咲「その6だよ!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」赤木「その7…!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」漫「その8や!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」憩「その9!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」絹恵「その10やな」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」郁乃「その11~」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」僧我「その12…!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」洋榎「その13や!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校する事になった」戒能「その14ですね」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」健夜「その15だよ!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」やえ「その16だぞ」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」咏「その17だねー」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」咲「その18だよ!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」雅枝「その19…や!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」由華「その20です」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」絹恵「その21や」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」いちご「その22じゃ!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」照「…その23」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」淡「その24だよー」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」照「その25だよ」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」恭子「その26やで」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」洋榎「その27やでー!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」漫「その28です」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」恭子「その29や」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」洋榎「その30や!」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」郁乃「その31~」【安価】 【咲】京太郎「大阪に転校することになった」恭子「その32やな」【安価】 参考URL http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345004838/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345309198/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345638613/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345820543/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1345985623/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346162789/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346253999/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346417060/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346504846/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346594632/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346764831/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1346918630/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347036815/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347121262/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347200186/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347280259/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347541233/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1347723321/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348151003/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1348935352/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349542702/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350114571/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350479134/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350911151/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351265631/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1351694565/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352122653/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352471719/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352989621/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353507756/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1354889107/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358176746/
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3444.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361874491/ 智美「鶴賀麻雀部の健闘を祈って……かんぱーい!!」 一同「かんぱーい!!」 京太郎「こうしてるといよいよ大会だって気がするな!」 桃子「と言ってもお菓子食べたりするだけっすけどねー」パクパク 智美「まあ練習しないで休むことが目的だからなー。1人でいたらなんだかんだ休めそうにないし」ワハハ ゆみ「確かにここのところ1人でいるとつい大会のことを考えてしまうな」 京太郎「ここのところ……?」 ゆみ「なんだ?」 京太郎「い、いえ。なんでも」 桃子「私もそうっすけど、先輩でも緊張するんすね」 ゆみ「それはまあ私にとっても初めての大会だしな」 京太郎「鶴賀の麻雀部は先輩と部長で作ったんでしたよね」 ゆみ「ああ、最後の最後で大会に出られるほどメンバーが集まってよかったよ」 桃子「そういえば、先輩はなんで麻雀部のある高校に行かないで鶴賀に来たんすか?」 ゆみ「ん? 元々は麻雀をやる気はなかったから、単純に通いやすさや校風を考えて選んだが」 智美「女子校の中からなー」ワハハ ゆみ「う、うるさい!」 京太郎「……あれ、麻雀部作ったのは1年のときで、作ったのは本格的に麻雀をやりたかったからですよね?」 ゆみ「ああ、そうだな」 京太郎「最初は麻雀続ける気なかったんですか?」 ゆみ「続ける? そもそも高校を選ぶときは麻雀をやっていなかったんだが」 京太郎「え?」 桃子「え?」 ゆみ「ああ、言っていなかったか。私が麻雀を始めてやったのは1年の文化祭だ。本格的にやろうと思ったのはそれからだよ」 京太郎・桃子「ええっ!?」 ゆみ「そ、そんなに驚くことか?」ビクッ 桃子「ゆみ先輩って昔からの達人とかそういうのじゃないんすか……?」 ゆみ「麻雀歴ならモモのほうが長いと思うぞ」 桃子「うはー」 京太郎「麻雀歴2年ちょっとでそんなに強いんですか……」 ゆみ「私が始めて1ヶ月の頃は京太郎くんよりずっと弱かったさ」 京太郎「自分が2年でゆみ先輩くらい強くなれるとは思えないです……」 ゆみ「それは私の教え方が上手くないということか?」シュン 京太郎「そ、そんなことないですよ!」 ゆみ「冗談だ」フフッ ゆみ「とはいえ私が教えられることは全て教えるつもりだ。3年生のときには、少なくとも今の私より強くなって貰わないとな」 京太郎「ど、努力します」 桃子「京太郎、責任重大っすねー」 ゆみ「モモ、お前もだ。ステルスは確かに強いがそれに頼りすぎているようではダメだぞ」 桃子「うっ、藪蛇だったっす……」 智美「まあまあ、ゆみちんもその辺で。今日はそういう話は置いとこう。ほら、むっきーと佳織を見習って」 京太郎「え?」クルッ 睦月「おおお……! 小鍛治プロのキラカードだ!!!」 佳織「わー縁起がいいね!」 ゆみ「……結局プロ麻雀せんべいを買ったのか」 睦月「い、いいじゃないですか! 1袋くらい!」 京太郎「でも小鍛治のキラカードってトップレアでしたよね? ほんと幸先良いですよ!」 睦月「だよね! 京太郎くん、分かってくれて嬉しい!」 京太郎「なんか分かり方が違う気がしますが、とりあえずおめでとうございます!!」 睦月「ありがとう!!」 智美「テンション高いなー。私たちも見習うかー」 ゆみ「あれは見習っていいのか……?」 智美「何事も気からだぞー」 佳織「運が向いて来そうだね」 桃子「テンションについて触れない辺りさすがっすね」 佳織「?」 桃子「あ、いや、何でもないっす」 京太郎「小鍛治健夜プロって国内無敗の伝説のプロなんですよね。憧れるなあ」 睦月「うむ、かっこいい。この写真も数少ない姿を収めたんだろうね」 桃子「どれどれ……レアカードってもっとこう、凛々しい感じのほうがいいんじゃないっすかね?」 睦月「レアだから普段見れない姿を載せてるんだよ」 ゆみ「前に見せてもらったときも、かっこいいというよりはその……親しみやすい姿が多かったように思うんだが」 睦月「普段やらない姿をカードにするなんて優しいですよね」 佳織「……普段からそ──」 智美「佳織、そこまでだ」 佳織「」ムググ 京太郎「でもジャージ姿は珍しいですね」 睦月「健夜っていう名前の通り、健康に気を使って運動も欠かさないんだろうね。文武両道、かっこいいなあ」 桃子「名は体を表すって言うっすけど……ううん?」 ゆみ「まあ体力があるかどうかは見た目では判断しづらい、が……」 智美「名は体を表すかー。ウチの部ではどうなんだろうなー?」 桃子「そうっすね、私は……あんまり桃っぽくはないっすね」 佳織「そうかな? そんなことないと思うけど」 桃子「桃って花も実も結構目立つじゃないっすか。私とは大違いっすよ」 京太郎「……十分桃らしいな」ボソッ 桃子「そうっすか? どのへんが桃っぽいんすか?」 京太郎「えっ、聞こえたか!?」 桃子「聞こえたっすよ。どのへんっすか?」 京太郎「い、いやほら、か、顔とか?」 桃子「なんで疑問形なんすか……んーまあ丸っぽいっすからねえ」 京太郎「そ、そうだな」アハハ ゆみ「……京太郎くん、さっきはモモのどこを見ていたんだ?」ゴッ 京太郎「ひっ!」ビクッ ゆみ「どうした? 素直に言ってくれればいいんだ」 京太郎「か、顔ですよ……」アハハ ゆみ「ふむ、そうか」フッ 京太郎「は、はい」ホッ ゆみ「……」ツネリ 京太郎「痛っ!?」 桃子「2人は何してるんすか?」 智美「気にするなー」ワハハ 桃子「むっちゃん先輩はどうっすか?」 睦月「私は1月生まれで睦月だからあんまり意味とかはなさそうかな」アハハ 京太郎「でもなんか月ってクールな感じするじゃないですか」 智美「それならむっきーにピッタリだなー」ワハハ 睦月「そ、そうですか?」テレ 桃子「プロ麻雀カードのときは……」 ゆみ「それは触れてやるな」 智美「私の名前もむっきーに負けず劣らずピッタリだと思うんだー」 京太郎「ああ、蒲の穂ってカマボコの語源らしいですね」 智美「なんでそんなこと知ってるんだ!? というかカマボコって何のことだー!?」 佳織「あー智美ちゃんよく笑うから確かにピッタリだね」 智美「佳織まで! だからカマボコはなんなんだ!?」 睦月「口の形ですよ」 智美「あー……って、私がピッタリって言ったのはそっちじゃなくて智美の智の方だー!」ワハハ 桃子「智に適当って意味なんてあったんすか」 京太郎「さすが智って名前にある人の話は勉強になるな」 智美「しまいにゃ泣くぞ―!」 ゆみ「2人ともその辺りにしておけ」 京太郎・桃子「ごめんなさい」ペッコリン 智美「謝る気あるのか!?」ワハハー! 佳織「まあまあ」 智美「佳織の漢字はどういう意味なんだー?」 佳織「私? 調べたことないから……」 ゆみ「妹尾の佳は美しいという意味だよ。佳人とか言うだろう?」 桃子「さっぱりっす!」 京太郎「初めて聞きました!」 ゆみ「お前たち……」 佳織「そういう意味なんですね。名前負けしちゃってるなあ」アハハ 智美「そんなことないと思うぞ?」 睦月「うむ、妹尾さんによく合っていると思う」 佳織「えっ、ええっ!?」テレテレ 智美「京太郎はどうなんだー?」 京太郎「よくぞ聞いてくれました。俺は……」 桃子「語感っすよね。苗字が2文字だと名前が長いほうがバランスいいっすし」 京太郎「ああそうだよ! よくわかったな!!」 桃子「本当にそうだったんすか……」 京太郎「ウチの親適当だからな……」トオイメ ゆみ「つけた理由はそうかもしれないが、私は合っていると思うぞ?」 京太郎「え?」 ゆみ「京には人の集まるところという意味があるんだ。部員が集まったのは京太郎くんがいるからという部分もあるしな」 京太郎「ゆ、ゆみ先輩……」ウルウル 睦月「そんな意味があるんですね。京太郎くんに合ってると思うよ」 佳織「ピッタリだね!」 京太郎「睦月先輩、佳織先輩……」ウルウル 智美「私には負けるけどなー」ワハハ 桃子「罪悪感がなくなったっすよ!」 京太郎「そこの2人」 京太郎「ゆみ先輩も佳織先輩と同じですよね」 ゆみ「ん? どういうことだ?」 京太郎「え? ゆみって名前じゃないですか」 ゆみ「ああ、そういうことか。私の名前はひらがなで"ゆみ"と書くんだ」 京太郎「へー。なんとなく意外ですね」 ゆみ「まあひらがなの丸いイメージは私には合わないだろうな」 京太郎「ああいえ、そうじゃなくて」 ゆみ「うん?」 京太郎「美しいって漢字が入ってると思ったんでピッタリだなーと――」 京太郎「……はっ!? すみません今のナシで!」 ゆみ「……うぁ」カアァァ 桃子(相変わらずっすねー) 睦月(前から思ってたけどわざとやってるのかなあ) 佳織(確かにピッタリだなー) 智美「京太郎、早く直そうなー」 京太郎「」 ………… ……… …… … ゆみ「そういえば京太郎くんの幼馴染は麻雀部に入ったのか? ほら、チャンピオンの親戚とか言っていた」 京太郎「あ、言ってませんでしたね。入ったみたいですよ」 智美「チャンピオンの親戚かー。その子も強いのかなー?」 京太郎「親戚というか咲……あ、俺の幼馴染ですけど、咲はチャンピオンの妹だったみたいです」 一同「妹!?」 京太郎「わっ!?」ビクッ ゆみ「なんだそれは本当なのか!?」 京太郎「そんなことで嘘つくようなやつじゃないんで、本当だと思います」 桃子「ダークホース出現っすね……」 睦月「ま、まあ妹と言っても強いとは限らないし」 佳織「そ、そうだよね!」 京太郎「ええと……」 ゆみ「知っているなら言ってみてくれ」 京太郎「小さい頃は両親と宮永照と咲で家族麻雀してたらしんですけど、咲は狙って点数を±0にしていたらしいです」 桃子「そ、想像以上にエグいっすね……」 睦月「狙って±0って……」 京太郎「ま、まあ少なくとも小中学校で麻雀はしてなかったからブランクもありますし」 京太郎「宮永照だってその頃からずっと強くなったから個人戦2連覇してるんですよ!」 佳織「でもきっと強いよね……」 ゆみ「ちなみにその宮永はどこの高校へ行ったんだ?」 京太郎「清澄って高校に行きました」 睦月「清澄……どこかで聞いたことがあるような……」 ゆみ「大会の牌譜は大体見たはずだがその名前は見覚えがないな」 京太郎「ええ、清澄も今年部員が揃ったみたいで、大会に出るのも初めてって言ってました。ウチと一緒ですね」 桃子「風越とかならどうしようと思ったっすけど、それならまだ勝ち目はありそうっすね!」 佳織「当たるのはいつになるんだろう」 智美「えーと、順調に勝ち進んでも決勝だなー」ワハハ ゆみ「だいぶ先だな」 桃子「当たる可能性は低そうっすね」 睦月「……あ、そうだ!」 智美「どうかしたのかー」 睦月「清澄ってインターミドルチャンプの原村和が行ったところですよ! 前に雑誌でなぜ無名校にみたいな特集がありました」 桃子「い、インターハイチャンプの妹と、インターミドルチャンプがいる高校っすか……」 ゆみ「中々手強そうだな」 京太郎「手強そう……ってことは負ける気は全然ないんですね」 ゆみ「元々私たちは初出場で相手はどこも格上だ。1つ格上が増えたくらい、いまさら変わらないさ」 智美「ゆみちんの言うとおり今から怖がってもしょうがないしなー。私たちはまず1回戦突破を目指さないと」ワハハ 睦月「……そうですね。そんな先のことを考えられる立場じゃありませんでした」 桃子「負ける気はないっすけど、確かに部長とゆみ先輩の言うとおりっすね」 桃子「そういえば京太郎の方はどうなんすか?」 京太郎「俺か?」 桃子「自分たちで手一杯で気が回らなかったんすよ。勝てそうなのか聞きたいっす!」 京太郎「んーネトマではそれなりに勝ててるけど……」 睦月「雀荘に行ったりはしなかったの?」 京太郎「何度かは行きましたよ。ただ本格的にやってる人はあんまりいなかったです」 智美「それじゃああんまり参考にはならないなー」ワハハ 睦月「他の高校と試合出来ればよかったんだけどね」 京太郎「人数が揃ってる女子でも無理だったんですし、1人だけの男子ならなおさらですよ」 ゆみ「決勝リーグに進んでもおかしくない実力は付いているよ。それは保証する」 桃子「おかしくないってことは行けないこともあるんすね」 ゆみ「それはそうだ」 京太郎「うぅ……」 ゆみ「結局はあの2人に当たったときにどうなるかだな。無難にやり過ごせれば決勝リーグに行けるさ」 京太郎「他人次第って不安ですね……」 桃子「初めて1ヶ月で決勝に行けるかもしれないってだけで十分っすよ」 京太郎「それはそうなんだけどな」 智美「まあ麻雀なんて水物だからなー。そんなに気負っちゃダメだ」 京太郎「そうですね。男子1人の個人戦なら何があっても自分の責任ですし、精一杯頑張ります」 佳織「っ!」ビクッ 智美「佳織もだぞー」 佳織「ふぇっ!?」 智美「初心者の佳織を無理言って麻雀部に入れたのは私たちなんだから、勝てないかもなんて気にしなくていいんだぞ」 ゆみ「そんなことを気にしていたのか。団体戦はチームでやるんだ。少々失敗しても私たちが挽回すればいい」 佳織「智美ちゃん、加治木先輩……ありがとうございます」 佳織「でも私も鶴賀麻雀部の一員ですから、役に立てるように頑張ります!」 睦月「うん、期待してる」 桃子「かおりん先輩、役満頼むっすよー!」 佳織「そんな、無理だよー」アハハ 一同(……絶対1度は役満で和了るんだろうなあ) 智美「それじゃあそろそろお開きにしようか」 ゆみ「そうだな。あまり遅くなっては明日がつらい」 桃子「いよいよ明日は大会っすね。腕が鳴るっすよー!」 京太郎「俺は明後日からだから、明日は応援だな」 桃子「ちゃんと横断幕は用意したっすか?」 京太郎「今からしてやろうか?」 桃子「出来るもんならしてみるがいいっす!」 京太郎「俺が本気を出したら一晩で完成させられるぞ?」 ゆみ「そんなところで本気を発揮しなくてもいい」 睦月「というかそもそも掛ける場所ないからね」 佳織「そっか。明日はもう大会なんだね」 智美「何だ佳織、そんなことも知らなかったのかー?」ワハハ 佳織「ち、違うよ! そうじゃなくって実感がわかないなって思って」 睦月「みんなが集まってから1ヶ月経ったんだね……確かに実感わかないや」 智美「3人のときも楽しかったけど、6人になってからはもっと楽しかったなー」 ゆみ「そうだな、ようやく部活らしくなった気がしたよ」 桃子「……大会が終わったらゆみ先輩たち引退しちゃうんすよね」 京太郎「……!」 智美「うん、私たち3年は引退だなー。でも部活には顔を出すと思うぞ。な、ゆみちん」 ゆみ「ああ。大会に出られなくても麻雀は出来るし、後輩の様子も見たいしな」 ゆみ「まあ受験勉強があるから毎日というわけにはいかないが」 智美「……ワハハー」 ゆみ「おい、なぜ目をそらす」 智美「ゆみちんは気が早いなー」ワハハ ゆみ「むしろ遅いくらいだ」 佳織「応援しかできないけど頑張ってね」 智美「ついに佳織にも見捨てられたかー……」 佳織「智美ちゃん3年生じゃない」 智美「佳織は厳しいなー」 ゆみ「ほらみんな、いい加減帰るぞ」 智美「佳織に付き合ってたらいつまでも帰れそうにないし帰るかー」ワハハ 佳織「私のせい!?」 睦月「まあまあ」 桃子「ほら京太郎も帰るっすよー。……京太郎?」 京太郎「ん? あ、ああ。大丈夫、帰るよ」 桃子「どうかしたんすか?」 京太郎「何でもないから大丈夫」 桃子「ならいいっすけど……」 ゆみ「なんだ、どうかしたのか?」 京太郎「大丈夫ですって! ……ゆみ先輩、今日は送らせて貰っていいですか?」 ゆみ「え?」 京太郎「ほら、俺は明日試合がないけどゆみ先輩はあるじゃないですか。疲れを残しちゃいけませんし」 桃子「それなら私も送ってくれていいんすよ?」 京太郎「お前は自転車じゃないだろ」 桃子「贔屓っすー」ブーブー 京太郎「話は自転車を持ってきてからだ。……それでゆみ先輩、どうですか?」 ゆみ「まあ君がそう言ってくれるならお言葉に甘えようか」 京太郎「ありがとうございます!」 ゆみ「こちらこそ、ありがとう」 智美「青春だなー」 睦月「そうですねえ」 佳織「2人ともああいうことあったの?」 智美「……むっきー、抑えてろー」 睦月「はい」ガシッ 佳織「えっ、な、何? ど、どうしたの急に……あ、アハハハ!! く、くすぐったいよ! や、やめてー!!」アハハハ 智美「そういうこというやつはお仕置きだー!」コチョコチョ ――帰り道―― 京太郎(寂しいけど、ゆみ先輩とは大会が終わったら会えなくなるかも知れないんだよな。少なくとも、今よりは絶対に会えなくなる) 京太郎(ゆみ先輩は受験勉強もあるから、これから先俺とゆみ先輩が会う時間はどんどん減ってく) 京太郎(待てば今より仲良くなれるか? ……ダメだ。考えるほど疎遠になるんじゃないかって考えちまう) 京太郎(それなら、今日告白したほうが……) ゆみ(京太郎くん、今日はあまり話しかけて来ないな。明日が大会だから気を使っているんだろうか……そんなこと必要ないんだがな) ゆみ(京太郎くんに送ってもらうのはこれが何度目だろう。足の怪我が治った後も何度か送ってもらったしな……) ゆみ(……まあいいか。今日は静かな分京太郎くんの鼓動がよく聞こえて、これはこれで落ち着く)ギュッ ゆみ(最初の頃に比べると随分鼓動が落ち着いているのは喜ぶべきなんだろうか)ウムム ゆみ(……大会が終わったらこれも出来なくなるのか。それは、少し寂しいな――) 京太郎「ゆみ先輩、着きましたよ」 ゆみ「ああ、ありがとう」 京太郎「その…… ゆみ「今日は」」 ゆみ「っと、すまん、先にいいぞ」 京太郎「い、いえ。ゆみ先輩が先に」 ゆみ「そうか。まあ大したことではないんだが、今日は最近の君にしては珍しくあまり話さなかっただろう?」 京太郎「そ、そうでした?」ギクッ ゆみ「いや、別にだからどうだというわけではないんだが……ちょっと考えこんでしまってな」 京太郎「考え込む?」 ゆみ「ああ。大会が終わったら京太郎くんとこうして帰ることもなくなってしまうのかと思うと少し寂しいな、と」 京太郎(ゆみ先輩も俺と同じことを感じて――) ゆみ「つまりその、後1ヶ月程度しか君と2人で帰ることが出来ないと思うと凄く嫌で、だからもっと君と……」 ゆみ「ああ、もう! 私は何を言っているんだ! すまない忘れてくれ!!」カアァァ 京太郎「え?」 ゆみ「だ、だから忘れてくれ! 大会前で少し気が動転して――」 京太郎「あ、いえそうじゃなくて。後どの程度って言いました?」 ゆみ「だから本心ではな――いや本心じゃないわけじゃないんだが……」 ゆみ「ってうん? 1ヶ月程度と言ったんだ。全国に行けばそのくらいになるだろう?」 京太郎「……!」 ゆみ「それより私のさっきの発言は忘れて――」 京太郎「大丈夫です。正直よく聞いてませんでした」 ゆみ「そ、そうか……」シュン 京太郎「?」 ゆみ「それじゃあ次は君の話を……」 京太郎「いえ、そっちは大丈夫です」 ゆみ「私の時間なら問題ないぞ?」 京太郎「何でもなかったんです。また後でちゃんと言います」 ゆみ「ん、そうか。応援期待しているぞ」 京太郎「任せてください! 自分の個人戦以上に気合を入れて応援します!」 ゆみ「それはやりすぎだ。……まあ楽しみにしているよ」フフッ 京太郎「はい、期待しててください!」 ゆみ「ああ。また明日」 京太郎「はい、また明日」 京太郎「あー……俺はバカか。全国に行けばもっと長く部にいてくれるなんて、言われれば当たり前じゃねえか」 京太郎(ゆみ先輩はやっぱカッコいいな……。いやまあ、そういう人だから好きになったんだけど) 京太郎(大会が終わったら言いますとか言ったけど、俺がゆみ先輩に告白する資格なんて元からないんじゃないか……?) 京太郎「……まあ大会で勝てばいいんだよな。上手く行けば決勝、奇跡が起きれば全国だ! やってやる!」 ――大会会場―― 智美「ついに来たぞー!」 ゆみ「いよいよ本番だな……」 桃子「腕が鳴るっすよー!」 佳織「緊張してきたよ……」 睦月「私も……ちょっと気分が」フラッ 京太郎「む、睦月先輩!? 試合はまだですよ!?」 智美「むっきーはプレッシャーに弱いなー」ワハハ ゆみ「まあ試合をこなせば慣れるだろう」 睦月「先輩たちは全然緊張してませんね……」 智美「いやーそんなことないぞー」ワハハ 京太郎「えっ、どこがですか?」 智美「失礼だなー。佳織なら分かるよなー?」 佳織「え? う、うん。もちろんだよ!」 智美「ほら、佳織を見習えー」ワハハ 桃子「どこで分かるか聞かないんすね」 ゆみ「ああ、察したんだろう」 京太郎「にしても人多いですねー」 ゆみ「年々参加者が増えているらしいぞ」 佳織「麻雀人気って凄いんですねえ」 智美「佳織みたいに全く知らないってのは珍しいと思うぞ」 佳織「か、簡単なルールは覚えたよ!?」 智美「結局全部の役は覚えられなかったなー」 佳織「特に役満だけど、麻雀は役が複雑すぎるよう……」 睦月「妹尾さんは役満を真っ先に覚えるべきだったとは思うよ……?」 佳織「でも役満って出づらいんだよね? なら出る役から覚えたほうが……」 睦月「う、うむ。それはそうなんだけど……」 ゆみ「まあ麻雀は水物だ。3つ揃えるということさえわかっていれば後はなんとかなるさ」 ザワザワザワザワ 京太郎「なんか騒がしいですね」 ゆみ「あれは……」 「風越女子だ!」 「部員80人を擁する強豪!!」 京太郎「あれが風越ですか。部員80人ってすげー」 ゆみ「ウチの10倍以上か……」 桃子「なんの、こっちは少数精鋭っすよ!」 佳織「えっと、桃子さん。初心者の私が鶴賀にはいるんだけど……」 桃子「……団体戦は5人いれば十分っすよ!!」 京太郎「仕切り直した」 智美「あっちは80人からの精鋭だしなー」ワハハ 桃子「そこ、うるさいっすよ!」 ゆみ「お前たちは緊張しないな」ハァ 睦月「あはは、でも見てると気が楽になりました」 ゆみ「ああ、そうだな」 ザワザワザワザワ 京太郎「また騒がしくなりましたね」 「四天王は2年になっても健在だ!」 「目立ってなんぼですわ!」 ゆみ「今度は龍門渕か」 京太郎「なんかあのメンバーの中から声が聞こえたような……」 智美「目立つのが好きなんだろー」 京太郎「……あれ、4人しかいないみたいですけど龍門渕は部員少ないんですか?」」 睦月「あそこは団体戦メンバーの5人しかいないみたい」 京太郎「それで全国……まさに少数精鋭」 桃子「団体戦は5人いれば十分って証明っすね!」 ゆみ「龍門渕と同じと考えれば私たちもやれる気になるな」 睦月「ものは考えようですね」 佳織「が、頑張りましょう」 智美「気楽になー?」 智美「それじゃあ対局室見に行くかー」 京太郎「はい、わかりまし……ってあれ?」 ゆみ「どうかしたのか?」 京太郎「あいつは……すみません、ちょっと待っててください」タッタッタ ゆみ「あ、おい――」 咲「うぅ、ここどこ……」キョロキョロ 京太郎「おい」ポンッ 咲「ひぅっ! わ、私違います!!」ビクッ 京太郎「何が違うんだよ……咲、俺だよ」 咲「え?」クルッ 咲「きょ、京ちゃん!?」 京太郎「おう、久しぶりだな」 咲「うん、久しぶり! ……ってもう、脅かさないでよ! ほんとにびっくりしたんだから!!」 京太郎「久々に見つけたと思ったらいきなり迷ってるんだぜ? そりゃ脅かしたくもなるって」 咲「どんな理屈なの!?」 京太郎「まあまあ、案内してやるから機嫌直せよ」 咲「私を脅かしたような人の案内なんて……!」 京太郎「いらないのか?」 咲「……お願いします」ウゥ… 京太郎「分かればよろしい」 京太郎「それじゃあ先輩たちに断ってくるから咲も来い」 咲「先輩たち?」 京太郎「……お前俺がなんでここに来てると思ってるんだ?」 咲「えーと……女の子の物色?」 京太郎「あ、そうだ。迷子なら事務所に運んで放送してもらったほうが速く合流できるよな」グイッ 咲「じょ、冗談だから!! それはやめて!!」アセアセ 京太郎「まったく……それじゃほら、付いて来い」 咲「う、うん……」オドオド 京太郎「人見知りまだ直ってないんだな」 咲「そ、そんな早く直らないよ」 京太郎「麻雀部の仲間とは上手くやれてるのか」 咲「うん! みんな良い人たちだよ」 京太郎「そっか。ならよかった」ポン 咲「あ、頭撫でないでよ……」 京太郎「悪い悪い」 桃子「あ、戻ってきたっすよ」 京太郎「すみません、こいつが……」 智美「会場に着くなりナンパはどうかと思うぞー?」 桃子「さすがの私もドン引きっすよ」 睦月「ちょっと擁護できないかな」 佳織「いいことじゃないと思うよ?」 ゆみ「京太郎くん……」 京太郎「違いますよ! こいつは何度か話した幼馴染の咲です! 迷ってたから連れてきたんですよ!」 京太郎「……ていうか俺そんなことするやつだと思われてたんですか!?」 智美「日頃の行いだなー」ワハハ 咲「京ちゃん部活で何してるの……?」 京太郎「真面目に練習やってるよ! 畜生、なんだこの扱い!」 桃子「まあ冗談は置いといて、あんたが宮永咲っすか……」ジロジロ 咲「な、何ですか?」ビクビク 桃子「……京太郎と付き合ってたりするんすか?」 京太郎・咲「え?」 ゆみ「」ピクッ 桃子「身体の距離が近かったり頭撫でたり手引っ張ったりしてたじゃないっすか。もしそうなら……」 咲「あはは、やだなー。私が京ちゃんと付き合うって……そんなことあるわけないじゃないですか」 京太郎「そうそう。俺が咲と付き合うなんてありえねえ」 咲「どういう意味?」ムッ 京太郎「お前も同じ事言ってること忘れてないか?」 咲「私が言うのはいいけど、京ちゃんに言われると腹立つ」 京太郎「めちゃくちゃ言ってんなお前!」 桃子「……まあ違うならいいっすよ」 佳織「2人とも仲いいねえ」 京太郎「あーまあ、幼馴染ですから」 睦月「そんなに仲良くなるものなの?」 京太郎「そんなもんですよ」 京太郎「それで、こいつ迷ってるみたいなんで清澄のところに送って行っていいですか? すぐ戻りますから」 咲「ま、迷ってるって……」 京太郎「いや迷ってんだろ?」 咲「そうだけどそんなにはっきり言わなくたって……」アセアセ 智美「送ってきてもいいぞー。私たちは対局室見たら控え室に行ってるから」 京太郎「すみません、部長」 咲「あ、ありがとうございます!」ペッコリン 智美「気にするなー。初出場同士、お互い頑張ろうなー」ワハハ 咲「は、はい!」 京太郎「それじゃちょっと行ってきます」 睦月「気をつけてね」 京太郎「咲、部員はどこにいるんだ?」 咲「組み合わせ見てるって言ってたかな……?」 京太郎「よし、じゃあまずはそこ行くか……咲、そっちは逆だ」 咲「えっ!?」 京太郎「お前よく1人で東京行けたな……」 咲「下準備をこれでもかってくらいやったんだ」 京太郎「……うん、お前のそういうところは偉いと思うよ」 咲「でしょー」エヘン 智美「あれが宮永咲かー」 佳織「見た目は普通の女の子って感じだったね」 桃子「そうっすねー。見た目で麻雀の強さはわからないっすけど、チャンピオンの妹っていうからもっと威圧感あるかと思ったっす」 桃子「ただそれより……」 睦月「うむ。幼馴染とは聞いていたけど、想像よりずっと仲良かったね」 ゆみ「」ピクッ 智美「……ゆみちん、さっきから全然喋らないなー」 ゆみ「え、なっ、何のことだ?」ビクッ 智美「それで誤魔化してるつもりなのかー……?」 桃子「まあ私も付き合ってたらお仕置きしてやろうと思ったっすけど、あの反応は本当に付き合ってないと思うっすよ?」 ゆみ「そ、そうかな」 睦月「そうですよ。幼馴染だとあのくらい仲良くなるもんだって言ってたじゃないですか」 智美「そうだぞー。私と佳織も仲いいだろー?」ワハハ ゆみ「確かにそうだが、しかし男女であれは……」 佳織「幼馴染だと男女とかより家族って感じだと思います。だからそんなに落ち込まないでください!」 ゆみ「なるほど家族か……って、だ、誰も落ち込んでなんていない!」 佳織「ええっ!?」 智美(地雷踏んだなー) 桃子(相変わらず躊躇なく行くっすね) 睦月(私も妹尾さんの強さは見習いたいなあ) ゆみ「た、ただ私は京太郎くんがああいうことを人前でするのは、あまりよくないのではないかと思ってだな……」ワタワタ ゆみ「だから、べ、別に京太郎くんが仮に付き合ってたとしても、人前でああしないなら私は特に……何も……何も、うぅ」シュン 智美「ほら佳織、あんまりゆみちんをいじめちゃダメだぞー」ワハハ 佳織「わ、私何かした!?」 睦月「無自覚なのが一番怖いよ」 桃子「大物っすねー」 佳織「えっ!?」 智美「ゆみちん、対局室見に行こうか」 ゆみ「ああ……そうだな。そうしようか」 智美「それじゃあ行くぞー」ワハハ 京太郎「組み合わせ表はこの先か」 咲「うん……あ、みんな!!」 優希「咲ちゃん! 探したじぇ!」 和「心配しましたよ」 咲「ごめんね、ちょっと迷っちゃって……」 久「まあすぐ見つかってよかったわ。それでそっちの彼は?」 咲「何度か話に出した、私の幼馴染の京ちゃんです」 久「ああ、あの彼ね。初めまして、私は清澄高校麻雀部部長の竹井久よ」 京太郎「初めまして。鶴賀学園1年の須賀京太郎です」ペコリ 京太郎(……あの?) まこ「おい、今何度かというたか?」ヒソヒソ 優希「言ってたじょ。一時期なんか毎日のように話してたのに……」ヒソヒソ 京太郎(視線を感じる……) 久「鶴賀? 聞いたことないわね……」 京太郎「ああ、ウチも清澄と同じで初出場なんですよ」 久「そうなの。どおりで……お近づきの印にお互い情報交換でもしない?」 京太郎「なんか怖いので……すみません」 久「ちぇっ」 和「須賀さん、咲さんを送って頂きありがとうございました」 京太郎「いえいえ、昔から俺の役目なんで」 咲「昔から私が迷ってたみたいな言い方……!」 京太郎「迷ってたろ?」 咲「……迷ってたけど」シュン 久「咲は須賀くんに随分助けられてたのね」クスクス 京太郎「高校に入ってからもメールで色々やってますからね。もう生活の一部ですよ」 咲「京ちゃんのバカ」ムッ 京太郎「なんでだよ!」 咲「なんでも!」 和「仲がいいですね」クスクス まこ「妬けるのう」 優希「羨ましいじぇ」 京太郎「それじゃそろそろ戻るんで……」 久「ええ、ありがとう。人数ギリギリだし助かったわ」 和「鶴賀学園でしたよね。戦えるのを楽しみにしてます」 京太郎「伝えときます。それじゃ失礼します」 咲「京ちゃん、またね!」 京太郎「ああ、またな」 優希「さて、それじゃあ咲ちゃん……」 まこ「キリキリ話してもらおうかのう」 咲「え? 何をですか?」キョトン 久「とぼけようったってそうはいかないわよ。咲の話してたとおり中々いい子だったじゃない。見た目も70点ってとこかしら」 咲「とぼける……? でも見た目は高すぎですよ」クスクス 久「……あれ、低いって言ってくると思ったのに意外ね」 咲「だって京ちゃんですよ? せいぜい50点です」 久「き、厳しいわね」 まこ「基準があれじゃから辛口なんじゃろうか」 優希「なるほど……」 和「試合の前に何をやってるんですか……それに悪趣味ですよ」ハァ 久「まあまあ、少しくらいいいじゃない。それで咲、須賀くんとは月にどのくらい会ってるの?」 咲「月にですか? 高校に入ってから会うのは今日が初めてですけど……」 久「ダメよ、ちゃんと手綱握っておかなきゃ。遠距離だからって何ヶ月も会わなかったら逃げられちゃうわよ?」 咲「逃げられる……? ……あ! もしかしてみんな勘違いしてます?」 優希「勘違い?」 咲「えっと、私と京ちゃんは別に付き合ったりはしてませんよ? 単なる幼馴染です」 和・優希・久・まこ「えっ!?」 咲「鶴賀の人にも言われたんですけど、私と京ちゃんが付き合うわけないじゃないですか」アハハ 咲「……あれ、みんなどうし――」 和「じょ、冗談ですよね!!??」ガッ 咲「わっ! ど、どうしたの和ちゃん!?」 和「毎日メールしてたり須賀さんのこと毎日のように話に出したりしてるじゃないですか!」 和「それで付き合ってないなんてそんなオカルトありえません!!」 咲「そ、そう言われてもメールしてるのは幼馴染だからだし、話は、その、話題が思いつかなくて……」 和「読書とか園芸とか色々あるじゃないですか!?」 咲「……あー」 和「天然ですかっ! 可愛いですねもうっ!」 優希「の、のどちゃん落ち着くじぇ」 和「はっ! ……すみません、取り乱しました」 咲「和ちゃん意外と早とちりなんだね」アハハ 和「……」 久「和。言いたいことは色々とあると思うけどここは私たちに代わりなさい」 まこ「咲よ、おんしにとってあやつはどういう存在なんじゃ?」 咲「京ちゃんは麻雀部に入れって背中を押してくれたり、中学のときも人見知りな私のことたくさん気づかってくれたりして……」 咲「本人には言えませんけど、大切な存在です」 久「咲から見た須賀くんってどういう人なの?」 咲「えーと……京ちゃんって見た目軽そうですけど根は真面目で優しいんです」 咲「私が上手く話せなくてもずっと待っててくれますし、私のことからかったりはするけどバカにすることは絶対ないですし」 咲「ちょっとバカでエッチで私のこと子供扱いしてきますけど、でもすっごく頼りになる幼馴染です!」 優希「……メールは毎日1時間してるんだっけ?」 咲「うん。……あ、1時間は最低で、普段はもっと長くやってるからね!?」アセアセ 優希(何の話をしてるんだじょ……?) 和「あくまで咲さんと須賀さんの関係は幼馴染だと言うんですね?」 咲「? うん、そうだよ?」 和・優希・久・まこ「…………」 咲「え、えっと?」 和「そんなオカルトありえません……」 優希「のどちゃん。私も信じられないけど世の中には色んな付き合いがあるってことだじぇ」 久「……まあ本人がそういうならそうなのね。あまり追及するのもやめましょう」 まこ「そうじゃな。ほれ、試合が始まるし移動じゃ」 咲「はい! 強い人と戦えるのが楽しみです!」 久「やっと咲に共感できたわ……! それじゃ登録したオーダーを発表するわよ――」 ゆみ(……女の子らしい女の子だったな。京太郎くんはずっと彼女と……やはり好みもああいう子なのだろうか)ソワソワ ゆみ(いや、それ以前に京太郎くんはああ言っていたけど実は付き合って……いやいや、信じないでどうする。だがしかし……)ソワソワ 京太郎「すみません、戻りました!」 桃子「ようやく来たっすか」 智美「中々戻らなかったからゆみちんがそわそわしてたぞー」 ゆみ「なっ、別に私は――」 京太郎「え? なんでですか?」 ゆみ「っ……その、だな。君と宮永との関係は……」 京太郎「幼馴染ですよ? さっき言ったじゃないですか」 ゆみ「……すまない、聞きたいのはそういうことじゃなかった。……京太郎くんは彼女のことをどう思っているんだ?」 京太郎「どうと聞かれると難しいですけど……可愛い手のかかる妹みたいな感じです」 ゆみ「妹……そうか。変なことを聞いたな。ありがとう」 京太郎「いえ、別に気にしてないですけど……やっぱり対戦相手と思うと気になるんですか?」 智美「まーそんなところだ。あんまりいじめてやるなー」 京太郎「いじめ……ええ!?」 桃子「女の敵っすねー」 睦月「京太郎くんは悪い男だね」 佳織「もっと周りを気にしてね?」 京太郎「俺何かしました!?」 ゆみ(……されたよ。バカ) 智美「ついに試合だなー」 桃子「念願の晴れ舞台っすね!」 佳織「ドキドキしてきました」 睦月「私は緊張で気分が……」ウッ ゆみ「さっき緊張がほぐれたと言っていたじゃないか」 睦月「まさか先鋒だとは思わなかったからですよ……」 京太郎「先鋒だと何かあるんですか?」 睦月「先鋒で突き放せたほうが有利だから、団体戦だとエースを先鋒に持ってくることが多いんだ……」 京太郎「なるほど、エース対決……それだとゆみ先輩かモモのほうがよかったんじゃないですか?」 ゆみ「それも考えはしたんだが龍門渕の大将はおそらく天江衣だ。私でも間違いなく力不足だが、それでも任せるわけにもいかない」 佳織「桃子さんが先鋒じゃないのはなんでですか?」 ゆみ「どこまで効果があるのかわからないが、ステルスを活かすにはあまり目立たないほうがいいと思ってな」 ゆみ「先鋒で不自然な振り込みが続けば他校の中から異常に気付く人間も出てくるかもしれん。まあ気休め程度だが」 睦月「私が一番最初で躓いたりしたら……ああ、考えるのが怖い!」 智美「まあまあ。取り返すために私たちがいるんだぞ」ワハハ ゆみ「ああ、それに別に消去法で選んだわけじゃない」 睦月「え?」 ゆみ「津山なら多少流れが悪くとも大崩れはしない」 ゆみ「どんな状況でも確実に後ろにバトンを繋いでくれると思っているから先鋒を託したんだ」 睦月「先輩……」 ピンポンパンポーン 「1回戦が始まります。各校先鋒の選手は対局室へ集合してください」 京太郎「始まるみたいですね」 ゆみ「ああ、津山。行ってこい」 智美「期待してるぞー」ワハハ 桃子「頑張るっす!」 佳織「ふぁ、ファイトっ!」 睦月「は、はい!」ガチガチ 京太郎(まだ緊張してるな……よし) 睦月「そ、それじゃあ行ってきます」 京太郎「」コソッ 睦月「」スタスタ 京太郎「えいっ」メカクシ 睦月「ひゃあ!?」ゴスッ 京太郎「ぐぉっ!?」 ゆみ「何をやっているんだ君は……」 京太郎「い、いえ。緊張をほぐそうといたずらをしたら肘打ちが……」ウゥ… 睦月「ご、ごめんね?」アセアセ 桃子「謝らなくていいっすよ」ハァ 智美「ほら、遅れるから対局室へ急げー」ワハハ 睦月「は、はいっ」タタッ 京太郎「うぅ…まだ痛む」 ゆみ「緊張をほぐすにしてもあれはないだろう」 京太郎「驚かすのが一番だと思ったんです……」 智美「試合前にあれはなー」 桃子「緊張を解くのに何が一番か、京太郎はわかってないっすねー」 京太郎「む、じゃあモモは知ってるのかよ」 桃子「当たり前じゃないっすか。むっちゃん先輩ならすぐ出来るっすよ」 京太郎「じゃあなんで言わなかったんだ?」 桃子「言ったら意味ないっすからね。ほら、始まるっすよ」 京太郎「?」 ゆみ「私たちが言うのもなんだが、初戦の相手に強豪はいない。津山なら普通に打てば見劣りしないさ」 智美「むっきーは堅実だからなー。配牌も悪くないし上手く行けば1局目で……」 佳織「あ、聴牌しました!」 京太郎「立直はしないんですね」 ゆみ「すべきだとは思うが……まあ緊張からだろう。だがこれで」 睦月『ロ、ロン! 3900です!』 京太郎「やった!」 智美「むっきーいいぞー!」 桃子「流石っす!」 ゆみ「肩の力も抜けたようだな」 京太郎「え? あ、ほんとですね。見て分かるくらい……」 桃子「」ドヤァ 京太郎「……その顔はなんだモモ」 桃子「さっき言ったじゃないっすか。緊張を解くための方法」 京太郎「言ってはねえよ!?」 桃子「細かいっすねー。要するに一度上がれば緊張なんて取れるもんすよ」 京太郎「あーなるほど」 ゆみ「津山も長くやっている。緊張しているといっても全く上がれないことはないと思っていたが、1局目で上がれたのは幸運だったな」 京太郎「じゃあ後は大丈夫ですか?」 ゆみ「まあ相手はおそらく各校のエースだ。楽な勝負とはいかないだろうが、津山に任せよう」 京太郎「はい……睦月先輩、頑張って下さい!」 睦月「た、ただいまー」 京太郎「睦月先輩お疲れ様でした!」 睦月「うん……ありがとう」 佳織「区間2位おめでとう!」 睦月「ありがとう……でも1位になれなかったのは悔しいな」アハハ 智美「この欲張りさんめー」ワハハ ゆみ「よくやった。後は任せろ」 睦月「はい。ゆっくり応援してます……」 京太郎「飲み物どうぞ」リョクチャ 睦月「うん、ありがとう」ゴクゴク 桃子「気がきく……ってそのペットボトルいつ用意したんすか!?」 ゆみ「対局中は外に出ていないはずだが……」 京太郎「来るときに用意してたんですよ。今日は出ないですしこれくらい用意しておかないとって思ったんで」 智美「なんかデカイ箱持ってるなと思ったらクーラーボックスだったのかー」 京太郎「全員の好きなの持ってきたんでよければ飲んでください」 佳織「わあ、ありがとう! 頑張ってくるよ!」オレンジジュース 桃子「私も1本貰うっす」モモノテンネンスイ 智美「応援頑張ったし私も飲もうかなー」コーラ ゆみ「私も貰おうかな。ありがとう、京太郎くん――」ハッ ゆみ(好きな飲み物なんて話した覚えがないな……) ゆみ「京太郎くん、この飲み物は……」 京太郎「え? ああ、俺からの差し入れですよ。気にしないでください」 ゆみ「そういうことじゃ――いや、それはそれで後で払おう」 ゆみ「そうじゃなくて私がレモンティーを好きだなんて話した覚えがないんだがどうして知っていたのかと」 京太郎「ああ、そっちですか。1ヶ月も一緒にいればわかりますよ」 ゆみ「ん、そうか……」 桃子「あーそれで私が桃天好きだって知ってたんすね。隠してたつもりなんすけどねー」 京太郎「毎日のように桃天飲んどいてどこが隠してんだよ!?」 ゆみ「え」 智美「私のコーラ好きもバレてたかー」 京太郎「モモほどじゃないですけどよく飲んでますしね」 ゆみ「な」 睦月「私は……」 京太郎「あれだけせんべいと緑茶飲んでればそりゃわかりますって」 睦月「いや、実はストレートティーのほうが」 京太郎「じゃあせんべいも紅茶と一緒に食べてくださいよ!?」 睦月「そこは相性の問題だね」 京太郎「なんで誇らしげなんですか……はい、ストレートティーです」 睦月「あるんだ!? いや、流れに乗っただけで緑茶も好きだし、こっちで大丈夫。わざわざありがとう」 京太郎「じゃあしまっておくんで後で飲んでください……あれ、ゆみ先輩どうしました」 ゆみ「なんでもない……」 ゆみ(私だけじゃなかったんだな)ハァ 京太郎(ゆみ先輩は色々飲んでるからわかりづらかったけど当たってよかった……!) 京太郎(遊びに行ったとき飲んでたのをよく覚えてた! 偉いぞ俺!) 桃子「なんかまた2人でやってるっすね」 智美「一回戦とはいえ余裕だなー。というかいい加減にしろー」ワハハ 佳織「うぅ……すみません……」 京太郎「ドンマイです。4万点差くらいどうとでもなりますよ」 佳織「でも区間4位で役立てなくて……」 ゆみ「昨日も言ったじゃないか。1ヶ月前に入れるなんて無理を頼んだのは私たちだ。妹尾の取られた点棒は私たちが取り返す」 桃子「かおりん先輩の後は部長に私にゆみ先輩。まさに盤石っすよ!」 智美「そうそう気にするなー。佳織の敵は私が取るぞ」ワハハ 佳織「みんな……」ウルウル 智美「ワハハー。それじゃ逆転してくるかー」 ゆみ「ああ、行ってこい」 睦月「お願いします!」 桃子「ファイトっすー!」 ………… ……… …… … ゆみ『ツモ。2000・4000』 一同「…………」プルプル 京太郎「か、」 智美「勝ったぞー!」 睦月「勝ったんだ……」ヘニャ 佳織「よかった……!」 桃子「みんな喜びすぎっすよー。初戦突破なんて通過点っす!」ニヘラ 京太郎「その顔で言うなよ」ハハ 桃子「嬉しいんだからしょうがないっすかー」バシバシ 京太郎「痛っ!」 桃子「もー大げさっすねー」バシバシバシ 京太郎「やめい! ほんと痛えよ!?」 睦月「あはは、夢じゃなさそうだね」 佳織「うん、痛がってる」フフ 京太郎「微笑ましそうにするのやめてください!」 桃子「やーでも私たち勝てたんすねー。夢じゃないんすねー」ニヘラ 京太郎「部長、モモ、ゆみ先輩が区間1位だぜ。順当だよ」 智美「ワハハ、そんな褒めるなー」 佳織「智美ちゃんありがとう!」 睦月「モモも先輩たちも、やっぱり凄いですね」 智美「2人が踏ん張ってくれたからだぞー。……そろそろゆみちんが帰ってくるなー。ちゃんと迎えよう」 桃子「そうっすね! 盛大に出迎えるっす!」 ガチャ 京太郎「ゆみ先輩! おめでとうございます!!」 ゆみ「」ポー 京太郎「飲み物どうぞ……ってどうしたんですか?」 ゆみ「私たちは勝ったのか……?」ポー 京太郎「何いってんですか! ゆみ先輩なんて一度も振り込まずに圧勝したくせに!」 ゆみ「実感がない……京太郎くん、ちょっと後ろを向いてくれないか?」ポー 京太郎「? はい」クルッ ゆみ「ん……」ピト 京太郎「はい!?」ビクッ 桃子・智美・佳織・睦月「!?」 ゆみ(いつもの……いつもよりは速いか? でも聞き慣れた京太郎くんの鼓動だ……) ゆみ「……うん、ありがとう。ようやく現実に戻ってきた気分だ」 京太郎「」 ゆみ「京太郎くん?」 智美「……あー、現実に戻ってきたところ悪いんだけどなー?」 ゆみ「なっ、え!? なんでお前た……あ」 桃子「これは本気で私たちのこと忘れてたっぽいっすね……」 睦月「しゅ、集中力凄いですね」 佳織「凄い慣れててこっちが赤くなっちゃいました」 ゆみ「い、今のは、その……忘れてくれ……」カアァァ 智美「ちょっと難しいなー」ワハハ 桃子「というか今さら1個忘れたくらいじゃどうにもならないっすよ?」 ゆみ「なら今までの全部だっ!」 睦月「あ、自覚がないわけじゃないんですね」 佳織「私は無自覚って言われたましたけど、さすが加治木先輩ですね!」 ゆみ「うぅ……」シュン ゆみ「京太郎くん……」ジッ 京太郎「」 桃子「京太郎?」 京太郎「……はっ。一瞬意識が飛んでたぜ」 智美「いつから飛んだんだー?」 京太郎「その、ゆみ先輩が俺の背中に……」 ゆみ「……そこからは記憶にないんだな?」 京太郎「ええと、そうですね」 ゆみ「……ならまあ」 桃子「いいんすか!?」 智美「それくらいいつもやってるって感じだなー」 京太郎「よくやられてますけど、やっぱ心の準備してないと驚きますね」アハハ 佳織「よくやってるってほんとに慣れてたんだ……」 京太郎「ところで俺の意識が飛んでる間に何が」 ゆみ「いいから! ほら次の試合が始まるぞ!」 桃子「……今さら何が恥ずかしいんすかね」ヒソヒソ 智美「ほら、自覚があるって思われると恥ずかしいんじゃないか?」ヒソヒソ 睦月「なるほど」ヒソヒソ ゆみ「聞こえてるぞ!」 ゆみ「……どう思ってるかなんて自分でもよくわからない」ボソッ ゆみ(京太郎くんとまだ一緒にいたいと思うのは、蒲原たちと一緒にいたいと思うのと違うものなんだろうか……) 京太郎「佳織先輩、あっちで何か話して……」 佳織「い、いやあの……そ、それより私ちょっと喉が渇いたから飲み物が欲しいかな!?」 京太郎「あ、はい。どうぞ」 智美「2回戦はさっきより手強いなー」 桃子「さすがは1回戦を突破しただけあるなー」 京太郎「睦月先輩苦戦してる……休憩がほとんどないのは辛いですね」 ゆみ「確かに辛いがそれは相手も同じだ。裾花に天竜に高瀬川……やはり一筋縄では行かないな」 佳織「津山さん! 頑張って!」 ………… ……… …… … 睦月「すみません、もっと点数取って繋げたかったんですが……」 ゆみ「なに、相手はそれなりの強豪だ。その先鋒を相手にして2位と僅差の3位なら十分だよ」 睦月「2位の次は3位……このままだと次は4位に」ウゥ… 智美「相手は強くなっていくわけだしなー。でもエースを相手に踏ん張ってくれるってのはそれだけでありがたいんだぞ?」 桃子「そうっすよ。最終的にチームが勝てば問題なしっす!」 ゆみ「まあもちろん勝ってくれるのが一番だ。決勝は期待しているぞ」 睦月「……はい、切り替えます!」 佳織「わ、私も差を広げられないよう頑張ります!」 智美「そうだなー。まずは目の前の試合に勝たないと。期待してるぞー!」ワハハ 京太郎「佳織先輩、頑張ってください!」 佳織『よ、よろしくお願いします』ペッコリン 桃子「かおりん先輩は緊張が解けないっすねー」 智美「緊張というかあれはよくわからなくて戸惑ってるんじゃないかー?」 京太郎「起家ですか。配牌はよさそうですね」 ゆみ「ああ。……いや、よさそうというかこれはもしや」 睦月「ま、まさか……」 佳織「3つずつ、3つずつ……」 裾花次鋒「……その、ごめんなさい。速く切ってもらいたいんだけど……」 佳織「ご、ごめんなさい! ええと、これは……」 裾次(初心者の子なのかな。初心者がいて勝ち進むなんて要注意ね) 佳織「うーん? これはどうすればいいんだろう……?」 3人「?」 佳織「最初からでもいいのかな。ええと、ツモのみ、です。500オールかな?」 3人「なっ!!?」 佳織「えっ!? 間違ってました!?」ビクッ 天次「……最初から揃ってるときは天和って言って役満になるの。点数は……16000オール」 佳織「これも役満なんですか!? わあ……」 京太郎「さ、さすが佳織先輩……」 ゆみ「起家で天和とは……恐ろしい」 智美「やってくれるとは思ってたけどここまでやるとはなー」ワハハ 桃子「かおりん先輩カッコいいっす!」 睦月「妹尾さん凄いな……私も次こそは!」 佳織「ただい――」 智美「よくやったぞ佳織ー!」 京太郎「区間1位おめでとうございます!!」 佳織「あ、ありがとう。でも運がよかったよ」アハハ 桃子「開幕天和は凄まじかったっすねー」 ゆみ「相手も動揺したのかベタオリが多かったからな。妹尾の独特の捨て牌にも翻弄されたようだ」 睦月「実際その後も倍満とか上がってますからね。凄いなあ」 佳織「一回戦の分、取り返せてよかったです」エヘヘ 智美「私もこの流れを切らないようにしないとなー」ワハハ ゆみ「ああ、期待しているぞ」 京太郎「頑張ってください!」 智美「ワハハ、任せろー」 ………… ……… …… … 智美「ワハハ……」 京太郎「お、お疲れ様です」 智美「区間4位とはなー……」 ゆみ「まあそういうこともあるのが麻雀だ。気にするな」 睦月「そうですよ! 配牌は悪かったですけど、悪い打ち方した訳じゃないですし」 桃子「私とゆみ先輩が取り返すから問題ないっすよ!」 佳織「総合順位はまだ3位だし大丈夫だよ」 智美「……そうだなー。これからは応援頑張るぞー!」 桃子「頼んだっすよー! それじゃサクッと逆転してくるっす!」 京太郎「おいおい、そんな甘く見てて大丈夫か?」 桃子「大丈夫っす。言葉の綾っすよ。まあ私が1位にしてくるのは本当っすけどね!」 ゆみ「最悪私で逆転するつもりだが、頼んだぞ」 桃子「任されたっす!」 桃子(さて、ああは言ったけど裾花も天竜も強敵っすね。中々振り込みそうにないっす) 桃子(序盤はおとなしくして終盤勝負っすね。我慢比べになりそうっす) 裾副(配牌はいい、今日は好調ね。リードを守るなんて考えるよりこのまま差を広げましょう) 天副(裾花やっぱり強い……! ここでなんとか巻き返さないと) 高副(4位だけど諦めるわけにはいかない! 全員捲ってやるわ!) 京太郎「硬直してますね……」 ゆみ「実力はモモのほうが上だと思うが……相手も強豪校でレギュラーを取っている選手だ。中々上手くはいかないな」 睦月「まだ消えられてないみたいですね。打牌が慎重です」 智美「冷静に考えると消えられてないって凄いこと言ってるよなー」 佳織「応援頑張るって言ったのはどうしたの!?」 桃子(……消えられたみたいっすね。南2局までかかるなんてやっぱりこの人達強いっす) 桃子(まあゆみ先輩ほどじゃないっすけどね!) 裾副「立直」 桃子(立直っすか。あの捨て牌は……。ちょうどいいっすね。反撃開始っすよ!) 裾副(今日は絶好調! 二-四-五-七待ちならすぐ上がれそうね) 桃子「」タン 天副「」タン 高副「」タン …… … 高副「うー」タン 裾副「ロン! 裏ドラは……」 桃子「ちょっと待った! ダメっすよ。捨て牌はちゃんと見ないと」 裾副「は? 何言って……っ!!?」 天副「え!?」 高副「なっ!?」 裾副「ちょ、ちょっと! すり替えたりしてないわよね!?」 桃子「審判がいてカメラで撮影されてるのに出来るわけないじゃないっすか」 裾副「そんな、見落としてたなんて……」 桃子「ともかくチョンボっすから罰符っすよ」 裾副「くっ……」 京太郎「いやーほんとえげつないなあ」 ゆみ「あれに関しては回避しようがないからな。ロン上がりを放棄するか運に任せるしかない」 智美「私は事故みたいなものだと思って無視してたなー。罰符を何度払ったか数えてないけど」ワハハ 京太郎「俺も何度あれにやられたことか……」 睦月「わかっててもショックだよね。上がれると思ったのに罰符を払うことになるなんて」 ゆみ「ああ、そして相手はモモのステルスを知らない。受ける衝撃も数段上だろう」 京太郎「見るからに落ち込んでますね。気持ちわかるなあ」 佳織「私は何故か桃子さんのステルスで罰符払ったことないんですよね。なんででしょう?」 京太郎「……佳織先輩だからですよ」ニコッ 佳織「な、なんか喜べないな……」 桃子「宣言通り1位になってきたっすよー!」 京太郎「すげえぞモモ!」 ゆみ「よくやった」 桃子「私にかかればこんなもんっすよ!」ドヤッ 智美「ワハハー、生意気だなー」ウリウリ 桃子「ちょ、ちょっと部長!」 智美「凄いぞモモー」ワハハ 桃子「わかったからやめて欲しいっすー!」 智美「……ありがとなー」 桃子「……チームなんだから当然じゃないっすか」 佳織「これで1位ということは……」 睦月「後ちょっとで決勝……!」 京太郎「ゆみ先輩、頑張ってください」 ゆみ「みんながここまで繋いでくれたんだ。必ず守り切るさ」 智美「飛ばしてしまっても構わないんだぞー?」 ゆみ「無理をする必要がどこにある……行ってくる」 桃子「頼んだっす!」 ………… ……… …… … 京太郎「決勝進出だー!!」 桃子「なんで私たちより喜んでるんっすかー!?」ニヘラ 京太郎「お前も十分喜んでるだろ!」ニヘラ 智美「まさかここまで来れるとはなー」ワハハ 睦月「2回戦に行けただけで嬉しかったのに、まさか決勝に行けるなんて……」 佳織「私も凄い嬉しくて……」グスッ 智美「こらこら、泣くのはまだ早いぞ」 佳織「なんか気が抜けちゃって……」 ゆみ「気を抜くのはまだ早い。明日は決勝だぞ」 京太郎「ゆみ先輩! おかえりなさい、おめでとうございます!!」 ゆみ「ありがとう……だがみんな、明日はもっとキツイ試合になる。喜ぶのはいいが疲れは残さないようにな」 京太郎・智美・桃子・睦月・佳織「……」 ゆみ「な、なんだ?」 智美「……一回戦の後何したか忘れたのかー?」 ゆみ「うっ」 桃子「棚に上げるってレベルじゃないっすよね」 ゆみ「よ、喜んでいたわけじゃないしいいじゃないか!」 智美「浮かれっぷりは飛び抜けてたと思うぞ?」 桃子「周りが目に入ってないってああいう事をいうんすねー」 ゆみ「なんで私はあんなことを……!」 京太郎「ま、まあまあ。ゆみ先輩が言ってることは正しいじゃないですか」 佳織「確かにそうだね。そっか、明日で決まるんだね……」 睦月「明日で最後にしたくないね……ここまで来たら全国に行きたい」 桃子「後1勝だけっすしね。負けたくないっす」 ゆみ「ああ、私もだ。明日も早いし今日は帰ってゆっくり休もう」 智美「そうだなー。私たちの家は遠いし帰るかー。明日は頑張るぞー!」 一同「おおー!」 ――帰り道―― 京太郎「ゆみ先輩、今日はお疲れ様でした。カッコ良かったですよ」 ゆみ「ああ、ありがとう。だが明日の相手は正直言ってレベルが違うからな……」 京太郎「龍門渕と風越と……清澄ですね」 ゆみ「そうだな。天江衣は牌譜を見てもわけがわからない」 ゆみ「素人のような打ち筋だが全てが勝ちに繋がっている。実際に打ってみるまで対抗手段は思いつかないだろうな」 ゆみ「池田華菜は火力が凄まじい。9割近く満貫以上で上がっているんじゃないかあれは。あのツモ運は素直に羨ましいよ」 京太郎「咲はどうですか?」 ゆみ「ううん、今年からの出場でデータがないからな。牌譜がないとなんとも……」 京太郎「あ、それならこれをどうぞ」バサッ ゆみ「これは……!」 京太郎「清澄と龍門渕と風越の今年の牌譜です。一応注釈も付けてます。応援で待ってる間に作ってみました」 京太郎「応援だけしか出来ませんでしたから、出来る範囲で役に立ちたくて。まあゆみ先輩ほど上手く注釈出来てないですけど」アハハ ゆみ「いや、あるとないとでは大違いだよ。ありがとう京太郎くん」 ゆみ「ふむ……」ペラリ 京太郎「どうですか?」 ゆみ「軽く宮永のを見たが、1回戦で4万点以上残している相手を飛ばしているのか……さすがというべきだろうか」 ゆみ「打ち方に関しては正直よくわからない。無駄があるように見えるがきっちり勝っている。何にせよ要注意だな」 京太郎「やっぱり強いんですねあいつ……全然そんな感じしないのに」 ゆみ「見た目と麻雀は関係ないが、随分と女の子らしい女の子だったな」 京太郎「女の子らしい女の子って……まああいつがダメなのは中身ですから見た目じゃわからないですね」 ゆみ「そんなふうには見えなかったが……」 京太郎「まず会場入ってすぐ迷子になってる時点で察してください。昔からああなんですよ」 ゆみ「そうか……やっぱり仲がいいんだな」 京太郎「まあそうですね。あんなんですけどいいやつだからほっとけないです」 ゆみ「……」 京太郎「あ、もちろん明日は鶴賀を応援しますよ! 今の俺にはゆみ先輩が1番です! 咲なんかやっつけちゃってください!」 ゆみ「……信じるぞ? その言葉」 京太郎「もちろんです……っていうかわざわざ念を押すほど信用ないですか!?」 ゆみ「ん……そうだな。今日のナンパの一件で君の信用はガタ落ちした」フフッ 京太郎「だから誤解……それ咲じゃないですか!?」 ゆみ「幼馴染を見つけて助けようとするのはいいが、それならもっとちゃんと伝えろ」 京太郎「うっ……すみません」 ゆみ「わかればいい……明日は応援頼んだぞ。ちゃんと私にするように」 京太郎「はい!!」 ゆみ「……絶対だぞ」 ――控え室―― ゆみ「ついに決勝戦だな」 智美「そうだなー。泣いても笑っても今日が最後だー」ワハハ 睦月「2日目にもなると緊張もほぐれてきますね」 佳織「あれ? さっきから右手と右足一緒に出してるから緊張してるのかと思ってたよ」 睦月「……自分に言い聞かせてたんだ」 佳織「ご、ごめんなさい!」 桃子「緊張感のない会話っすねー」 京太郎「これなら今日は大丈夫そうですね」 睦月「まあ昨日の初戦よりは緊張してないと思う。ただ今日は相手が……」 京太郎「風越の先鋒、強かったですね」 桃子「龍門渕の先鋒も10万点飛ばすとかわけわかんないことやってたっすねー」 睦月「うん、私でどこまで離されずにいられるか……」 智美「ダメだぞー初めからそんなんじゃ」 ゆみ「蒲原の言うとおりだぞ。初めからそういう意識では守りに入ってしまう。そこを狙われると最悪だし、それが出来る相手だ」 桃子「そうっすよ。むっちゃん先輩は堅実なとこがウリで元々攻撃的じゃないんすから」 桃子「最初から守りに入ったら上がれなくなっちゃうっすよ」 睦月「でも……」 京太郎「俺が言うのも何ですけど、1人が調子悪くても周りのみんなでフォローするのが団体戦じゃないですか!」 ゆみ「津山を先鋒に置いたのは私なんだから、自分の好きに打ってこい。後のことは任せろ」 ピンポンパンポーン 「決勝戦が始まります。各校先鋒の選手は対局室へ集合してください」 智美「ちょうど始まるみたいだなー」ワハハ 佳織「津山さん、頑張って!」 桃子「期待してるっすよー!」 睦月「……うむ、精一杯やってくる」 京太郎「決勝はルール変わるんでしたっけ?」 ゆみ「ああ、半荘が2回になる。長丁場になるから逆転の可能性は増えるな。逆もしかりだが」 智美「麻雀は運に左右されるから、2回にして実力を発揮してもらおうってことなんだろうなー」 桃子「まあ2回じゃまだまだ運が大きいと思うっすけどね」 ゆみ「1回じゃ味気ないというのも理由なのかもしれないな……さあ、始まるぞ」 京太郎「清澄と龍門渕の配牌がいいですね」 ゆみ「ウチと風越は我慢の展開だな。なんとか耐えて欲しいが……」 桃子「ああ、なんで南を切るんすか!」 京太郎「生牌とはいえ聴牌だしなあ。俺も切りそうだ」 佳織「あそこにいると早く上がりたくなるよね」 ゆみ「オリの判断は難しいが、うーむ……」 智美「まあ今戦ってるのはむっきーだ。私たちは落ち着いて見守ろう」 京太郎「それにしても龍門渕の先鋒は変な鳴きしてますね」 智美「確かになー。それに鳴いたあと清澄のツモが悪くなってないか?」 ゆみ「ふむ、亜空間殺法の使い手なのかもしれないな」 京太郎「あく……なんですか?」 ゆみ「亜空間殺法だ……改めて言わせるな」カアァ ゆみ「コホン。亜空間殺法というのは、簡単に言えば鳴いてツモ順をずらして相手のいい流れを切ったり」 ゆみ「自分に運を引き寄せたりするものだ」 佳織「そんな上手くいくものなんですか?」 ゆみ「私には出来ないな。何か独自の感覚なり理論なりがあるんだろう」 京太郎「なるほど……清澄の先鋒も配牌もツモもいいのに後一歩で上がれてないですね」 ゆみ「あれを狙ってやっているとすると恐ろしいな。10万点飛ばしてのはさすがに運も絡むんだろうが……」 桃子「狙われてないのは幸いっすね。調子がいいほど狙われてるみたいっすからあんまり喜べないっすけど」 智美「清澄には悪いけどこのまま引きつけてて貰いたいなー」 智美「前半戦終了かー」 佳織「龍門渕がリードしてるね」 ゆみ「ああ、しかし風越も目立たなかったが堅実に稼いでいるな」 京太郎「あれ、ほんとですね。最初は調子良さそうじゃなかったのにいつの間に」 桃子「風越のキャプテンは伊達じゃないっすねー」 佳織「津山さん、ため息ついてる……」 ゆみ「先鋒という厳しい中でよくやってくれているんだが……しまったな。対局室の近くへ行っていればよかったか」 智美「直接声かけたほうがよかったかなー」 京太郎「後半戦始まりますね。睦月先輩なら大丈夫ですよ」 桃子「そうっすよ。部長とゆみ先輩にとっては守るべき後輩かもしれないっすけど、私たちにとっては頼れる先輩なんすから!」 ゆみ「……そうだな。一度先鋒を任せた私がうろたえていては津山に申し訳ないな」 智美「どっしり構えるかー」ワハハ 京太郎「はい、睦月先輩を信じましょう!」 ………… ……… …… … 睦月「ただいまー……」 京太郎「お疲れ様です」 睦月「うん……負けちゃった。次は4位なんて冗談で言ってたけどなあ」ハァ ゆみ「……確かに津山の満足な結果ではなかったと思うが、4位とは言っても2,3位とは僅差だ。よくやったよ」ポン 智美「そうだぞー。前半から5000点しか削られてないじゃないか。よく耐えてくれたなー」 桃子「そうっすよ! 前半よりずっとよくなったんすからもっと胸張るっす!」 佳織「あ、後は私たちに任せて」 睦月「妹尾さんまで……うん、ありがとう。後はよろしくね」 智美「佳織も言うようになったなー」 佳織「か、からかわないでよう」 ゆみ「1人浮きなら他の3校も風越を狙うだろうからかえってやりやすいが……妹尾は好きなように打ってこい」 佳織「私も風越をマークしたりしなくていいんですか?」 京太郎「……出来るんですか?」 佳織「……出来ないね」 ゆみ「慣れないことはしなくていい。そんなことをして持ち味を消す必要はないさ。点数調整は私たちの役目だ」 桃子「点数で負けてるのに飛ばすのだけは注意っすよ!」 佳織「そ、それはちょっと無理かな」 智美「ほらほら、話すのはそのくらいにして出陣だー」 佳織「お、押さないでぇー」 ゆみ「次鋒戦の開始だな」 京太郎「……全員メガネっ娘ですね」 ゆみ「言い方に何か違和感を感じるな」 京太郎「気のせいですよ……あれ、1人外しましたね」 桃子「あれで見えるんすかね?」 智美「伊達メガネだったりしてなー」ワハハ 睦月「オシャレしたいのかしたくないのかよくわからないですね」 ゆみ「まあ何か理由があるんだろう。さすがに意味もなく外しているとは思えん」 京太郎「メガネを外すと印象が変わって……」 ゆみ「何を考えている」ゴッ 京太郎「ヒィッ!?」 桃子「少しくらい懲りたらどうなんすか」ハァ 智美「風越がリーチしたなー」 睦月「清澄は堅実にオリてますね」 桃子「かおりん先輩は……あぁ中が」 智美「これは振り込むなー……やっぱり」 京太郎「佳織先輩度胸ありますよね」 ゆみ「それなりには教えているはずなんだが、中々難しいな」ハァ ゆみ「まあこれも含めて妹尾の打ち方だ。あれでも部内断トツビリというわけではないしな」 桃子「そうっすねー。かおりん先輩の調子がいいときは少しくらい削っても役満で一気に取り返されるっす」 智美「今回も出るといいなー」ワハハ 京太郎「……うおお、四暗刻聴牌」 睦月「あの配牌から四暗刻目指すのかぁ……」 智美「まあ本人には目指してるって意識はないと思うけどなー」 ゆみ「何にせよあの捨て牌はそれだけで脅威だな。清澄もオリたようだ」 桃子「私ならステルスでオリなくても平気っすけどね!」 京太郎「なんで対抗してるんだ……というか押したほうが点数的には有利じゃないか?」 ゆみ「結果論ではそうだが、長い目で見ればオリたほうが正解だろう。もちろんこの試合に限れば別だが」 京太郎「お、言ってる間に佳織先輩ツモりましたね。この舞台で役満か……」 ゆみ「スター性というか、何か持っているのだろうな」 智美「無理にでも麻雀部に入ってもらってよかったなー」 睦月「これで相手も攻め込みづらくなるといいですね」 京太郎「佳織先輩防御はからっきしですからねえ。早めにオリてくれるといいな」 ゆみ「いきなり中を切ってしまっているからな……難しいところだが慎重な相手なら可能性はあるか」 桃子「メガネキャラは慎重派って相場が決まってるっすよ!」 京太郎「いや佳織先輩がいきなり違うじゃねえか」 桃子「……何事にも例外はあるっす!」 ………… ……… …… … 智美「佳織ー! 大活躍だったなー!!」 佳織「あ、あれでよかったかな?」 ゆみ「十分すぎる。あの収支に不満などない」 京太郎「区間1位ですよ1位! 凄いですよ!」 桃子「麻雀は何があるかわからないっすね。凄いっす!」 ゆみ「麻雀は運ではないが、決勝でこの結果をだせるのは妹尾の力だろうな」 睦月「なんとか風越が射程内に入りましたね」 ゆみ「ああ、……蒲原!」 智美「ん?」 ゆみ「射程にはいった的を逃すな」 智美「撃ち落せばいいんだろー、風越を!」 京太郎「……あの、ゆみ先輩、智美部長」 ゆみ・智美「うん?」 桃子「……何もそんな死亡フラグ立てなくてもいいじゃないっすか」 ゆみ「な!? い、いやそんなつもりではなかったんだが……」 京太郎[言ってしまったものはしょうがないです。部長、フラグなんかに負けないでください」 智美「新しい応援だな……。まあ頑張ってくるぞー」ワハハ 京太郎「風越の中堅は1年生か。凄いなあ」 桃子「私も1年っすよ!」 京太郎「ウチは人数がいないだろ」 桃子「ぐぬぬ」 ゆみ「まあモモの実力なら風越でもレギュラーを取れるさ」 桃子「フフフ」ドヤァ 京太郎「腹立つわー」 睦月「何遊んでるの……ほら、始まるよ」 京太郎「おっとそうで……龍門渕のあれは手錠?」 佳織「ファッションなのかな?」 桃子「世の中には色んな人がいるんすね」 ゆみ「だから気を散らすなと」ハァ 睦月「あ、清澄が立直しましたね。でもなんで単騎に……?」 京太郎「⑧切りなら5門張ですよね? まあ他の手牌見る限り5門張でも上がれなさそうですけど……」 ゆみ「打牌を見る限り少なくとも一萬を引いたのは偶然だと思うが……」 桃子「和了る確率は間違いなく下がるっすけど、振り込んだときのダメージは大きいっすね」 京太郎「変な待ちだとオリるのも難しくなるしなあ」 睦月「手強いですね……」 ゆみ「蒲原はあれでオリるときはしっかりオリるからそうそう振り込まないとは思うが、やはり厳しそうだな」 桃子「清澄また和了ったっすね」 佳織「風越が2位になってウチが1位だね!」 京太郎「清澄が風越を撃ち落としてくれましたね」 ゆみ「あまり喜べないな……」 睦月「清澄強いですね。あんな待ちで和了れるなんて」 京太郎「狙われてるって感じではないですけど、風越がよく振り込んでますね」 佳織「智美ちゃんは全然振り込まないね」 ゆみ「風越が見かけによらず攻撃型のようだからな。蒲原は守備重視だしその辺りの差だろう」 桃子「後はそもそも当たり牌引いてないっすからね。悪待ちだから引く確率も少なくなるっすし」 京太郎「うわ、清澄またテンパッてる……」 睦月「今度は嵌張待ち……手なりでなったんだろうけどこれなら和了らないかも」 ゆみ「この流れだと厳しそうだが……うわ」 桃子「……凄いっすねあれは」 佳織「ツモった牌を指で弾いてその間に手牌を倒して、弾いた牌掴んで叩きつけて……練習してるのかな?」 京太郎「清澄も今年麻雀部出来たんですよ。中堅の部長の人は1年生のとき1人だったはずなんできっとその間に……」 睦月「冷静に考えるのはやめよう」 ………… ……… …… … 智美「」ワハハー 睦月「横並びですから! 気を落とさないでください!」 京太郎「風越に比べれば全然マシですよ!」 桃子「マシって言い方もどうなんすかね」 智美「リード守れなくてごめんなー……」 佳織「私も運がよかっただけだから」 ゆみ「まだまだ1位を狙える位置だ。後は私とモモでなんとかしよう」 智美「頼んだぞー」 睦月「お願いします!」 桃子「任せるっす! 半荘2回なんてまさに私のためにあるようなルールっすからね!」 京太郎「どういう意味だ?」 桃子「私のステルスは消えるのに時間がかかるんすよ」 京太郎「ああ、知ってるけど」 桃子「半荘が終わったくらいで私のステルス効果が消えることはない……この意味がわかるっすか?」 京太郎「」ゴクリ 桃子「つまり私は半荘1回丸々ステルス状態で戦えるんすよ!」 京太郎「な、なんだってー!」 ゆみ「出番直前だというのに余裕だな。いやまあいいんだが」ハァ 桃子「いやー今からじたばたしてもしょうがないっすからね。出来ることをやるだけっすよ」 智美「ステルスの使える時間が長くなるってのは単純に強いからなー。期待してるぞ」 京太郎「消える前に点数削られないようにな」 桃子「消える前に削るのは散々ゆみ先輩にやられたっすね」 睦月「見てて怖くなるくらい狙われてたね」 ゆみ「し、仕方ないだろう!?」 桃子「わかってるっすよ。おかげで素の実力も上がったっす!」 佳織「頑張ってください、桃子さん!」 桃子「かおりん先輩に負けないくらい稼いでくるっすよ!」 睦月「副将は原村和が出るんですよね。インターミドルチャンプかあ」 ゆみ「決勝で清澄が注目されている理由の1つだな」 京太郎「鶴賀は全然注目されてませんね」 智美「運でたまたま勝ち上がってきたって思われてるんだろうなー」 佳織「……何も言い返せないなあ」 ゆみ「……運も実力のうちだ」 佳織「フォローされてない!?」 京太郎「それで勝ち上がったんですからむしろ凄いですよ」 睦月「無名のまま勝てたらカッコいいよね」 ゆみ「そうだな。最後まで注目されずに勝つというのも面白い」 京太郎「とりあえずはモモ次第ですね。応援しましょう」 京太郎「あれはペンギン……?」 ゆみ「エトピリカになりたかったペンギン、略してエトペンだな」 佳織「可愛いですねー」 智美「ゆみちん詳しいなー」ワハハ ゆみ「た、たまたま知っていただけだ」 智美「恥ずかしがらなくてもいいだろー」 京太郎「でも人前でペンギンを抱えたまま麻雀なんてよく出来ますね」 ゆみ「彼女なりの集中方法なのだろう」 智美「清澄は先鋒から副将までみんなキャラ濃いなー」 京太郎「東場のタコス、メガネを取るメガネっ娘、牌投げ悪待ち、ペンギン抱っこ……確かに」 智美「ウチは佳織くらいかな。モモも対戦相手には強いけど目立てはしないしなー」 佳織「そんなことないと思うけど……」 睦月「私も何かしたほうがよかったのかな」 京太郎「いや清澄以外は普通にしてますから!」 ゆみ「キャラが薄くても別に構わないだろう。試合に勝てればいいんだ」 ゆみ「……それに注目されたら普段通り打てなくなりそうだ。目立つのには慣れていない」ボソッ 智美「1年生の教室で大声で勧誘したのは誰だったかなー」ワハハ ゆみ「だからこそだ!!」カアァァ 京太郎(可愛い) 睦月「あんまり動きがないね」 京太郎「みんな固い打ち手みたいですね」 ゆみ「こういう打ち手にモモのステルスは効果的だろうな」 京太郎「高い手を作るタイプじゃなさそうですから、消えるまでに削られるのも大丈夫っぽいですね」 佳織「でもみんな参考になりますねー。なんでそう切ってるのか全然わからないや」 京太郎「佳織先輩はあんまりとらわれないほうがいいと思います」 ゆみ「いや、技術が身についても今の運のままでいられるかもしれない」 京太郎「なるほど……」 佳織「な、なんか扱いがおかしいような……」 智美「気にするなー。お、モモが上がったぞー」 京太郎「龍門渕の副将驚いてますね!」 ゆみ「ふむ、消えたようだな」 睦月「裾花のときもですけど、今回は更に時間かかりましたね」 佳織「最終局でようやくだね」 智美「ここからはモモの独壇場だなー」 京太郎「お、早速龍門渕が振り込んだ!」 睦月「ドラとはいえモモが見えていなければ切りますね」 ゆみ「ここからは安心して見ていられそうだな」 智美「このまま飛ばしてくれればいいんだけどなー」ワハハ 京太郎「そうなればいいですね……ん?」 睦月「清澄がツモらな……!?」 智美「ス、ステルスモードのモモが」 ゆみ「振り込んだだと!?」 佳織「消えられてなかったんでしょうか……?」 ゆみ「いや、少なくとも龍門渕は明らかに不自然な振り込みをしていた」 京太郎「となると原村にはモモが見えてるってことですか……?」 ゆみ「そう考えるのが自然だが……まいったな」 智美「明らかにモモの天敵だなー」 ゆみ「ああ、私のオーダーミスだ。副将に置くべきではなかった」 京太郎「仕方ないですよ。モモが見える相手がいるなんてわかりませんし」 京太郎「わかったところで副将になるかどうかなんて完全に運じゃないですか」 佳織「原村さんに見えてても他の人には見えてないみたいですし、まだまだ有利ですよ」 智美「それに普通の麻雀でもモモは十分強いだろー?」 睦月「そうですよ。元々ネト麻見て勧誘したんじゃないですか」 ゆみ「……そうだな。これで落胆してはモモにも失礼だ。モモを信じよう」 ………… ……… …… … 桃子「いやー参ったっす。どーにも清澄だけ抜くことが出来ませんでした」 京太郎「原村には見えてたみたいだな」 桃子「あんな相手がいるんすね。自信無くしたっすよ」 ゆみ「何を言う。獲得点数を見れば誰が活躍したか一目瞭然だ」 ゆみ「去年トップの2校と原村和を相手に1番点を稼いだんだ。お前が一番だよモモ」 桃子「先輩――」 智美「そうそう、佳織ほど稼いではないけど1位なんだから胸を張っていいぞー」 桃子「最後にそういうこと言うんじゃないっす!!」 智美「褒めてるんだぞ!?」 桃子「どこがっすか!?」 智美「胸を張っていいって言ってるじゃないかー!」 桃子「最初を言わなくてもいいじゃないっすか!」 京太郎「あの2人はほっといて」 佳織「いいのかな……」 京太郎「いいんですよ。……ゆみ先輩、こんなことしか言えませんけど、頑張ってください」 ゆみ「……月並みだな」フフッ 京太郎「う……なんかカッコいいこと言えればよかったんですけど……」 ゆみ「いや、嬉しいよ。……うん、凄く嬉しい」 ゆみ「昨日言ったが、かっこ良くなくても気の利いた台詞じゃなくても、私を応援していてくれればそれでいい」 京太郎「それなら任せてください。ちゃんと対局室に聞こえるくらいの応援しますから」 ゆみ「それは恥ずかしいからやめてくれ」 京太郎「注文が多いですね」 ゆみ「君が無駄な条件を付けるからだ……それじゃ行ってくる」 京太郎「はい、優勝を決めるところを楽しみにしてます」 ゆみ「ああ、期待していてくれ」テクテク --------------------------------------- ゆみ(決勝の対局室は随分と広いな。……広くする意味はあるのだろうか) ゆみ(1人先に来ているな……あれは宮永か) ゆみ「よろしく。決勝で会うことになるとはな」 咲「あ、はい。よろしくお願いします。えっと……昨日はすみませんでした」 ゆみ「京太郎くんがやったことだよ。気にしないでくれ……まあどうしても気になるなら、お手柔らかにしてくれると助かる」フフッ 咲「そ、それはちょっと」アセアセ ゆみ「すまない、冗談だ。君の話は京太郎くんから話を聞いていて一度戦ってみたかったんだ」 咲「きょ、京ちゃんはなんて言ってたんですか……?」 ゆみ「ふむ……宮永照を手玉に取っていたというようなことを聞いたよ」クスッ 咲「京ちゃんやっぱり……! う、嘘ですからね?」 咲「もっとずっと小さい頃で、お姉ちゃんが邪魔しなかったからなんとかですよ!?」アセアセ ゆみ「……そこまでは事実なのか」 咲「あぅ……」 ゆみ「……こんなことはあまり話しても仕方がないか。すまない、試合前に話すことではなかったな」 咲「い、いえ、悪いのは京ちゃんですから。もう……」 ゆみ(……やはり仲がいいのだろうな。きっと私よりも……) 咲「? どうかしましたか?」 ゆみ「いや、何でもない。お互い全力を尽くそう」 咲「はい!」 --------------------------------------- 京太郎「あ、天江衣ってあんな小さい子供みたいな人だったんですか!?」 智美「京太郎達の1つ上だぞー」ワハハ 桃子「あの可愛い見た目で全国トップクラスの打ち手っすか。見た目は当てにならないっすねー」 佳織「あ、加治木先輩が早速立直ですね!」 京太郎「おお、幸先いいですね!」 桃子「そうっすねー……え? 清澄カンっすか?」 睦月「ウチとしてはありがた……!?」 智美「嶺上開花!?」 佳織「これって珍しいことでしたよね?」 桃子「ほとんどないって言っていいんじゃないっすかね……運が悪かったっすよ」 京太郎「……そういえば昨日の1,2回戦の牌譜でも嶺上開花で和了ってたような」 睦月「ぐ、偶然かな?」 京太郎「そうだといいですけど……」 睦月「2度目の嶺上開花……」 京太郎「咲がこんなこと出来たなんて……」 桃子「まあ幼馴染だからって知らないことくらいあるっすよ。ゆみ先輩ならどうにかしてくれるっす」 智美「そうだなー。ゆみちんならどうにかするだろー」ワハハ 京太郎「そう、ですね。応援するって約束しましたし」 佳織「あ、早速聴牌しましたよ!」 睦月「え? 南切り?」 智美「これはまさか宮永を狙ってるのかー……?」 京太郎「うわっ! 槍槓決まった!?」 桃子「先輩最高っすー!!」 ……… …… … 智美「一時は風越が0点にされてどうしようかと思ったけど……」 智美「風越が役満和了ったりゆみちんが天江から直撃取ったり、まだまだわからないなー」ワハハ 睦月「そうですね、まだまだこれから……!?」 桃子「ぬ、脱いでもいいですかって!?」 京太郎「あ、ああ靴か……最初からそういえよ!」 佳織「でもなんで急に脱ぎだしたんでしょう?」 桃子「おっぱいさんのぬいぐるみと一緒で集中方法の一つなんじゃないっすかね?」 智美「それでもなんで今までやらなかったのかわからないなー。京太郎は何か知ってるか?」 京太郎「いえ、俺も全然……」 睦月「力を抑えていたとかだったりは……」 智美「そ、それは笑えないなー」 京太郎「そんなこと出来るやつじゃないと思いますけど……あ! あいつただ単に脱ぐの忘れてたのかも……」 桃子「わ、忘れる? そんなことあるんすか?」 京太郎「咲ならありえる」 桃子「麻雀からは想像つかないっすねー……」 桃子「……終わったっすね」 京太郎「国士無双一向聴……後1巡あれば……!」 智美「ゆみちんが山を見なかったんだ。そういう後悔はしたらダメだぞー」 佳織「悔しいね……」グスッ 睦月「うむ……出れただけで嬉しかったけど、それでも……」 桃子「私がおっぱいさんに見つからないくらいちゃんと消えていれば……」 京太郎「いや、それは無理なんじゃ……」 桃子「それくらいの気持ちってことっす」 智美「みんな全力は尽くしてたし運も向いてたと思うぞー。これで届かなかったんだからしょうがないさー」ワハハ 智美「私たちは長野県3位になったんだ。風越より上だぞー? 胸を張って帰ろう」 一同「……はい!」 桃子「ゆみ先輩まだ帰って来ないっすね」 京太郎「……部長、その、俺……」 智美「ゆみちんのところかー? 迎えに行ってやれー」ワハハ 京太郎「はい!」タッタッタッ ――階段際ベンチ―― 京太郎「ゆみ先輩、お疲れ様でした」 ゆみ「京太郎くん……」 京太郎「……横、座りますね」 ゆみ「ああ……」 京太郎「……」 ゆみ「……今は、悔しいというより残念な気分だ。私はあの場で終わらない祭りを楽しみたかったんだ……」 ゆみ「そして行きたかった。みんなで全国に――」 京太郎「ゆみ先輩……」 ゆみ「……そうか、私は勝ちたいというより、ただ部のみんなと、君ともっと長くいたいとしか思っていなかったんだな」 京太郎「それは勝つ理由になるじゃないですか」 ゆみ「1つの理由になるかもしれないが、麻雀部でなくともいくらでも会えるだろう? 少なくとも君の幼馴染ほど強い理由ではないさ」 ゆみ「神様がいるなら強い思いの方に微笑むはずだ」 ゆみ「私は勝ちたいという意志が足りなかったのだろう。だからきっと肝心な場面で勝ちきれ――」 京太郎「……俺は、嫌です」 ゆみ「うん?」 京太郎「ゆみ先輩が引退して、麻雀部で会える時間が減るなんて、俺は嫌です!」 ゆみ「……私も引退したいわけではないが、いずれ引退するのは分かっていただろう?」 京太郎「それはそれです! 今引退しなくてもいいじゃないですか!」 京太郎「それに、みんなで全国は無理になったかもしれないですけど、個人戦があるじゃないですか!」 ゆみ「個人戦か……負けに行くつもりはないが、しかし今日の試合を見ていただろう? 私が勝ち抜けると思うか?」 京太郎「もちろんです!」 ゆみ「……清澄の原村は今日も十分活躍したが、長期戦でこそ輝くのが彼女だ」 ゆみ「間違いなく上位に食い込むだろう。中堅の竹井も強かった」 ゆみ「天江は出ないにしろ龍門渕は全員全国クラスの打ち手だし、風越の福路はおそらく長野で天江に次ぐ実力者だ」 ゆみ「そしてその天江に打ち勝った宮永……この面々が相手にいるんだぞ?」 京太郎「ゆみ先輩なら勝てるって信じてます」 ゆみ「しかし……」 京太郎「でももしゆみ先輩に自信がないなら、俺がなんとかします」 ゆみ「え?」 京太郎「俺が全国に行きますよ。そうすれば俺の全国が終わるまで、ゆみ先輩は麻雀部にいてくれますよね」 ゆみ「それはそうだが、しかし全国なんて……前に今年は目指さないとも言っていたじゃないか」 京太郎「あのときはあのとき、今は今です。……ゆみ先輩が全国に行けないと思うなら、俺が行くしかないじゃないですか」 ゆみ「……なんでそこまで私と一緒にいたいと思うんだ?」 京太郎「……俺はゆみ先輩が」 ゆみ「っ」ドキッ 京太郎「あなたのことが……」 ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「…………俺はあなたが欲しい!!」 ゆみ「!?」 京太郎「俺はあなたと一緒にいたいんです! 少しでも、一秒でも長く!!」 ゆみ「」 京太郎「だから俺は……あれ、ゆみ先輩?」 ゆみ「」 京太郎「……そこまで嫌でした?」ガクッ ゆみ「違う!! 君は! なんでよりにもよってそれを言うんだ!?」 京太郎「告白するときは俺がゆみ先輩と出会うきっかけになったこの台詞しかないかと思って……」 京太郎「場所はあれですけどまあいいかなーと」アハハ ゆみ「そういうことじゃない!! ああ、もう……」ブンブン ゆみ「……そ、そうだ。返事は、だな」カアァァ 京太郎「そ、それはまだいいです」 ゆみ「……は?」 京太郎「俺が全国に行けたらゆみ先輩の返事を聞く資格が持てると思うんです。だからそのときに返事をください」 ゆみ「いや待て。何を意味のわからないことを……」 京太郎「と、とにかく今日は先帰ります。荷物は持って帰るんで明日またー!」ダダダダ ゆみ「ちょ、ちょっと待て! ……あのバカ」ガクッ 智美「いやーあれは酷いなー」ワハハ ゆみ「か、蒲原!? いつからいたんだ!?」 桃子「私たちもいるっすよー。個人戦の話してる辺りからいたっす!」 佳織「ど、どうも」 睦月「まさかあんな話になるとは……」 ゆみ「」 睦月「それで返事はどうするんでしょう」ワクワク ゆみ「……しようとしたらいなくなっただろう」カアァァ 桃子「全国行くなんて無茶苦茶な条件つけて何考えてるんすかね」 智美「ゆみちんどうするつもりなんだー?」 ゆみ「……まあ京太郎くんがああいうことをしてきたんだしな。私にも考えがある」 桃子「この状態でもすぐ対応するのはさすが先輩っすねー」 ゆみ「この状態……?」 桃子「さっきから顔真っ赤っすよ」 ゆみ「っ!?」バッ 睦月「今更隠さなくてもいいじゃないですか」クスッ 智美「ゆみちんは可愛いなー」 ゆみ「あぅ……」カアァァ 智美「それじゃゆみちんからかうのも程々にして帰るかー」ワハハ 佳織「明日の個人戦も頑張ろうね」 睦月「加治木先輩、全国行ってくださいね」 桃子「私も狙うっすよ! 2人で行くっす!」 ゆみ「ああ、目指すよ。だから少し先に行っていてくれ……」カアァァ 桃子「了解っすー」パタパタ 智美「ゆみちん、意気込みはどんな感じだー?」 ゆみ「そうだな……一緒にいたいと思うことがダメなんじゃない。一緒にいたいと思う強さが足りなかったんだというところだな」 智美「何の話だー?」 ゆみ「精神論だよ。気の持ちようだ。……明日は必ず勝つ」ゴッ 智美「……燃え尽きてないかと思ったけど心配はいらなそうだなー。じゃあ帰るかー」 ゆみ「ああ」 --------------------------------------- 和「こんなところであんな告白するなんて破廉恥です!」カアァァ 優希「台詞も凄かったなー。周りがざわついてるじぇ」 咲「……」 優希「でも私は嫌いじゃないな。あれくらい情熱的に告白されたらグラッとくるじぇ」 和「ゆーき、またそんな……」 優希「のどちゃんは嫌か」 和「嫌ですよ! ……まあ気になっている相手からなら、嬉しくないかというとそんなこともないでしょうけど……」 優希「のどちゃんも好きだなー」 和「違います! ……宮永さん? どうかしました?」 咲「えっ!? ううん、何でもないよ? 京ちゃんバカだよね。あんなところで告白なんて……しかもあなたが欲しい!! って」 咲「あんな、あんな恥ずかしい台詞をこんなに人の多い所で言えるくらいあの人のことが好きなのかな」 咲「でもいくら好きだからってこんなとこで……」 和「……」 優希「……」 咲「ほら、2人とも何か言ってあげてよ。京ちゃんからかうのに使いたいんだ」 咲「……あ、話したことないから言いづらいよね! 大丈夫、名前出したりしないから――」 優希「咲ちゃん」 咲「え?」 優希「目の下、触ってみて」 咲「なんで急に……あれ、なんだろこれ。なんで濡れてるんだろ」ポロポロ 和「宮永さん、いいんですよ。優勝しておめでたいときですけど、辛かったら泣いていいんです」ギュッ 咲「……う、うわあっぁっぁぁぁぁあ!!」 咲「京ちゃん、私のことずっと気にかけてくれてて、優しくて、私が中々友達作れなかったときも……」 咲「えぐっ、京ちゃんが助けてくれたの!!」ヒック 咲「違う高校に行ってからも毎日メールしてくれて、私の愚痴とか聞いてくれて、相談に乗ってくれて……!」 咲「ずっと、ずっと京ちゃんのこと大切な幼馴染だって思ってて……!」 京太郎「えぐっ、それだけだと思ってたのに、告白してるとこなんて見ちゃった……」エグッ 和「宮永さん……」ポンポン 咲「京ちゃんが私のそばからいなくなっちゃうんだって思ったら、胸が痛いんだ。 ……なんで気づかなかったのかな」グスッ 咲「私、こんなに京ちゃんのこと好きだったんだ……今更気付いても、もう遅いのに」ヒック 優希「近すぎて気づかないってこともあるじぇ……慰めにもならないけど」ナデナデ 咲「うん……」ヒック 和「気の済むまで泣いていていいですよ。落ち着くまで待っていますから」ポンポン 咲「原村さん、ありがとう……もう少しだけお願い。ちゃんと落ち着くから……」 咲「うあぁぁっぁ……、うわああぁぁぁっぁあぁん……!! うわあぁぁっぁぁぁ――」 ………… ……… …… … ――京太郎自室―― 京太郎「明日はついに俺も試合に出るのか……緊張するな」 京太郎「あ、そうだ咲にメール送ってなかった。こういうときはいつもあいつから来るのに珍しいな」 京太郎『今日はおめでとう、咲ってあんなに強かったんだな。知らなかった。全国では俺たちの分も頑張ってこいよ』 京太郎『それと明日の個人戦は俺も出るから応援頼んだぞ! 咲のことも先輩たちの次に応援してやるから!(笑)』 京太郎「こんなもんでいいか。送信っと」 ――2時間後―― 京太郎「……返信来ないな。珍しいってかこんなことなかったのに」 京太郎「勝ったからって気を使ってんのかな。んなこと気にするなよなあ。まあ優しいのは咲のいいとこだけど」 京太郎『勝ったからって気を使ってんのか? もし気を使ってんならそんなこと全然気にしなくていいぞ』 京太郎『明日はお互い頑張ろうな。お前みたいに俺も全国行ってやるぜ!!』 京太郎「……返信は来ないだろうな。明日もあるしもう寝よう」 京太郎「しかしゆみ先輩に言ったこと我ながら支離滅裂だったな……まあ勝てば問題ないんだけどなあ」ハァ 京太郎「ゆみ先輩、俺頑張ります……!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/878.html
京太郎「ロン。 二本場だから5800は6400だ」 優希「あいたたー…、また降っちまったじぇー」 京太郎「よーっし、連チャン連チャン」 和「あら……いい待ちですね」 まこ「うむ、いい引っ掛けになっとるな」 京太郎「たまたまっすよ。優希だからこそ引っ掛かったんでしょうし」 優希「な、なにー!」 京太郎「ははっ」 久「最近の須賀くん……調子良さそうね」 咲「そうですねー」 久「良い練習相手でも見つかったのかしら……?」 咲「さあー? どうでしょうねー」 久「ま、私には遠く及ばないけどね」 咲「そうですねー」 久「……咲?」 咲「今日も良かったね、京ちゃん」 京太郎「そうだな。 久々に連チャンした気がするわ」 咲「引っ掛けも上手く決まったし、良い感じだよ。 部長も褒めてたし」 京太郎「部長がそんなことを? そりゃ嬉しいな」 咲「……私も…嬉しいよ?」 京太郎「ああ、そうだな。 ありがとう、咲」 京太郎「お前に褒められるのが一番嬉しいよ」 咲「……えへへ」 京太郎「今日もやるか?」 咲「勿論。 予習復習は大事だからね」 京太郎「んじゃ、また5時頃な」 咲「うん! 待ってるからね!」 咲(今日の京ちゃん。カッコ良かったなぁ……) 咲(京ちゃんに麻雀教えるのがこんなに楽しいなんて思わなかった……) 咲「もっともっと京ちゃんに麻雀を教えなきゃね」 咲(……ダメダメな京ちゃんが一番だけどっ) 京太郎「ロン。 タンピンドラ1赤1で7700」 咲「うん、いいね。 牌効率もわかってきたんじゃない?」 京太郎「ボチボチだけどなー。 基本的なことしか出来ないし」 咲「それでいいんだよ、京ちゃん。 基本無しの応用なんて出来ないんだから」 京太郎「さすが元文学少女。 言うことは真面目だな」 咲「もう……今でも本は読むよ…」 京太郎「へぇ、最近は麻雀ばっかりだと思ってたけど。 どんなの読むんだ?」 咲「え? それは……その……」 京太郎「?」 咲「べ、別に関係無いでしょ! 今は麻雀! ハイ、集中!」 京太郎「な、なんだよいきなり」 咲「い・い・か・ら!」 京太郎「お、おう……」 咲(幼馴染とのラブコメばっかなんて言えるわけないよ……) 咲「ん……カンッ!」 咲「ツモっ! ツモ嶺上開花三暗刻ドラ4……倍満ですっ」 京太郎「っ、かー! 一気に逆転された―!」 咲「ふふっ、私に勝つのはまだまだ早いよ? 京ちゃん」 京太郎「今日は行けると思ったんだけどなー……」 咲「それじゃあ罰ゲームだよ、京ちゃん」 京太郎「これも恒例化してきたな……」 咲「はい、どーぞ」スッ 京太郎「せめて楽なのでありますように……」ゴソゴソ 京太郎「っと……。 どれどれ?」スッ 京太郎「……うっ」 咲「何だった?」 京太郎「お、幼馴染に……膝枕」 咲「膝枕かー。 じゃあやろうかー」 京太郎「いや……これはちょっと」 咲「なんでー? 楽なのがいいって言ってたじゃんー。 膝枕は楽なほうだと思うけどなー」 京太郎「そうだとしてもこれは……」 咲「京ちゃんー? これは罰ゲームなんだよー?」 京太郎「鼻息荒いよお前。 落ち着け、どうした」 咲「京ちゃん、これを見て?」 京太郎「あん?」 咲「ひーざーまーくーら」 京太郎「おう」 咲「しなきゃ!!」 京太郎「……はい」 咲「あー」 京太郎「………」 咲「うー」 京太郎「………」 咲「あうあー」 京太郎「………」 咲「んふー」 京太郎「………」 咲「んふふー」 京太郎「………」 咲「ふぅ……。 お疲れ様、京ちゃん」ツヤツヤ 京太郎「……罰ゲームの途中いつもお前があげてるあの奇声はなんなんだ」 咲「え? ……ああ」 咲「ああでもしないと正気が保てなくて」 京太郎「……は?」 咲「ハイ! 今日はここまで!」 京太郎「おう、ありがとうございました」 咲「……こちらこそ」ボソッ 京太郎「ん?」 咲「な、なんでもないよー」 京太郎「また明日な」 咲「うん! 今日やったこと、明日に活かせるようにしとくんだよー」 京太郎「……膝枕をか」 咲「そ、そっちじゃないよお!」 京太郎「ははっ」 咲「……もうっ、京ちゃんはー!」 京太郎「……おやすみ、咲」 咲「うん。 おやすみなさい、京ちゃん」 京太郎「ん、きたきた」 京太郎「リーチっと」 久「あら、早いわね」 和(牌効率がわかってきてる……? もう初心者とは思えなくなってきましたね) 優希「う……うーん……。 こっち!」 京太郎「ところがどっこい、ロンだ」 優希「うげー!」 まこ「なんじゃ京太郎のやつ。 最近強うなってきたのう」 咲「えへへー。そうですよねー。 京ちゃん、強くなってきてますよねー!」 まこ「な、なんじゃ急に……」 咲(京ちゃんがまたほめられた! 嬉しいなぁ!) 咲「……えへへー」 まこ「……?」 和「ツモ。 6000オールで終了です」 久「お疲れ様。 流石は和ね」 和「どうも」 京太郎「あー……逆転されちゃったか……」 和「……あれ……」 和「須賀くん……テンパイしてたじゃないですか」 京太郎「ん……いや、そうなんだけどさ。 この点差じゃリーチかけても届かねーなと思って。 変化待ってたんだけど……」 和「ああ、でしたらこっちでリーチをかけるといいですよ。 単騎待ちとは言え出やすいですし」 京太郎「ん?でも出和了りでも届かないぜ?」 和「いえ、多分……。 ほら、裏ドラが乗ってます」 京太郎「……おお、なるほど! 裏ドラの牌効率も考えるのか!」 京太郎「やっぱ和は凄いなぁ! ありがとう和!」 和「あら……」 和「……ふふっ」 京太郎「牌効率はツモだけじゃない……っかぁ。 なるほどー」 和「須賀くん須賀くん」チョンチョン 京太郎「ん?」 和「……よかったら明日の放課後、一緒に打ちませんか?」 京太郎「えっ」 和「主に麻雀の勉強の為、ですけどね」 京太郎「そんなっ、願ってもない! いいのか!?」 和「ええ。 私なんかが参考になるといいですけど……」 京太郎「参考にならないわけない!」ガシッ 和「あっ……」 京太郎「ありがとう、和!」 和「……ふふっ」 和「どういたしましてっ♪」 咲「和ちゃんが?」 京太郎「ああ。 どういう風の吹き回しだか知らんけど」 咲「ふーん……」 咲「あ、それカンッ」 京太郎「へ?」 咲「っと、ツモ。 嶺上開花ドラ12」 京太郎「は?」 咲「責任払いでトビだよ、京ちゃん」 京太郎「……」 咲「はい、罰ゲーム」 京太郎「おかしい……。 やり始めて10分も経たない内に罰ゲームとは……」 咲「ブツブツ言わない! トんだから3つ引いてね!」 京太郎「お、おう……。 ……何怒ってんだ?」 咲「お、怒ってないもん!」 京太郎「えーっと……」 幼馴染と手を絡ませる 幼馴染と腕を組む 幼馴染にハグ 京太郎「……」 咲「やたっ」ボソッ 京太郎「あん?」 咲「な、なんでもないー」 ―幼馴染と手を絡ませる ギュッ 京太郎「……」 咲「あうっ……あうっ……」 京太郎「……」 咲「きょ、京ちゃん」 京太郎「な、なんだよ」 咲「そ、その……」 咲「もっと強くしてもいい……よ?」 京太郎「……」 ギュウッ 咲「ふわっ……」 咲「うわぁ! わーわーわー!」 京太郎「……」 京太郎( ……隣がうるさくて全然ドキドキしない ) ―幼馴染と腕を組む 咲「それじゃあその……失礼します……」 京太郎「お、おう」 キュッ 咲「あうぁ……」 京太郎「おぅ……」 咲「あう……うあ……」 京太郎「………」 咲「……きょきょ、京ちゃんが…京ちゃんが近い」 京太郎「お、落ち着け。 大丈夫だ傷は浅い」 咲「そそそそっか、京ちゃん……京ちゃんがこんなに……」 京太郎「いや、だから落ち着け」 咲「えへ、えへへへへへ」 京太郎(なにこいつこわい) ―幼馴染とハグ 京太郎「……心の準備は良いか? 咲」 咲「え? 準備って?たかがハグに準備なんて必要なの?」 京太郎「えっ……」 咲「この歳にもなってハグの一回や二回も出来なきゃ高校生としてどうなの?」 京太郎「……」 咲「意外と京ちゃんっておくびょ……」 ダキッ 咲「 ふぁっ 」 京太郎「……きょ、虚勢張ってるのバレバレだっつの……」 咲「 」 京太郎「おい、なんとか言ったらどうなんだ……? ……咲?」 咲「 」 京太郎「き……気を失ってる……」 サキー アッ,オネエチャーン コッチコッチー マッテヨー ―――― ――― ―― 咲「ハッ!!?」 京太郎「あ、起きた」 咲「今……天国でお姉ちゃんと追いかけっこをしてたような……」 京太郎「実のお姉さんを勝手に殺すな」 咲「ああでもなんか……胸がすごくポカポカする……」 京太郎「そ、そうか」 咲「それじゃあ京ちゃん。 今日やったことを明日も活かせるようにするんだよ?」 京太郎「罰ゲームやった記憶しかないんだが」 咲「き、気のせい気のせい」 咲「それじゃあ京ちゃん。おやすみ」 京太郎「おう、おやすみ」 ―翌日 放課後 咲「いい、京ちゃん? 和ちゃんの迷惑になるようなことは絶対しちゃ駄目だからね?」 京太郎「わかってるって」 咲「ホントに解ってる? ……帰ったら講義の成果、見せてもらうからねっ」 京太郎「はいはい」 咲「むぅ……」 和「須賀くーん」 京太郎「あ、はいはーい。 今いくよ-」 京太郎「それじゃ行ってくる」 咲「……京ちゃん!」 京太郎「あん?」 咲「……待ってるから……ね?」 京太郎「……」 京太郎「おうっ」 和「さて、では始めましょう」 京太郎「うん。 何からやるんだ?」 和「これといって特別なことはしませんよ」 和「須賀くんはネット麻雀をしてください。 私は横から見てます」 京太郎「ネトマかー」 和「あ、私のID使っていいですよ」 京太郎「おうサンクス」 京太郎「て……天使なんて段位があるのか……」 和「天使は10段になった後に免許皆伝試験を受けるとなることができますよ」 京太郎「へぇ……なんか難しそうな試験だな」 和「結構単純ですよ。 同じ10段の人と半日打って、ポイント総数で一位になればいいだけです」 京太郎「……半日?」 和「はい。 半日」 京太郎「……」 和「な、なんですか……」 京太郎「いや、やっぱ和はすごいんだなって……」 和「わ、私のことはいいですからっ。 早く打ってください!」 京太郎「あ、はい」 京太郎「……」カチッ 和「……ふむ」 京太郎「……」カチッ 和「……うん」 京太郎「……」カチッ リーチッ 和「……いいですね」 京太郎「……うん」カチッ 京太郎(なんか、気不味いな)カチッ ロンッ 京太郎「……」カチッ 和「……うん」 京太郎「んっ、……」 和「あ、ここはこっちを打つといいですよ」カチッ ムニュッ 京太郎「おおうっ!?」 和「?」 京太郎「あ、いやいや。 ……なんでもない」カチッ 和「そうですか? …あ、和了れますよ」 京太郎「あ、はい」カチッ ツモッ 京太郎(今、背中におもちが……) 京太郎「うぅ……」 和「?」 京太郎「……」カチッ 和「うんうん」 京太郎「……」カチッ 和「いいですね」 京太郎(もっかいおもち来ねえかなぁ……) 京太郎「っと……」 和「あ、そこは……」 京太郎「こっちだな」カチッ リーチッ 和「えっ?」 京太郎「っと来た、カンッ」 カンッ 和「ええっ?」 京太郎「んでもって……」 ツモッ 和「あれぇ!?」 和(理想的1-4-7,2-5の5面待ちを捨てての単騎待ち……?) 和(狙って打った……? いや、でも須賀くんなら打ち間違えって可能性も……) 京太郎「ツイてたよ、和」 和「そ、そうですね。 今のはツイてましたね」 和(や、やっぱりツキですよね……。 良かったぁ……) 和「す、須賀くん。 今のはツイてたから良かったですけど、こっちを切ればより多面待ちになりますよ」 京太郎「え……? ……お、ホントだ。 俺、こういうの慣れないんだよなー」 和「大抵のネトマだと待ちを教えてくれますよね。 私はあまり好きじゃないからその機能切ってますけど……、戻しますか?」 京太郎「いや、いいよ。 自分で考える方が覚えられると思うし」 和「あら……」 和(意外ですね……。 てっきり戻すと思ったんですが……) 和「ふふっ」 京太郎「?」 ―そんなこんなで。 京太郎「ありがとうございました!」 和「お、お疲れ様でした……」 京太郎「だ、大丈夫か? お疲れな様子だけど……」 和「お、お構いなく……」 和(まさか一試合で嶺上開花を4回も見るなんて……) 和(まるで咲さんのような打ち方……) 和(っ、……まさか……?)ジッ 京太郎「? 水、飲む?」 和「……」 和「はい。 ……頂きます」 和(……そんなわけないか)クスッ 京太郎「というわけだったのさ」 咲「へ、へぇー。 それはよかったねー」 京太郎「? なにニヤニヤしてんだ?」 咲「べ、別にニヤニヤなんてしてないよっ!」 京太郎「あ、そう……」 咲(うわっ、わわっ。 どうしよどうしよっ) 咲(京ちゃんが私と同じような打ち方してたなんて……) 咲「嬉しい!」 京太郎「っ、! な、なんだよ突然……」 咲(一試合で嶺上開花4回とかもう偶然じゃないよね!) 咲(むしろここまで来たら運命だよねっ! すごいすごい!) 咲「えへ……えへへへ」 京太郎「いつにも増して不気味だ……」 京太郎「あ、それロン。 8000だ」 咲「うわぁー満貫手に振っちゃったー。 でも5面待ちなんだし振ってもしょうが無いよねーえへへー」 京太郎「うーわ、ワザとっぽい口調。 つーかわざとだろ」 咲「すごいな京ちゃんいつの間にか多面待ちなんてできるようになってたんだねー」 京太郎「和と勉強したってさっき言ったろうが」 咲「すごいなぁ京ちゃんはー。 えらいえらーい」ナデナデ 京太郎「……」 咲「えへへー。えらーいえらーい」ナデナデ 京太郎「……まいっか」 京太郎「おら、連チャンだ連チャン! 次行くぞー!」 咲「はーい♪」 カンッ ! モイッコカンッ ! サラニカンッ ! ツモッ ! ギャー ! 優希「っしゃーロンだじぇー!! 16300!!」 京太郎「げっ、倍満かよ」 優希「一本場のサービス付きだじぇー♪ おらー! 点棒よこせー!」 京太郎「ぐぬぬ」 咲「京ちゃん、別に無理に大きい手を狙う必要は無いんだよ?」 和「そうですよ。 さっきのだって、ピンフで流せる手でしたのに……」 京太郎「わかっちゃいるんだけどなぁ……。 中々大きい手で和了ったことがないもんだから……」 優希「それは流れが読めない証拠だじぇ!」 京太郎「優希……。 流れか……まだ俺にはわからねえな……」 優希「ふぅ……、やれやれ。 ダメ犬を持つと苦労させられるじぇ……」 京太郎「腹立つわぁ……」 優希「ふふふっ、ペットの責任は主人の責任……」 京太郎「?」 優希「喜べ京太郎! いっちょこのアタシがしごいてやるじぇ!」 咲「明日の朝? 優希ちゃんと?」 京太郎「ああ、流れを掴む練習だとさ。 ……朝練なんて中学以来だな」ナデナデ 咲「ふぅん? 何時頃に行くの?」 京太郎「あっちが決める。 多分そろそろメールが来るはず」ナデナデ ♪~♪~ 京太郎「と、噂をすれば。 どれ」 from 優希 『明日午前6時! 麻雀部にて! お前を待つ!』 京太郎「なんで決闘風なんだよ」カチカチ 咲「……」 京太郎「……ふふっ。 アホかっ」カチカチ 咲「むぅ……」 咲「京ちゃん! 手が止まってるよ! 続けなさい!」 京太郎「あ、ああ。 悪い悪い」ナデナデ 咲「んっ……。 ~♪」 ―罰ゲーム:幼馴染の頭を撫でる。 ―翌朝 AM5 50 京太郎「おはようございまーす」ガララッ 京太郎「……あれ? いねえな、アイツ」 「お、おお……主人より先に来るとは……。 殊勝な犬だじぇ……」 京太郎「おわっ! び、ビックリした……。 いきなり後ろから話しかけんなよ……」 優希「おおう……。 きょーたろー……大きい声出すなぁ……」 京太郎「わ、悪い……。 ……随分と眠そうだな」 優希「そりゃあ……一睡もしなけりゃこうなる……」 京太郎「は? 寝てないのかお前」 優希「ベッド入ると……ドキドキして眠気が来なかったんだもん……」 京太郎「翌日が遠足の幼稚園児みてえなこと言うなよ……」 優希「だって……」 優希「京太郎と打てるの……楽しみだったから……」 京太郎「……」 京太郎「あー……。 そりゃ悪かったな」 優希「そうだ……全部きょうたろーが悪い……」 京太郎「んで?どうするよ?」 優希「あー……きょーたろー……」 京太郎「はいはい。 ここにいるよ。 どうした?」 優希「ベッドまでおぶってぇ……」 京太郎「寝る気満々っすね」 京太郎「よっと……、お前軽いなぁ」 優希「あう……ちっこい言うな……」 京太郎「言ってない言ってない。 ほら、ベッドだぞ」 優希「あー……きょーたろー」 京太郎「なんだー?」 優希「あり……がと……」 京太郎「……おう。 しっかり寝ろよ」 優希「んぅ……? ふぁ……」 優希「……タコスの匂い……」 優希「タコス!?」バッ 京太郎「タコスの匂いで起きるなんてお前らしいな」 優希「きょ、京太郎! 今何時だ!?」 京太郎「7時40分くらいか。 まだ寝足りないだろうけど、とりあえずこれ食っとけ」スッ 優希「タコス……。 わざわざ買ってきたのか!?」 京太郎「まさか。 俺特性の朝食用タコスだ。 俺なりに研究して作ってみたんだ」 優希「お、おおお……京太郎特性……!」 京太郎「ほら、冷めねえうちに食っちまえ」 優希「う、うん! 頂きますじぇ!」パクッ 京太郎「……味はどうだ?」 優希「うん! 美味いじぇ!!」 優希「毎日食べたいくらい!!」 咲「……え? 結局朝練しなかったの?」 京太郎「様子が様子だったからなぁ。 食った後は暴眠してたし」 京太郎「だからまた今度の日にすることになった」 咲「なんかふんだり蹴ったりだね、京ちゃん」 京太郎「まぁ優希だからな。 そこら辺は諦めてる」 咲「あははー」 咲(なにこの『アイツのことは俺が一番解ってる感』……) 京太郎「ああ、それと。 試食してもらってた朝食用タコスだけどさ」 咲「ああ、あれ? タコスなのに軽く食べられるから好きなんだよねー」 京太郎「明日から毎朝優希に作ってやることになった」 咲「へぇ~」 咲「………へぇ!!?」 京太郎「あいつが毎日食べたいくらい美味いって言うからさ」 咲「ええっ!?」 咲(そ、それって……) ~♪~♪ 京太郎「……っと、優希からだ」 from優希:『タコスが楽しみで眠気が来ない! どうしてくれる!!』 京太郎「んな理不尽な……」カチカチ 咲「……」 京太郎「……ったく……。 しょうがねえな……」 咲「……むぅ」 京太郎「……ははっ。 アホらしっ」 咲「~~!!」 咲「京ちゃん! メールしてる場合じゃないよ! まだ東風一回しかしてないんだから!」 京太郎「え? 今日はもう終わりってさっき……」 咲「知らないもん! ほら、卓に着いて! 早く罰ゲームするんだから!!」 京太郎「趣旨が違くなってねえか!?」 咲「うー!!」 京太郎「わ、わかったよ。 そんな睨むなって……」 咲「カン! カン! カン! カン! ツモ!」 京太郎「 」 咲「四槓子四連刻四暗刻単騎!」 京太郎「 」 咲「ロン!」 咲「大四喜字一色八連荘!」 京太郎「 」 咲「ロン!!」 咲「純正九蓮宝燈!!!」 京太郎「 」 咲「まだまだいくよ……!」 京太郎「ちょ」 咲(京ちゃんは絶対に……渡さないんだから!!) カンッ! ギャー! ―――――――――― おしまい。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5709.html
693 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/01(金) 23 42 51.35 ID Xi5eSw3qo [16/17] 【ギャ○ビー編】 ~京太郎のアパート~ 京太郎「あ、あの煌さん……?」グギギギッ 煌「なんですか?」 京太郎「どうして、俺は……こんな、ことを?」グヌヌヌッ 煌「こんなこと、とは?」 京太郎「100kgの重りをつけて、腕立て……ふっせぇぇぇぇ!!?」ドシャッ\ 煌「50回ちょうど。うん、いい感じですね」 京太郎「ぜーっぜーっ! し、死ぬ……」 煌「次は汗を拭きましょう」フキフキ ヌガシヌガシ 京太郎「いやぁぁぁ!? じ、自分でやります!!」 煌「大丈夫ですよ、気にしませんから」ニッコリ 京太郎「俺が気にします!!」バッ フキフキフキ 煌「むぅ」 京太郎「はい、終わりました!」 煌「では次は美容パックですね」ペタリ 京太郎「おおっ!?」 煌「それからマッサージです」ワキワキ 京太郎「よ、よろしくお願いします」 煌「優しく……するね?」ツツーッ 京太郎「あひぃん?!」 煌「ふふふっ? 気持ちいいかな?」モミモミ 京太郎「あっ。そこ……だめっ、ですぅ」ビクビク 煌「ここ?」ギュゥゥウ 京太郎「ほわぁぁぁぁ!?」ゾクゾクゾクッ 煌「また一つ、京太郎くんの弱点見つけちゃったかも」フフフ 京太郎「」ビクビク 695 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/01(金) 23 49 32.01 ID Xi5eSw3qo [17/17] ~~なんやかんやで~~ 京太郎「ふぅっ」ツヤツヤ 煌「ま、眩しい……」ウッ 京太郎「最近なんだか調子がいいです」ヘヘヘッ 煌「メニューの効果が出てきたのかな?」 京太郎「おっと、そう言えばそろそろ今週のソルサキの放送ですね」 煌「第二巻も11月1日に発売して、今一番勢いに乗ってる漫画ですからね」ドヤッ 京太郎「暴君編からカスミン編まで、僅か一冊でなんてボリューミーなんでしょうか!?」 煌「お求めの際は是非とも近くの書店まで」 京太郎「買うっきゃないっしょ!」 咲キャラもみんな持ってる(とは限らない)、SOUL CATCHER(S) 第二巻! 好評発売中!! 好評発売中!! 698 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/02(土) 00 06 35.38 ID kLWQah23o [1/9] (放送終了後) 京太郎「うぅっ」ショボーン 煌「うーん、演技はまだまだかな」ズビシッ 京太郎「頑張ってはいるんですけど……」 煌「焦る必要はないですよ。これからこれから、ね?」ツンッ 京太郎「は、はいっ!」 あれからドラマの方は中々の滑り出しを記録しているようだ とは言っても、ほとんど俺以外の豪華キャストで成り立ってるようなもんだけど 京太郎「でも、負けてられねぇ」グッ 今はお飾りの主人公かもしれねぇ…… でも、すぐに他のメンバーに負けないくらい、大物になってやる! 京太郎「俺はトップアイドルになるんだ!」デデーン 煌「英雄は?」 京太郎「英雄もいいですね」 煌「すばらっ!」 ~~それからそれから~~ 京太郎「それで、CMの件なんですけど」 煌「うん」 京太郎「ぶっちゃけ、俺にできますかね?」 煌「難しい……と思う」 京太郎「」 煌「容姿も運動神経も問題無いんだけど……一つだけ、足り無いものが、その」 京太郎「な、なんですか!?」 煌「……ううん。これは、しょうがないことだから」 京太郎「え?」 しょうがないこと? それは一体どういう意味なんだ? 京太郎「あの、それは――」 煌「あ、そうだ! CM会社からデモテープを貰ってきたんでした!」ガサゴソ 京太郎「!?」 煌「……これが、京太郎君の出るCMです」ガチャリ 京太郎「……」ドクンドクンッ テレビ「」ザザッ 京太郎「」 煌「スタイリッシュ!」 699 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/02(土) 00 24 14.78 ID kLWQah23o [2/9] 京太郎「ムリムリムリムリムリ」ガタガタガタガタ 煌「頑張ってください」 京太郎「いや、こんなの無理に決まって――」 煌「頑張ってください」 京太郎「でも」 煌「頑張りなさい」ゴゴゴゴゴッ 京太郎「ひゃい」グスッ 煌「これを成功させれば、次は更に大きな仕事に繋がるんですよ……?」 京太郎「!」 煌「この仕事だって、清水谷さんが営業したお陰で転がってきた仕事なんです」 京太郎「っ! そ、そうですよね」 バカ、俺は何を弱気になってたんだ!? 折角の仕事にビビっちまってどうする! 京太郎「すいません、俺弱気になってました!」 煌「うん。でも、今は違うよね?」 京太郎「……やってやる!」ギリッ キム○クには負けねぇ! 俺だってやれるんだ! 京太郎「そうと決まれば早速練習――!」 ピンポーン 京太郎「ん?」 煌「はて、こんな時間に誰でしょう?」トテトテ ガチャッ 煌「あら? これは珍しい」 京太郎「一体誰ですか?」トテトテ ?「……」 京太郎「あっ」 選択安価 ↓4 1 咲 2 まこ 3 優希 4 透華 5 偶数で竜華 奇数で明華 713 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/02(土) 00 40 26.70 ID kLWQah23o [3/9] あっ、やべ おいらも↓3だと思って明華で書いちゃった テヘペロ 没にするの勿体ないから、一応透華(72)します ※ この1レスのみです 明華「……」ニコッ 京太郎「(美人っ!!)」ピカーン 煌「確か、臨海の雀明華さん?」 明華「お久しぶりです」ペコリ 煌「ええ。ですが、それにしてもどうしてこんな場所に?」 明華「それは……」チラッ 京太郎「?」 明華「……あの日、私は勇気が無くて見て見ぬフリをしました」ウツムキ 京太郎「??」 煌「あの?」 明華「須賀京太郎さん」ジッ 京太郎「はい?」 明華「私に、貴方を調教させてください!」ズザザーッ 京太郎「……」 煌「……」 明華「いい声で、鳴いて欲しいんです!」 京太郎「」 煌「」 ※ 明華ちゃんは社長にボイトレで雇われてきた設定だったっす 竜華Pごめんよ、すぐに書き直すから 722 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/02(土) 00 51 58.90 ID kLWQah23o [5/9] 竜華「……」モジモジ 京太郎「竜華さん!」 竜華「あの、その……今、ええかな?」 煌「何言ってるんですか、ほら、早く上がってください」 京太郎「そうですよ、外は冷えますから」 竜華「う、うん」タタッ ガチャリ 京太郎「来るなら言ってくれればいいのに、迎えに行きましたよ」 煌「そうですよ」 竜華「ご、ごめん」シュン 京太郎「ちょうど今から夕食なんです。竜華さんも食べます?」 煌「今日はうどんなんですよ」フフフッ うどん「狐だお! お!」 竜華「うちは、その……」クゥ~ -‐=ー‐- 、 / .ハ / イi .. / r i i i ∨ { / i⌒ト l {i ∨丁ヽ | i i i iイ伝ゝ イ云ゝ | i/\.|弋{歹 弋少 ,' | `ヽi xw xw イノ| |ハ / i | 个 ^,. イi i | i‐ーj └.!-| | .、i 人} |、 i-=-/ | |´∧ ハ | |\\./ / } i./ i / / .! i \// i ∧ ` ./ i .i | ´冂´ リ i i \ { Y´ /^\ ヽ }/ ハ ⌒ ⌒ / | | ゝ 〈 | 京太郎「あっ」 竜華「……//」カァァァ 京太郎「食べますよね?」ニッコリ 竜華「……うん」コクリ 723 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/02(土) 01 00 07.81 ID kLWQah23o [6/9] 竜華「……はふはふ」チュルル 京太郎「美味しいですね」ハフハフ 竜華「うん、ほんまに美味しい」 煌「えへへ、嬉しいですね」ニマニマ 京太郎「竜華さん、今日は泊まりですか?」 竜華「うぇっ!?」ビクッ 京太郎「あれ、違うんですか?」 竜華「えと……その」モジモジ 煌「……」ピコーン! す ば ら は す べ て を り か い し た 京太郎「もう遅いですし、泊まっていったらいいですよ」 竜華「それじゃあ、そうさせてもらうわ」チュルチュル 京太郎「……」 コンマ安価↓3 ゾロ目でドッキング 00~39 京太郎「それじゃ、俺はもう寝ますね」 40~69 京太郎「煌さん、お願いしますね」 70~89 京太郎「……どっちに泊まります?」 90~99 京太郎「今日は、こっちに泊まってみません?」 729 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/02(土) 01 05 35.36 ID kLWQah23o [7/9] 京太郎「あの……竜華さん」 竜華「なに?」チュルチュル 京太郎「……どっちに泊まります?」 竜華「」ブーッ!! 煌「」ウドンマミレ 竜華「げほっ、えほっ、がほっ! な、何を急に――!」ゲホゲホ 京太郎「……」 竜華「そんなのアカンに決まっとるやろ! な、な何を急に」ドキドキ 煌「」ウドンマミレ 京太郎「そうですよね、やっぱり……ダメですよね」シュン 竜華「……」ソワソワ 煌(うどん)「」 ラストチャレンジ! コンマ安価↓3 ゾロ目でドッキング 00~39 竜華「今日は遅いし、はよ寝たらええ」プイッ 40~69 竜華「……バカ」ボソッ 70~89 竜華「べ、別にダメとは……言うとらんし」カァァァ 90~99 竜華「じゃあ、泊まってもええの?」ウワメヅカイ 紳士たる諸君なら、竜華Pを救える筈だお 741 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/02(土) 01 16 27.19 ID kLWQah23o [8/9] 竜華「べ、別にダメとは……言うとらんし」カァァァ 京太郎「え?」 竜華「た、ただし! 二人きりはダメや!」 京太郎「そうですね」 煌「それじゃあ私も泊まろうかな?」フフッ 京太郎「おー! いいですね!」 竜華「……っし!」グッ 煌「夜の怖い話が楽しみですねー」ニコニコ 京太郎「き、煌さんのは洒落にならないからなぁ」ヒクヒク 竜華「(京太郎君の家でお泊り)」ドキドキドキ 京太郎「それじゃあ、布団用意しますね」サササッ 煌「あっ、でも二人分しか敷布団ないですよ?」 京太郎「じゃあ、俺は毛布に包まって寝ますから」 竜華「……ま、待って!」 京・煌「?」 竜華「敷布団二つ……つなげたら三人、寝られると思う」カァァァァ 京太郎「!!」 煌「すばらっ!!」キラキラ 竜華「こ、これは京太郎君に風を引かせない為や! だから仕方ない……うん」ブツブツブツ 京太郎「……」 煌「それじゃあ用意します」シュバババババッ こうして竜華は突如、京太郎の部屋に泊まることになった 難題を迎えようとする京太郎と、心ここにあらずの竜華 果たして、二人はそれぞれ試練を乗り越えることができるのか!? ドキドキッ! おもちもみもみお泊り編! に続く!! 777 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 21 58 43.60 ID EsRDiCj+o [2/9] 【京太郎の寝室】 煌「ご用意できました」シュババッ 布団「」ワーオ 京太郎「見事なまでに綺麗に敷きましたね」エー? 竜華「(ここが京太郎君の寝室……)」ソワソワ 京太郎「あの、やっぱり俺はソファで寝ますよ」 煌「それはよくないかな? 体が硬くなっちゃうし」 京太郎「いや、でも」 竜華「(ええ匂いがする……)」クンクン 京太郎「でもやっぱり三人で寝るなんて」ウーン 竜華「(あっ、この写真は式場のパンフレット……飾ってくれてるんだ)」カァァ 煌「気にしない気にしない」ウフフ 竜華「え、えへへっ」ニマニマ 煌「そんなことより、何してあそびます?」 京太郎「うーん……」 竜華「これ、京太郎君の枕……」スッ ‐==‐- ´ .. . . .. . .. . . . . .. . ` /. . . .. . . . . . . . . .. . . . . . . \ . . . .. . ./ . . . . . .. . . .. . . . . . . . ..丶 ∧ . . ./. . . . . . . . . .. . . . . . .. . . . ... . . . /⌒ . / . . .. . . . . . . . . .. . .ハ. . . .. . .. . . . /. . . .. { . . . / . . . ,イ . . . . / }. . . .. . . . . . .. . ,'. . . . 八 . /  ̄ /. ./ / i|. /. .. . . . ..ノ . . . .. .. .. . ∨____/ / ∨ ∨. . / ... .  ̄} . . . .. . i. γヽ{ィ斥芋笊 斥笊_,} / /. / . / } . . . . .. . | .{ V/ソ Vリ `'/∨/ / . . . . .. . . | 人__ ////// , /////../ ./ ギュゥゥゥゥゥ . . . .. . . . . | . . . .ヽ / / /. . .. . . . 」斗‐ ´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄`¨ ¬ー- 、 /. ,,-´~/ . . . i //´ _」 . . . | /,√V^V| ヽ . . . ∠二L ___ . . . | ィ≧ョ≠=| >'´ -----く . . . | / `ァヘ.〉 ! 、 . . . ./ ,.二二つ'’ . . |. . . i ‘. ヾ / ___ 二ニ⊃ . . . . . / . . ... ;| ヽ. / /{ . . . . . . . / .. | ' , ' ! . . . . . . . xく. ! _rく ' ,.' . . ヽ . . ! . . . / .', // /. L.{ ∧ . . .. \ .. _」,√ ̄´ i v /. ∨ 、 ∧ .ヽ . . .. _}>^vヘ. ! У └く_辷ワ´ . . ..`ニ=- ´ ヒ} / ', l { }> ´ ,ハノ xく ',l ヽ、 _/ ,. -‐―=ァェ込ト-‐'"/ \ ', i `¨¨¨て/ / /. . /. . /. . ,. -‐…'. 〉 ', `L/7 /. . /. . r‐--‐′. . . . / ', ', | .├^ー‐'⌒ー‐'´ . . . . , く ', ', l ,レ/ . . . . イ \ ', ', / / { . . . . イ´. ,'. .} ', ', //. `ア¬----=≠ニ´. 丿. /. ∧ ', /. / . ; /. / / ___/V 京太郎「……竜華さん?」 竜華「っ!!」ドッキィィィン! 京太郎「どうかしました?」 竜華「あっ? うぇ? な、なんでもっ! あ、あらへん!!」アタフタ 煌「……」パシャパシャパシャッ!! 782 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 22 16 23.04 ID EsRDiCj+o [3/9] ~~なんやかんやで~~ 煌「それじゃあトランプでもする?」 京太郎「寝るには少し早いですもんね」シャカシャカ 竜華「……(京太郎君が歯磨きしとる)」ゴクッ 京太郎「んー」ガラガラガラ 竜華「(なんでやろ、こういう日常の一瞬一瞬が……)」 京太郎「んべ」ペッ ジャーッ 竜華「(可愛い)」ドキドキドキ 煌「それじゃあジェンガはどう?」 京太郎「いいですね」ゴシゴシ 竜華「あ、あの、京太郎君」スッ 京太郎「はい?」 竜華「その、袖で拭くのはよくないから……」フキフキ 京太郎「ありがとうございますっ」ニコッ 竜華「……//」カァァァ 煌「」キュピィーン!! す ば ら は す べ て を さ っ し た /........................................\ ............... ∧ ヽ........ヾ¨ニ=-...、 /....../ / ‘, _ < V \ _j 7 i ー/ ‘.´ i i ヽ|l ⌒ヽ ハ ..=ニ7/ | 从 }ト /i /i ..|l У..... / / V \r'W {=ミ 斗劣气イ /リ / i. 〃 / ゝ 、 「斗劣气 に 刈 》イ__/ / ハ / ヾヘ《 に 刈 `¨ i > /. {.. ¨ニ=---=≦ rヘ `¨ ' 〃 | ノ `¨¨¨¨ \ /乂 〃 r‐ ^ヽ ノ ` ー=≦ ゝ ゝ __ ノ / r‐、 /¨二ヽ_ ≧= イ ` V / r―-ヘ 八}__ _八______ ヽ ゝi /¨`7 }  ̄ ̄ ̄〈 /└i / ヽ 八 ⌒ / / }o 入__rへ_/ i r=〉 、__ / i }/、 { _ } / i 川 i =-〈} / Ⅵ ヽ} |/ /___彡/ .川 i i i/ /ニ=- ,_ }| | l| V三三/ { / ミ=ミ У | l| 〉⌒7 ノ 煌「夫婦みたいですね、すばらっ!」 京太郎「へっ?」 竜華「~~~~っ!!」ボムッ 煌「ふふふっ」ニマニマ 竜華「うぁっ……//」モジモジ 791 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 22 33 29.92 ID EsRDiCj+o [4/9] ~~なんだかんだで~~ 京太郎「なんだか修学旅行みたいで楽しいですねー」 煌「そうですねっ」 竜華「……」モゾモゾ 京太郎「でも、一つだけ気になるんですけど」 煌「? なんですか?」 京太郎「あの、どうして俺が真ん中なんです?」 竜華「……」ギュゥゥゥ 煌「……」ギュゥゥウ 京太郎「アイエエエ!? サンドイッチ!? サンドイッチナンデ!?」 竜華「その、うちは抱き枕が無いと寝られへんから……」ムニュン 煌「ワタシモソウナンデスヨー」フニュン 須賀ホーン「Standing by……」シュインシュイン 京太郎「宇宙天地 與我力量 降伏群魔 迎来曙光……」ブツブツブツ 煌「メンタルも鍛えないとダメかなー」ツンツン 竜華「……鍛えんでも」ボソッ 京太郎「フォォォォォォォォォォ」 煌「それじゃあ、怖い話でもする?」 竜華「怖い話……」ギュゥゥ ムニュン 京太郎「うっ……ふぅ……」ブルッ 竜華「??」 煌「京太郎君?」 京太郎「すいません。少し……夜風を浴びてきます」スタッ 煌「?」 竜華「?」 京太郎「……死にたい」ズーン 796 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 22 55 55.81 ID EsRDiCj+o [5/9] 【ベランダ】 京太郎(着替え済み)「……」フゥ 俺、どうしちまったんだ。 煌さんならともかく、竜華さんにあんな…… 京太郎「竜華さんは俺の恩人だってのに、くそっ」 折角竜華さんは俺を一人のアイドルとして育てようとしてくれてるのに…… 俺がそんな目で見ちまうなんて、ダメだよな 京太郎「落ち着け落ち着け……」 ガラガラッ 京太郎「!?」 竜華「京太郎君……?」 京太郎「りゅっ!?」 竜華「具合でも悪いん?」スタスタ 京太郎「あっ、いやっ!? そういうわけじゃなくて!」ジリッ 竜華「……」 京太郎「だから、その……俺の事は、気にしないでも!」 竜華「……でも」 京太郎「……」ウツムキ 竜華「でも……」ウルウル 京太郎「うぐっ……」 どうする? 選択安価↓3 1 正直に打ち明ける 2 嘘を付いてごまかす 3 とりあえず逃げる 807 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 23 09 23.71 ID EsRDiCj+o [6/9] 京太郎「……実は」 竜華「え?」 俺は最低だ でも、最低な男にだって意地はある だから―― 京太郎「俺、さっき竜華さんの事を……その、女の人として、見ちゃって」 /. . ヽ .' . . . . |、 ヽ `、 .i . . . . | vヘ `、 . .i . . . . | Vヘ ;, . .i . . . ii / j vヘ i . .i . . . |ト、 . / / / vヘ | ノ.. .i . . . | \ イ /) / i .ハ |-‐ ´ 〉 i|. . . |i__ニ=¬‐ / | /)' / ーi ト、 ム=-‐ ⌒ヽヘ |i . . . |i . イレi /// | i i /|i }ヘ} |i . . . |i . . ' {i | イ /´ 」レj / イi / }} |i . . . |i . | ,yア抖苧弓ミ ,ィi抖弓ミト、 |ii ,' }} |i . . . |i . レy' ん)'//心` ん)/心 ヾ〉 / / }} |i . . . レ'⌒ヾ . 厶ヘ {ヘ{'///^} {ヘ{//^} /ムィ / }} | . . |' ヽヘ 乂ミ它ソ 乂它ソ /ムイ i . . ト、 ' | | i . . |iへ /i/i/i/i/ 、 /i/i/i// j i . . |i . ≧=r ルイ i . . |i . |//,へ 小 i|. i . . |i . v///l \ /⌒ヽ イ | i|. i . . |i . V//l ` . ー ‐' / i | i| i . . |i . V/l ` . イ. i | i| i . . |i . . Ⅵ ` ‐-‐<'//」. i | i|_ __|二ニ=-‐¬i . | \ /__〉 !. i | i|  ̄ミへ、 ,,へ へ |i . | \ ' | !. i | i| j j / \. //⌒''<⌒≫、 |i . | \ | | . i | i| j j' / ヽ 〈/ ⌒<⌒≫ |i . | \ | | . i | i| j j / i 竜華「……」 京太郎「だから、その……」ググッ 竜華「……」 京太郎「どうしたらいいか、分かんなくて」 竜華「……」 京太郎「それで……」 竜華「い……」ブルブルブル 嫌、か そりゃそうだよな、こんな最低なこと…… 京太郎「すいません。俺……」 竜華「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ピョインッ 京太郎「へっ?」 810 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 23 22 19.56 ID EsRDiCj+o [7/9] 京太郎「……竜華さん?」 竜華「へっ?」ビクッ 京太郎「あの、今なんて……?」 竜華「あっ、えっと、その……」オロオロ 京太郎「?」 竜華「こ、これは……」 京太郎「これは?」 竜華「……」ドキドキドキ これは72? コンマ安価↓3 00~29 竜華「う、うあぁぁぁ!!」ダダダッ 30~69 竜華「なんでもないっ!」パッシィア! 70~89 竜華「ふふっ、なんやと思う?」ツンツンッ 90~99 竜華「……やったって、言った」ボオリ 奇数ゾロ目であわあわ参上! 偶数ゾロ目で大天使のどっち降臨! 820 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 23 38 18.05 ID EsRDiCj+o [8/9] 京太郎「あの……」 竜華「ふふっ、なんやと思う?」ツンツンッ 京太郎「っ!」ドキッ 竜華「今は秘密や……♪」フフフッ 京太郎「あぇっ!?」 竜華「そろそろ戻ろうか、花田さんが待っとるで」 ガラガラッ 京太郎「あっ、竜華さん! 待っ――!」 竜華「きっと……うちも」ボソリ 京太郎「!」 竜華「うちも、同罪やし」ニコッ / / / // ´ ̄ ヽ / / / | l | | . i. / / | / / > ´ /, ′ | l | | . l / /... | i /ァ===ミ、 ヽ /イ . j_| | . │. ′. リ、 ;《 ん干ハ\ 〃 j\ イ / . /|. / . / ∨ | { ト ノ ' ,ノ / ヾ }/} \ __/ .′ ′ { ヽ{ ゝ こソ =ァ=/ / ソ/ / \ / / ! ∧ 。 ん干ハ㍉ / / ヽ.′ ′ |... ∧__ . ' .' . { ト ノ ′|} / / /// . i|.. | { 、 ゝ こソ //彡 //..... i|. |∧ ヘ / / ノ... i| l ∧ 「 、 . ' .' .° ′ノ┬=ァ ´ i| | / . ` -- ′ , イ / / かなわんな♪ / j| l / \ / / // j| |/ 丶 ___,,.. イ ../ / i| ト / / i| ../ /-=ニニニム {ニ\ / / i| . ,′/ 京太郎「~~~」ヘナヘナ もしかして俺って奴は本当に…… 最低な奴なのかもしれない 京太郎「竜華さん……//」ドキドキ モラルが上昇した! ???が上昇した! 826 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/04(月) 23 56 54.39 ID EsRDiCj+o [9/9] 【なんだかんだで消灯後】 京太郎「……眠れん」ギンギン さっきの竜華さんの言葉、あれはどういう意味なんだ? 同罪って……まさか、いや、そんな筈は無いし 京太郎「俺に気を使ってくれてんのかな……」ボソリ でも、そうだとしてもありがたい あんなことで、竜華さんとの関係が壊れるのは嫌だし…… 煌「ぐーぐー」チラッチラッ 竜華「……えへっえへへっ」ニマニマニマニマニマニマ 京太郎「うぅぅっ……でも、いや」ブツブツ 竜華「女として……ふ、ふふふっ」モジモジモジ 京太郎「いやいやいやでも」ブツブツブツ 煌「二人共可愛い」ホッコリ こうして夜は更けていく そして…… 【早朝】 (こ)ロ个ロ(こ) ⌒~´`'7,... _ /7´ ̄ ̄ ヾヽ , -‐ ゝ-‐_ ニ-‐-'| || |_ .| | <ピピピピッ l ̄ ̄ ̄ ! ,!. || | | |ニニニニニ|_ -‐ ' " ヾ、____,〃  ̄ ̄ ̄ ’ ’ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _. . ----- . ._ ドゥフフ __ ryーv‐ー.,. ´ ` .、 . 、_r-r-vー┐....ryーv‐ . /´ ̄ \ ¨¨¨ 、..゙、_r-r-vー┐.....f , -‐.,. ´ \ -- 、 〈 . f , , -- | 、 、 \ -- 、 〈. } i|... / ヽ 、. |!; }'..} ゙/イ , | |、 \ \ \ \.... |!; }' リュウカサン……オレハ...゙{ l|... ' , '. \...|l {、 l| . / / { ∧ \ \ ヽ |゙'" |l {、 オレハ…… f l|......| | | ヽl )f...../ / / 从 { 、\_ \ | ト、 、 . |l ). 〉 i| - | | | 、 .、 / イ / , { \ ∧ ´ \ | } /l } |`\..゙ ....{ l|......| { | },、 l  ̄ `..゙〉.. l|....Ⅵ / 从- \ { ,ィ==从}/ イ_,ノ ,.... |l 〉 ン~,ウ~ン…….゙〈 ;l! | | | | / { .| | .|. |! {..〈 ;l / イ/ ∧ ィ= ` /' , / /.... |! {...._ l!.....| l .| | |_ノ 从 j. |! ´.._ l! ,./ イ从{ 、 u | ハ}. |! ´...゙i ;i|.....| , , | | | | | ' l! 〉..i ;i|. 叭 _ .._ ., 从{.... l! 〉.....}/ . | | | | | | | . --\{......}/ー-====..゙\´ ./ |\. --\{_└ー^...| , / , |ィ} ,..=ー^ー┘ . ー^ー--'''~`ー-ー..` r ´ ! 、.ー^ー┘. | { / / | .| , / / .. / | ∨、. | /| , { / // イ_ _ _ .} , | .〉 \. |' , / | | ̄ / イ ヽ / .\/ 〉 / \_. \ {/、 .从 / , < ∧ ./ ,イ ☆ > 、. / }/{ \{. ,. -──────- 、_...★.... ,. -───- 、_.. ★ } ____ __ ,. - - ‐ ''''' " ̄ ̄ >--" ̄ ゙ '''ー  ̄ ̄` 丶 、 ̄ ̄ ー‐ ''' " ̄ \__ 京太郎「うーん……」 照「むにゃむにゃ」 竜華「ふわぁ……」 煌「おはようございます」ニコニコ 836 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/05(火) 00 08 11.86 ID eJpWm0jwo [1/3] 京太郎「うーん、竜華さん俺は……」スッ フニュッ 京太郎「んぅ? あれ、胸が無い……」ペタペタ 照「んっ……おはよう京ちゃん」ニコニコ 京太郎「あれ? 照さんがどうして?」 照「最近会ってなかったから、起こしにきたんだよ」フフフ 京太郎「そういえば最近、忙しくて」アハハ トテトテ 煌「あっ、京太郎君起きた?」 京太郎「煌さん!」 煌「もう朝ごはん出来てるから、顔を洗ってきてね」 京太郎「はーい」 竜華「うぅ……ん?」パチクリ 煌「あら、清水谷さん。普段はベッドなんですか?」 竜華「ふぇ? どうして分かったん?」ゴシゴシ 煌「その寝相を見れば、ね」クスッ 竜華(porori)「っ?!」 京太郎「」ハナジブシュッ バタリッ 竜華「うっ、みゃぁ~~!?」バッ 煌「ふふふふ」ニマニマ 照「私も京ちゃんと一緒に寝たい!」 839 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/05(火) 00 35 43.87 ID eJpWm0jwo [2/3] 京太郎「」チーン 照「おいひぃ」モグモグ 煌「おかわりもありますよ」 竜華「……」モグモグ 煌「そう言えば清水谷さん、一つ気になることが」 竜華「え?」 煌「CMの件です」 竜華「……うん」 煌「かなり、厳しいと思います」 竜華「……そうやろな」トオイメ 煌「恐らく京太郎君にとっても、かなり辛いことに……」 竜華「今まではスタッフさんに恵まれとったしなぁ」 煌「……」 照「どうゆうこと? 今までどおりの仕事じゃないの?」モグモグ 竜華「そのうち……分かる」 煌「ねぇ、京太郎君。君はこの試練……どう乗り越えるのかな?」ナデナデ 京太郎「……」ムニャムニャ 京太郎を待ち受ける大きな試練 その正体とは一体なんなのか? そして…… 竜華「……ふふっ」ツンツン 京太郎「ふがっ」 二人の関係はこの先、どんな結末を迎えるのだろうか? 863 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 21 12 42.83 ID /L+gJUY9o [2/15] 【なんやかんやで、CM撮影現場】 ガヤガヤガヤガヤガヤ 宥「うわぁ……」 京太郎「人がたくさんですね」 竜華「これが全部京太郎君の為に準備しとるんやなぁ」キョロキョロ 煌「私、広報の方と挨拶してきますね」ソソクサ 竜華「あ、うちも行く!」トテトテ 宥「んー、私達はどうしようか?」 京太郎「取り敢えず、スタッフさんに挨拶しておきましょう」キョロキョロ テクテク 京太郎「おはようございます」ペコリ スタッフ「ああ、おはよう」カチャカチャ 京太郎「あの、今日はよろしくお願いします」 スタッフ「期待してるよ」 京太郎「……?」 宥「どうかした?」 京太郎「いや、なんかスタッフさんがピリピリしてるなって」 宥「え?」 京太郎「なんか、ドラマの撮影と空気が違うというか……」 宥「?」 広報「……」 煌「初めまして、須賀のマネージャーです」スッ 竜華「わ、私がプロデューサーです」ガチガチ 広報「……そう。若いのね」 竜華「は、はい」 広報「学生? ちゃんと仕事できているのかしら」 煌「まだまだ若輩者ですので、至らぬところが多いですね」フカブカ 竜華「それでも、私達なりに……」 広報「いい? ハッキリ言うけど、至らないと困るのよ」バッサリ 煌黒龍「!?」 広報「このCM一本の出来で、売上が数億以上変わるんだから」 煌「それは、勿論わかっています」 広報「悪いけど、あまりに使えないようなら降ろすからね」 竜華「くっ」ギリッ 広報「……せいぜい頑張りなさい」スタスタ 864 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 21 19 50.32 ID /L+gJUY9o [3/15] スタッフ「それじゃあ着替えとメイクをお願いします」 京太郎「よ、よし。それじゃ宥さん」 宥「うん。頑張るよ!」グッ スタッフ「え? この人がメイクを?」 宥「うぇ?」 京太郎「あ、はい。そうですけど」 スタッフ「えぇ……?(困惑)」 京太郎「あれ、ダメですか?」 スタッフ「いや、その……」 ツカツカ 広報「ちょっと、何を揉めているのかしら?」 スタッフ「あっ、いや! これはですね!」 広報「……あら、顔は中々いいじゃない」ジロジロ 京太郎「ど、どうも」ペコリ 広報「メイクすればもっとよくなるわね。早くメイクさん呼んで」 スタッフ「えと、それがかくかくしかじかでして」 広報「は? この子がメイク?」 宥「は、はい」オドオド 広報「……まだ若いようだけど、経験は何年?」 宥「えと、玄ちゃんのお化粧手伝いは……ひーふー……三年くらいかな?」 広報「玄ちゃん?」 宥「うちの可愛い妹です」ニコニコ 京太郎「(本当に可愛いんだよなぁ)」シミジミ 広報「……」 スタッフ「ど、どうしましょうか?」 865 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 21 27 48.55 ID /L+gJUY9o [4/15] 広報「ダメに決まってるでしょ」 京太郎「ファッ!?」 宥「」ガビーン スタッフ「すぐにメイクを呼んできます」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってください!」 広報「何かしら?」 京太郎「どうしてダメなんですか!?」 広報「当たりまえでしょう。子供の遊びじゃないのよ」 京太郎「でも、まだ見てもいないのに……」 広報「時間の無駄よ。撮影が押したら、スタッフ全員に迷惑がかかるのよ」 京太郎「でも……!」 宥「……」ブルブル 広報「とにかく、言うとおりにしなさい」 京太郎「……!」 宥「い、いいよ京太郎君。私より、ちゃんとした人の方が……」 京太郎「……」ギュッ 選択安価↓3 1 言うとおりにする 2 宥さんにお願いする 3 ?「やめるのです!」デデーン 871 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 21 38 52.48 ID /L+gJUY9o [5/15] 京太郎「分かり……ました」グググッ 宥「あっ……」ズキッ 京太郎「よろしくお願いします」ペコリ 広報「そう、それじゃあ準備して」スタスタ ガヤガヤガヤガヤ 京太郎「……あの、宥さん」クル 宥「……」ウツムキ 京太郎「すいません……俺」 宥「っ!」ダダダダッ 京太郎「宥さん!!」 ガチャッ バタンッ! 京太郎「……」 くそっ……どうしてこんな メイク「あらぁ、可愛い子ねぇ。私がもっと素敵にしてあ・げ・る」サワサワ 京太郎「よ、よろしくお願いします」 後でちゃんと謝らないとな ~~そんなこんなで~~ 京太郎「できました」キラキラ 竜華「え? 雅治?」 煌「虹?」 京太郎「さ~っきまでの~通り雨が~♪」 竜華「スコォォォォル!」 煌「壁とでも話してろ」キリッ 広報「……大丈夫なのかしら」 873 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 21 49 39.94 ID /L+gJUY9o [6/15] カメラマン「それじゃあ、まずはリハーサルから行きます」 京太郎「は、はい」ガチガチ カメラマン「それでは音楽に合わせて、振り付け通りに踊ってください」 京太郎「……はい」 あれだけ練習したんだ 動きのキレだってそれなりにある、完成度も高い 京太郎「やれる……やれるんだ!」 広報「……」 煌「あぁ……大丈夫かな」 竜華「多分……」 監督「ミュージックスタート!」 テレテレテレテレテレテレ♪ 京太郎「~~♪」クルクル 広報「カットして」 監督「カットォォォォォォォ!」 京太郎「!?」ビタッ 煌「やっぱり……」 竜華「ついに、来た」 広報「もうちょっとクールに踊ってもらえる?」 京太郎「え?」 広報「今回の商品はクールさが売りなのよ、さっき説明したでしょ」 京太郎「は、はい」 広報「そんな楽しそうな表情じゃクールさは伝わらないわ」 京太郎「き、気をつけます」 広報「それじゃあもう一回、リハから」 監督「もう一回リハ行きまーす」 875 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 22 02 37.80 ID /L+gJUY9o [7/15] テレテレテレテレテレテレテレテレ♪ 京太郎「~~~」クルクスル 広報「ダメね」 監督「カットォォォォ!」 京太郎「!?」 竜華「……くっ」 煌「やはり、かなりの試練になりそうですね」 今までの仕事は、京太郎そのものを求められたものだった。 しかし今回は違う 広報「もっとキレよく動いて頂戴」 京太郎「キレよく……」 向こうは京太郎を話題作り程度にしか考えていない 実力の足りない京太郎を今まで支えていた、人柄や熱意 その才能の変革は、まるで役に立ちそうも無かった 京太郎「……」ハァハァ 広報「何度言ったら分かるの? ちゃんと出来ないなら降りてもらうわよ」 京太郎「すい、ません」 監督「割といい出来だと思うんですがね」 広報「ダメよ」 監督「しかし、もうTAKE72ですよ」 広報「72くらいで72を言ってるの? 私は満足するまで続けるわよ」 スタッフ「くっ」 京太郎「……」ゼーゼーッ 煌「あの性悪女……」グギギギ 竜華「……」ギリギリギリ 883 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 22 13 27.52 ID /L+gJUY9o [8/15] 878 無駄な時間を費やすことと、妥協しないことは違うから(震え声) 監督「しかし、これ以上疲れてはクールさを出すことなんて」 広報「そうね……見たところ、後三回が限界ってところかしら」 京太郎「……」 広報「いいわ。残り三回以内に、満足の行く出来でなかったら……降ろすわ」 京太郎「!?」 煌「……」コォォオォォ 竜華「……」ギリギリギリギリ 広報「後釜はそうね、人気急上昇中の鬼ヶ島君にしようかしら」 京太郎「羅刹さん……」ギリッ あの人は、確かに凄い。 俺なんかよりよっぽどアイドルだし、演技も歌も、何もかもが上だ きっと、あの人が俺の後釜になれば……このCMは成功するんだろうな 京太郎「だけど……」 それは、かなりムカつく 京太郎「絶対にそれだけは……嫌だ」 竜華「京太郎君……」ドタプン 煌「……頑張ってください」プルン 広報「くっ」 京太郎「やります。三回で」 広報「……まぁ、なんでもいいですけど」 監督「それじゃあ、残り三回ということで」 スタッフ「なんくるないさー!」 888 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 22 20 44.25 ID /L+gJUY9o [9/15] 【TAKE1】 京太郎「……」ドクンッドクンッ 広報「それじゃあ、一回目行くわよ」 監督「音楽用意!」 京太郎「……やってやる」ギュッ 羅刹さんに、みすみす仕事を渡してたまるか それに…… 竜華「……」ギュッ 煌「……」ハラハラ あの二人に、かっこいいとこ見せたいもんな 京太郎「やってやるぜ……」 監督「それではよーい、スタート!」カンッ! 京太郎「!!」 コンマ安価↓3 00~69 失敗 70~89 失敗 しかし応援がかけつける 90~99 成功 ゾロ目 京太郎 覚 醒 901 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 22 27 56.54 ID /L+gJUY9o [10/15] テレテレテレテレテレ♪ 京太郎「~~~」クルクル ツルッ 京太郎「!?」 ズシャッ! 竜華「京太郎君!!」 煌「大丈夫!?」 京太郎「は、はい……」 広報「……残り二回ね」 監督「……んー」 スタッフ「NGですよ! NG!」 京太郎「……くっ」ギリッ 【TAKE2】 広報「それじゃあ、テイク2行くわよ」 京太郎「はい!」スッ 竜華「京太郎君、無理せんでも……」 京太郎「竜華さん。俺、結構ムカついてるんですよ」 竜華「え?」 京太郎「だから、見せてやります。俺の……アイドルとしての意地を」 竜華「京太郎君……」キュン 京太郎「それに、踊るのいいですけど……」 煌「?」 京太郎「別に、アレを倒しちまってもいいでしょ?」 広報(アレ)「……よーい!」 監督「アクション!!」 京太郎「!!」 コンマ安価↓3 00~59 失敗 60~89 失敗 しかし応援がかけつける 90~99 成功 ゾロ目 京太郎 覚 醒 922 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 22 35 36.25 ID /L+gJUY9o [11/15] 京太郎「……」フラフラ 広報「ダメ」 監督「カットォォ!」 京太郎「……」 広報「もうあとが無いわね」 京太郎「そうですね」ウツムキ 広報「どう? これが仕事の厳しさよ」 京太郎「!」 広報「今まで随分と簡単な道を歩んできたようだけど、そんなものは長く続かない」 京太郎「簡単……?」 広報「運だけでのし上がれるほど、甘くはないのよ坊や」 京太郎「……」 監督「ラストテイク行きまーす!」 簡単な道? 俺が歩んできた道が……簡単? スタッフ「真に、面妖な」 監督「よーい!」 違う、決して簡単なんかじゃなかった 広報「(終わりね)」 京太郎「……!!」グググッ 俺は…… コンマ安価↓3 00~49 失敗 50~99 成功 ゾロ目 京太郎 覚 醒 940 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 22 46 34.82 ID /L+gJUY9o [12/15] 俺は…… 大切な仲間との溝に、悩んで絶望して―― あの日、竜華さんに拾われた それからは、毎日が虹のように色鮮やかに変わって…… 毎日、死ぬ程忙しくて レッスン漬けの毎日だったけど、早く仕事がしたいとごねたりして そうして、初めての仕事をこなして……サイン会もやった そこで初めて、自分を応援してくれる人たちと触れ合って…… 俺は一人じゃないって知ることができた 京太郎「(だから――!!)」 テレテレテレテレテレテレ♪ 京太郎「(たとえ、どんなに簡単に見えても――)」クルクル 監督「!?」 京太郎「(どんなに甘く見られても!)」シュバシュバッ 広報「!?」 京太郎「(俺自身が胸を張って、ファンに応えなきゃいけないんだ!)」タンタンッ 竜華「ぁっ……」 煌「すご……」 京太郎「(俺の人生の価値を決めるのは、仕事でもアンタでもない!)」 応援してくれる、ファンのみんな 協力してくれる仲間達 そして…… 京太郎「!」シュバッ! デンッ♪ 京太郎「俺、自身っすよ」ハァハァ 広報「」ジョバジョバジョバ 947 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 23 06 51.15 ID /L+gJUY9o [13/15] 【なんだかんだで控え室】 京太郎「つ、疲れたー」ドテッ 竜華「お疲れ様」フフッ 煌「見ました? あの広報の顔を」プククク 竜華「可哀想やったなぁ」プククク 京太郎「そんな言い方しちゃダメですよ。でも……」プククク 三人「ふふふふふふっ」ニマニマニマ 煌「でも、最後の最後に本当によくできましたね」ナデナデ 京太郎「みんなのお陰ですよ」 竜華「え?」 京太郎「みんながいたから俺……」 煌黒龍「「」」ジィーン 京太郎「えへへ、少し臭いですか?」 煌「そんなことないかな?」 竜華「せや、ええと思う」フフフ 京太郎「……俺、これからも頑張りますから」 煌「うん。頑張ってもらわないと」 竜華「もっともっとや」ニィッ 京太郎「はいっ!!」 ちょいと飯買ってくる 967 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 23 40 57.88 ID /L+gJUY9o [14/15] 京太郎「そういえば……」ギュルル 竜華「ん? お腹空いた?」 京太郎「いえ、宥さんの事なんですけど……」 煌「松実さんは……外に」 京太郎「そう、ですか」ウツムキ 竜華「京太郎君、気にすることは……」 ガチャッ 三人「!?」 宥「も、戻りました~」フラフラ 京太郎「ゆ、宥さん!? どうしたんですかその荷物!?」 宥「えへへ、ちょっと買い物に」スッ フライドチキン(柚子胡椒) ファミチキ ウォーズマン肉まん さきいか ビッグサンダー プレミアチキン(骨無し) サワーズ(メロン味) ホットココア エリザベスまん ピザまん 京太郎「……」ゴクッ 宥「お腹空いたかなと思って……迷惑だった?」 京太郎「いやいや! 本当にお腹空いたところでして! 宥「ありがとう。私に出来ることは、これくらいだったから」ウツムキ 京太郎「あっ、その……」 煌「あれ、こっちの袋はなんですか?」ガサゴソ しろくま ガリガリ君(6本) 雪見大福 竜華「アイス!?」 京太郎「この寒い時期にですか!? そもそもよく買えましたね」 宥「これは……」 宥「私の、分」 一同「!?」 979 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/06(水) 23 49 07.85 ID /L+gJUY9o [15/15] 京太郎「し、死ぬ気ですか!?」 煌「考え直した方が!」アセアセ 竜華「う、うん!」 宥「……私、いつまでも弱いままじゃ嫌だから」 京太郎「!?」 宥「寒さも克服して、今よりもっと……もっと」ブルブルブル 煌「そこまでして……」 宥「だから……」つガリガリ君 ━ ・ . ・ _ -──- _ ・ . ・ , '" `ヽ、 . / ,, \ ・ , ', ,,''i! ,,1 ヽ ・ // ,,'' l i! i! i! l! i! ゙、 , / i!'i! .i! l l i! lト、 i! l!. i!、 i! i! i! l! ・ ┃ ,' i! i! .i!,ィ=ト、l l ト、 ヽl ! |! ヽ i! i! i! l! ・ ,' ヽ .∨/ li! l l l l ヽ、 ∨ヾヽl ヽ. i! i! i! l! ・ | ! /l {ll |i| l l l l l l l l il| |l l l i!iト、. ,イ , ┃ ・ | |.{ l l li、__ノ ,'l l l l l l l l l|ト、__ノl l / ゝ/./ / ・ ・ ヽ r' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`=-/ /,,''/ / ・ }、 ,イ ,ィ/ '',ィ / .・ /ヾノゝ __ / .| ,'イ/-Ll ・ ,r─' Уヽ、 ̄  ̄  ̄_ _ -─!' { |i!── ヽ ・ |! `ー≧=─/ヽf!_ノ、-─'" \!|─‐.、 ヽ ・ |! ,r‐'' ̄' ¥== ヽ────、 \l! |!  ̄` ー __ -‐{! ノ{ ヾヽ、 \ ヽ 宥「ふぇぇ」ブルブルブルブル 京太郎「……」 選択安価 ↓3 1 見守る 2 優しく抱きしめる 3 とりあえず踊る 4 ガリガリ君を奪う 5 止める 988 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/07(木) 00 03 38.54 ID ZNMj1rFRo [1/2] 宥「ひぃぅ……」ペロペロ ガタガタガタガタガタブルブルブルブル 京太郎「っ!! 宥さん!!」ダッ 宥「!?」 京太郎「それ、貰います!」パシッ 宥「あっ」 京太郎「うぉぉぉ!!」ガリガリガリガリガリ 竜華「!?」 煌「ひっ!?」 京太郎「」キィィィーン! 宥「きょ、京太郎君……」 京太郎「ふぉぉぉ」ズキズキズキ 宥「どうして……?」 京太郎「……」 宥「私は、自分の弱さと向き合おうとしたのに……」 京太郎「俺にだって……苦手なものはあります」 宥「え?」 京太郎「嫌いなものもあるし、正直……たくさんありすぎて困ります」 宥「うん……」 京太郎「でも、それが俺なんですよ」 宥「?」 京太郎「宥さんも同じです。寒さが苦手な宥さんも、宥さん自身」 宥「私自身……」 京太郎「そりゃあ直した方がいいかもしれません。でも……こんなやり方、絶対に間違ってる」 煌「……」 京太郎「それに、これは俺の考えなんですけど……」 宥「???」 京太郎「寒いのが苦手な宥さんを見てるとこう……」 選択安価 ↓3 1 ムラムラします 2 可愛いなって 3 抱きしめたくなる、というか、その…… 4 ドキドキします 5 正直たまりません 995 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/11/07(木) 00 11 51.26 ID ZNMj1rFRo [2/2] 京太郎「抱きしめたくなる、というか、その……」モジモジ 宥「あぅえ!?」ボッ 竜華「あっ……(察し)」 煌「……」パシャパシャッ 京太郎「い、今のはちがっ!」ブンブン 宥「うん……//」カァァァァァ 京太郎「う、うぅ……」 宥「……」モジモジ 京太郎「あの……ココア、飲みます?」スッ 宥「うん……」ゴクッ 京太郎「……」ソワソワ 宥「えへへ、すごく甘くて……とっても、とっても……」 =-―…―-ミ ,. ´ 、 / \ ヽ. / \ \ ‘,. .′ / .| | ∨∧ ‘, i | . .| | | ∨∧ ‘, | | | | | . .| |_ |__ . . | ∧ | | | | |、 . | |、 \  ̄`ト、 .| i i あったかいよ、京太郎君…… | | | | イ \ ト | \ \ | | | | | | . 八 /| | \ | ,ィf芳丐ミ . | | | | | |\|,ィf示ト \ `ー‐┘| | | | | | |∠込/ | | | |. 八 | |\ ’ | | | |. ヽ| トミ_、 、 ノ イ| | | / i| ∨ >. _,. イ二| ' 八 /| マ^⌒ヽミ> ´ ! / ∧ \. / l | マニ- ‐-= // / へ、 \. / |、 |\マ=- _彡イ/ / \ \. /. . 人\ \_\⌒マニ二 _/ /-―/\_、 \ / />'⌒ヽ .\つ―=ミ \ / / ニニニ `ヽ、\ \. / //{ __、 \ニニニ _,| | ⊂ニ.,_ /\\ ヽ CM 編 カンッ! 竜華「というか関節キス……」 宥「!?」ドキィン 京太郎「え? なんのことですか?」 煌「おー」 宥「」ドロドロドロドロ 竜華「と、溶けとる……!?」 煌「ふふふ、可愛いですね」パシャパシャ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/885.html
淡「~♪~♪~♪~♪」テクテクテクテク 淡(いよいよ今週末は京太郎とデートっ♪楽しみだなぁ~) 淡(どんな服着ていこうどんなところへ行こう?) 淡(駅前で待ち合わせして、手を繋いで街を歩いて、服屋さんに行って京太郎に新しい服を見てもらおう) 淡(それでそれで、可愛いなんて言われちゃったりして……あ~~早くこないかな!土曜日!) 淡「ただいまー!……ってあれ?」 淡(ポストの中に何か入ってる……お届けものかな?) 淡「…………」ゴソゴソ 淡「封筒だ……ん?私宛?」 淡「誰からだろー?」 ―淡自室― 淡「とりあえず中身を見てみよ……」 淡「……」ガサゴソ 淡「これは……DVD?!」 淡「それ以外は何も入ってないけど……なんだろこれ?」 淡(中身、見てみようかな?……うん、見てみよう!) 淡(なんか嫌な予感がするけど、ま、大丈夫だよね!) 淡「えっと、DVDプレーヤーどこにあったかな~?」 淡「ディスクをセットして……再生っ!」ピッ ザザザザ…… 淡「…………あれ?」 淡(この画面に映ってる人……) 京太郎『…………』 淡(京太郎、だよね?) 淡「で、京太郎の隣にいる人は……誰?」 ???『…………』 淡(背の高い男の人、黒い服着てる。あれは……執事服かな?) ???『こ↑こ↓です』 京太郎『はへ^~おっきな家』 ガンゴンベキン! ???『お入り下さい、どうぞ』 京太郎『お邪魔しまぁ^~す』 淡「……」 ???『私の家……屋上あるんですけど……焼いていきませんか?」 京太郎『あ^~いいっすねぇ~』 淡「…………」 ジョロロロロロロ…… サッー!(迫真) ???『お待たせしました。アイスティーしかなかったんですけどいいですか?』 淡「…………」 ???『あなたのことが好きだったんですよ!(迫真)』 京太郎『う、羽毛』 淡「…………」 胸にかけて下さい!胸に! ンアッー! 淡「…………」 ~~二人は幸せなキスをして終了~~ 淡「……………………」 淡「えっ、なにこれは(驚愕)」 ―翌日― 淡「あ、あのあと結局放心してて気がついたら真夜中だった……」 淡「そのまま寝ちゃって昨日のことはあんまり覚えていない……けど」 淡(あのDVDに映ってたのは……京太郎) 淡(そ、それれで、きょぎょぎょ京太郎が、おおお男の人とあんな……あんな……) 淡「……うっ!」 淡「そ、、そうだよね。あれは夢。夢、そう、夢なんだよ」 淡「私の京太郎があんなクッソ汚いDVDに出てるわけないじゃん、はは、ははははー」 淡(あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢あれは夢) 淡「………………」 淡「……う」 淡「うわああああああああああああんっ!!!!!!」ダッ 菫「…………ふぅ」 菫「今日もいい天気だ」 菫「こんな清々しい日はやはり格別だな、うむ」 菫「……だが」 菫「何故だろう。何か嫌な予感がする」 菫「嵐の前の静けさというかなんというか」 菫「…………」 菫「……ま、気のせいだろう」 菫「さーて今日も一日頑張って――――」 淡「菫ーーーーっ!!!!」 菫「…………」 淡「あのあのそのその、菫にね?ちょっと相談したいことが――――」 菫(…………) 菫(……まったく) 菫(嫌な予感、的中だ) 菫「……つまり、昨日何者かから届けられたDVDに、お前の意中の人の須賀君と正体不明の執事のクッソ濃厚なオスプレイ(意味深)が入っていた、と」 淡「」コクコクコクコク 菫「寝言は寝て言え」 淡「えっ!?」 淡「ちょ、ちょっとスミレー!そんな無下にしなくても!」 菫「だいいちその如何わしいビデオに出ていたのは本当に須賀君なのか?」 淡「うっ」 菫「お前の見間違いじゃないのか?」 菫「その須賀君とやらに似ている人が出ているブツを須賀君と仲の良いお前に送りつけて嫌がらせをする愉快犯の仕業じゃないのか?」 淡「そ、それは……」 菫「仮にも天下の白糸台高校麻雀部大将のお前が選んだ相手だ、そんなヤバげなものに出ているはずが――――」 淡「こ!」 菫「?」 淡「ここに、そのDVDが、あるんですけれども……」スッ 菫「……」 菫「……よし、見てみよう(提案)」 ――――DVD視聴―――― ファッ!? ムネニカケテクダサイ!ムネニ! アアーイイッスネェー カタクナッテルハッキリワカリマスネ アッアッアッアアアッアッアッア 菫・淡「…………」 菫「なんだこれは……たまげたなぁ」 淡「うううううう……やっぱり京太郎だ……」 菫「……淡、先刻私はそんな事ある訳がないと言っていたが、済まん。あれは嘘――――って聞いてないな」 淡「やっぱりこんなの嘘だよ……京太郎はもっとカッコ良くて優しくて、私を守ってくれてるんだもん。こんなの嘘だよ……嘘だよ……嘘だよ嘘だよ嘘だドンドコドーン……」ブツブツブツ 菫「……心中お察しする」 菫「……」 菫(……しかし、これは) 菫(本当にどうするべきか……) 菫「……」 菫(もう、こうなったら) 菫(あいつらも、巻き込んでみるか) 菫(私じゃ荷が重いし、な) 淡「うううううう……やっぱり京太郎だ……」 菫「……淡、先刻私はそんな事ある訳がないと言っていたが、済まん。あれは嘘――――って聞いてないな」 淡「やっぱりこんなの嘘だよ……京太郎はもっとカッコ良くて優しくて、私を守ってくれてるんだもん。こんなの嘘だよ……嘘だよ……嘘だよ嘘だよ嘘だドンドコドーン……」ブツブツブツ 菫「……心中お察しする」 菫「……」 菫(……しかし、これは) 菫(本当にどうするべきか……) 菫「……」 菫(もう、こうなったら) 菫(あいつらも、巻き込んでみるか) 菫(私じゃ荷が重いし、な) ――――放課後―――― 菫「と言うわけで第72回白糸台高校麻雀部一軍超極秘会議を開始する」 菫「今回の議題は――――」 『大星淡の彼氏、須賀京太郎の浮気疑惑について』 菫「――だ。経緯は昼休みのうちに話しておいたので言わなくていいだろう」 亦野「確か……大星の家に須賀といちゃつく女が映されていたDVDが送りつけられてきた……んですよね?」 淡「」ビクッ! 菫「ああ、そうだ」 菫(流石にSG君が謎の美青年執事とウホッしていましたなんて言えまい) 淡「」ブルブルブルブル 渋谷「こんなに震えて……可哀想」ヨシヨシ 淡「うう、たかみんー」エグエグ 照「……」 菫「どうした照?何か言いたそうだな」 照「そんなふしだらな奴なんて、振ってしまえばいい」 淡「!」 菫「!照!確かに言いたい事はわかるがもう少し言い方が――――」 淡「~~~ッ!!!」 照「……淡を泣かせるような奴だ。やっぱりろくでもない――――」 淡「っ、それでも!」 淡「それでも私は……京太郎のことが、好きなんだもん……」 照「…………そうか」 照「…………なら、いい」 「「「「「…………」」」」」 菫(……いかんな、気まずくなった) 菫(なにか、何か話題を探さなくては――――) 渋谷「……そういえば」 菫「!なんだ?渋谷?」 渋谷「そのDVDは、何処に?」 菫「…………えーっと、あー、それはだな……」 菫「DVDを見て発狂した淡が叩き割ったんだ」 淡「!」 菫(すまない淡!誤魔化さなくてはいけないんだ!) 菫(あんな淫夢君オッスオッスなゲテモノをこいつ等に見せたら何が起きるか……って淡!よくそんなものを私に――――って自分の好奇心の所為だな、ははは) 渋谷「……そう、ですか」 亦野「しかし浮気疑惑と言っても私達にはどうする事も――――」 照「そこで、だ」 亦野「?どうしました?」 淡「……テルー?」 照「私にいい考えがある」 菫「いい……考え?」 淡「そ、それは一体なんなのテルー!?」 菫(正直悪い予感しかしない) 照「今ここに、私が咲とのコンタクトを取るため五ヶ月半の月日を掛けて使い方をマスターした――――人類が生み出した文明の極み、携帯電話がある」 照「いや、大変だった。菫を頼って機種を選び、メール電話写メを覚え、最近ようやくまともに咲とメールできるようになった」 照「咲は携帯使えるみたいだからな、私も結構恥をかいたよ。まぁ青は藍より出でて藍より青しと言うしな、自然の摂理だ」 菫「意味違うぞ」 照「まぁ、要するに、だ」 照「これを使って須賀とコンタクトを取ろう(提案)」 淡「ええっ!?」 亦野「確かに、それが一番手っ取り早いですね」 渋谷「現場……把握……」 淡「で、でもそんな、心の準備が……」 照「じゃあいつやるんだ?」 淡「うっ、それは……」 照「今でしょ(迫真)」 淡「ぐぬぬ」 菫「淡、照の言う事ももっともだ。とりあえずまずは須賀君に連絡を取る事から始めよう」 淡「でも……」 菫「でももへちまもない。ほら、掛けるんだ」ズイッ 淡「ううー……」ピポパピポペ 淡「嘘だと言ってよ~京太郎~」プルルルルルルル(迫真) ――――ガチャッ(迫真) 『――――もしもし』 淡「あ!もしもし京太郎!?私!淡だよ!」 京太郎『――あ、、ああ……あわ、いか。どうしたんだ……ンッ……こんな時かアッんに?まだ学校だ……ろ?』 淡「え、えーっとね……」 淡(……ううーやっぱりあんなこと聞けないよぉ~っ) 淡(……あれ?) 淡「きょ、京太郎?」 京太郎『な、なンッ、だ?』 淡「呼吸が荒いみたいだけど……大丈夫?」 京太郎『あ、ああ、ンッ、これか……実はさっきまで……アッギョシサッ……結構激しい運動(意味深)しててな……疲れてる、んだ」 淡「そ、そうなんだ……」 京太郎『ああ、だからまた、後で――――ファッ!?』 淡「!?京太郎!?どうしたの!?」 京太郎『い、いいい、いや、なんでもない、きに ンアッ! するな』 京太郎『と、ととにかくまた後で電話するなっそれ、じゃ、あ……ヌッ』 ――――ブツン 淡「……切れちゃった」 菫「?どうかしたのか?」 淡「えっと、それがね、京太郎今疲れてるからまた後で掛け直して欲しいって」 照「ふむ」 菫「疲れてる……か。成る程、彼はミスター雑用ングだからな、しょうがないだろう」 菫「今掛けられないのは残念だがまた後ほど――――そうだな、部活が終わる時間帯あたりなら大丈夫だろう」 菫「だからそれまでなんらかの対策を考え――――」 渋谷「――――少し、待って欲しい」 淡「?どうしたの?たかみん?」 渋谷「何故、彼が疲れているのか――――私、気になります」 菫「?いやだからおそらく雑用による疲れだろうと――――」 渋谷「それは本当に?」 菫「……」 照「……淡、須賀は電話でなんと言っていた?」 淡「えっ?えーっと、その、『さっきまで激しい運動(意味深)してたからまた後で掛けてくれ』って」 菫「ふむ、普通だな」 亦野「確かに特におかしな所はありませんね」 照「うん、ないな」 淡「でしょ?まったくたかみんどうしたの――――」 渋谷「激しい運動(意味深)」ボソッ 「「「「……?」」」」 渋谷「――――――即ち」 渋谷「S(えす)」 渋谷「E(いー)」 渋谷「X(えっくす)」 菫「えすいー……?…………って何を言っているんだお前はっ!!!!!」ボンッ 照「…………」ポッ 菫「ほ、頬を染めるな照!そんなことあるはずがない!」 亦野「そ、そうですよ!」 渋谷「……薄い本では……日常茶飯事……」 淡「そ、そんなこと、あるはずが……ないもん」 照「……」 淡「京太郎は、私の、私の王子様なんだよ?そんなことあるはずが……ないもん。、ないよ……絶対、ないよっ!」 菫「淡……」 亦野「大星……」 淡「ううう、うううう、ううううう……」 照「……淡、安心して。そんなことあるはずがない。淡が信じる京太郎を信じて」 淡「うう、テルー……」 渋谷「……もしかしたら、現在進行形かも」 淡「う」 菫「渋谷ァ!お前少し黙ってろァ!」 淡「ふええええええええええええええええ!!!!!!!!!!」ビエー 菫「ああっ!淡!泣くな!」 照「よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」ナデナデナデナデ 菫「ほ、ほら!お前が送りつけてきた須賀君とのラブラブ()ツーショット()の写メだ!これ見て元気だせ!」 淡「う、ううう、ううううう、きっと京太郎は今頃、あの人とクッソ濃厚な……ふえ、、ふええええええ!!!」 渋谷「……軽いジョークだったのに」 菫「あんなヘビーなジョークがあってたまるか!」 淡「ふええええええええ!!!!」 亦野「大星落ち着いて!自分を見失うな!」 菫「ああもうどうすれば……くそっ、私の頭痛が再発するぞ、このままじゃ」 照「菫、ここは私に任せて」 菫「えっ?」 照「私にいい考えがある」ドヤッ 菫「えっ、ちょ」 淡「うえええええええん!!」 照「淡」 淡「うえええええ……え?」 照「これを見て」 淡「……」 照「つい先日撮った咲の写真だ」ドヤヤッ 淡「……」 照「この天使のような咲を見ればきっとお前の荒んだ心も浄化されて――――」 淡「ピンボケしてるじゃないですかー!やだー!」 照「えっ?……あっ、間違えた、本当はこっち」スッ 菫「……照、まさかお前写真の削除の仕方がわからないんじゃないだろうな?」 照「ち、違う、そんなはずはない。ただ咲の写真を一枚たりとも消したくないだけ」 菫「……本当か?」 照「…………ごめん、嘘。本当はわかんないから後で教えて、菫」ボソボソボソッ 菫「……やっぱりか」ボソボソボソッ 照「……うん、いざという時に容量いっぱいになったら困るし」ボソボソボソッ 菫「お前本当は全然使いこなせてないだろ」ボソボソボソッ 照「……失礼な、これでも最初の頃に比べれば成長した」フンスボソボソッ 菫「……はぁ、まったくお前と言う奴は」ボソボソボソッ 照「……ごめん」ボソボソボソッ 菫「……まぁ、それが『お前らしい』んだがな」ボソボソボソッ 照「!菫……!」ボソボソボソッ! 菫「っ、そんな目で私を見るな!その……照れるだろっ」ボソボソボソッ!! 照「菫……」 菫「…………」 菫「照……」 照「菫……」 菫「照……」 照「菫……!」 菫「照……!」 淡「ふえええええええ!!!二人が私そっちのけにして固有結界張ってるよおおおおっ!!!!」ビエー 照・菫「!!」ビクッ! 亦野「いやーそれにしてもこの部屋暑いですねー」 渋谷「……冷たいお茶……飲む?」 亦野「お言葉に甘えて、頂きます」 淡「ふえ、ふええ、ふえええええん!!!!」 菫「オ、オホン!……本当にどうしようか、この子」 照「まったくもってわからない」 照「けど、こう言う時はいっそのこと激流に身を任せた方がいいって千里山のトキィさんが言ってた」 菫「いつの間にそんな友人を……」 照「私のコミュニケーション能力は伊達じゃない」 菫「……一年生の頃坂道の前で立ち尽くしていたお前が懐かしいよ」 照「あんぱんっ」 菫「えっ?」 照「……なんでもない、気にしないで」 渋谷「……お待たせ、アイスティーしかなかったけどいい……?」 亦野「ん、大丈夫。はっきりわかんだね」 淡「ふえ、ふええ、ふえええええん!!!!」 菫「オ、オホン!……本当にどうしようか、この子」 照「まったくもってわからない」 照「けど、こう言う時はいっそのこと激流に身を任せた方がいいって千里山のトキィさんが言ってた」 菫「いつの間にそんな友人を……」 照「私のコミュニケーション能力は伊達じゃない」ドヤッ 菫「……一年生の頃坂道の前で立ち尽くしていたお前が懐かしいよ」ハァ 照「あんぱんっ」 菫「えっ?」 照「……なんでもない、気にしないで」 渋谷「……お待たせ、アイスティーしかなかったけどいい……?」 亦野「ん、大丈夫。はっきりわかんだね」 菫「まあ昔話は置いといて、今は目の前のこいつをなんとかしよう、見据えるは未来。坂の上の雲さ」 照「そうわよ(便乗)」 淡「うううう……」 菫(淡は元気と麻雀の強さだけが取り柄だからな……いっつも笑っててこんなことになったことはなかったな) 菫(ああ、そういえばいつも部屋の固い空気を淡はほぐしてくれたっけか……) 菫(……なんだかんだ言っても、淡は私達の仲間……いや、友なんだな) 菫(……それにしてもどうするか) 菫(何か一発で彼女をウルトラハッピーにする方法を考えなければ) 亦野「いやー今日は天気がイイですね……ポカポカしてあったかいです」 渋谷「そうだね」 亦野「自分、寝ていいすか」 渋谷「構わない」 亦野「じゃ、おやす……み……」 亦野「……zZZ」 渋谷「………………」 渋谷「…………堕ちた(確信)」 菫(何かないか……なにか……) 菫(……………………ん?) 菫(この……音は……一体?) ~♪~♪~♪ 淡「!!!!」 淡「っこの音は!」バッ! 菫「うおっ!?」 淡「この!音はッ!」ゴソガサゴソガサ…… バッ! 淡「京太郎専用の!携帯着信音!」 菫「!!須賀君か!?」 照「……!」 渋谷「逢瀬は終わったのか……(絶望)」 ピッ!(迫真) 淡「もしもし京太郎!?」 京太郎『あーもしもし淡か?さ、っきはごめンッな』 淡「ううん、大丈夫!京太郎の方こそ体はもう良くなったの?」 京太郎『あ、、、あああ、ああ、少し休んだらもうンッよくなっンァッたよ』 淡「ホント?よかったー!」パアッ 淡「……ん?」 京太郎『?どうし、た?淡、ッ?』 淡「なんか変な音聞こえない?ヴヴヴヴヴーって」 京太郎『!さ、さあな、どっかで、、携帯でも、鳴ってるンッじゃないか?』ブブブブブ 淡「?……ま、いっか」 京太郎『と、とところでさァッ』ブブブブブ 淡「ん?なに?」キョトン 京太郎『こんどの土曜ンッ、買い物……イクッ……じゃん?』ブブブブブ 淡「!うん!そうだね!私すっごく楽しみにしてるよっ!」 京太郎『で、その時、さっ……他にンアッ、人呼んでもいい、かなっ?』ブブブブブ 淡「人?」 京太郎『あ、ああ』ブブブブブ 京太郎『ハギヨシさンアッーて言うンッだけど』ブブブブブ . そして、土曜日 淡「うう、結局あのあとは何も京太郎に聞けなかったよぅ……」 淡「今日は実際に会うわけだし、ちゃんとお話しなくちゃ!」グッ 淡「…………」 淡「服……大丈夫かな?」ショーウインドーチラッ 淡「精一杯可愛いフリフリの服着てきたけど……京太郎は可愛いって言ってくれるかな?」チラチラッ 淡「た、確かに私は京太郎の好きなおもちがあんまりおっきくないけれどっ」ショボン 淡「京太郎への愛は誰にも負けないほどおっきいんだから!」フンス 淡(それに、テルーに比べればまだマシだよね) 淡(…………)ポワポワポワーン 京太郎『その服、似合ってるぜ、淡』 京太郎『すごくキュートだ』イケメンスマイル 淡「……えへへへへ」ニマニマ 照「ぶえっくしょい!」 菫「なんだ、風邪か?」 渋谷「……馬鹿は風邪引かない」ボソッ 照「きっと咲が私のことを噂しているんだろう、いやー参っちゃうなー困っちゃうなー……それと渋谷、さりげなくひどい事をいうな」 渋谷「御無礼」 菫(やっぱり馬鹿だろこいつ) 菫「……ところで亦野は?姿が見えないようだが」 渋谷「彼女は置いてきた。修行(意味深)はしたがはっきり言ってこの戦いにはついてこれそうもない」 菫「あ、そう」 菫(亦野……無茶しやがって……) 照「……」 菫「……ところで、だ」 照「なに?」 菫「私達全員こんな服装で大丈夫なのか?」 ブラックコート+つば広帽子+サングラス 渋谷「大丈夫だ、問題ない」 照「問題ナッシングー」グー 菫(……どうやら人選に問題があったようだ) 菫(昨日いきなり照がオペレーション・スニーキングミッションだとか訳のわからんと言うか意味の被っとるたわごとを言い出したと思えばトントン拍子でご覧の有様だ) 菫(……まぁ私も今日淡達をBIKOUしようとしてたのは内緒だが) 照「!!……スミさん!ホシが来た!」 菫「誰がスミさんだ……ってん?」 渋谷「他にもう一人いる……」 菫「…………ん……おい…………待て」 「「?」」 菫(あの、執事服の男、まさか、まさか――――!!!!) 「お~い!淡ー!待たせたなー!」 淡「あ!京太郎ーっ!」パアッ 京太郎「ちょっと待たせたか?」 淡「ううん、今来たところ!」 淡(ホントは30分前から身だしなみチェックしてたよ!でもこの台詞言いたかったんだよね~) 京太郎「ははっ、ドラマみてーな台詞だな……でも、ま、あんまり待たせてなくてよかったよ」 京太郎「あ、それと紹介するよ、こちらの人が電話で話してた――――」 「初めまして、ハギヨシと申します」 . 淡(…………あれ?) 淡(この人、何処かで見たことある様な――――――ッッッッ!!!!!) コ↑コ↓ オハイリクダサイ、ドウゾ ワタシノイエ……オクジョウアルンデスケド……ヤイテイキマセンカ? マァ、タショウハ コノヘンガセクシーデスネ……エロイデス! オマタセシマシタ、アイスティーシカアリマセンデシタケドヨカッタデスカ? アバレナイデ、アバレナイデクダサイ アナタノコトガスキダッタンデスヨ! イイデス!キテクダサイ!ムネニカケテクダサイ!ムネニ! イキスギイイイイイイッ ンアッー! 淡「あ……あ……あ……あ……っ!」ガタガタガタガタ 京太郎「……?淡?どうした?顔色悪いぞ?」 淡「みゅっ?!ななななんでもないよ!なんでも!」 京太郎「そっか……ホントに調子悪い時は言えよ?」 淡「う、うん……ところでさ、そっちの人は――――」 ハギヨシ「…………」ジィィ 淡「……?」 ハギヨシ「……」ニコッ 淡「!!!!!」ゾワワワワッ! 京太郎「ん、ああ。ハギヨシさんはな、俺の師匠(意味深)なんだ」 京太郎「俺ってあんまり服の事わからないからさ、ハギヨシさんに助言頼んだんだけど、丁度ハギヨシさんも入り用なものがあるって言うからこうして一緒に――――って淡?」 「お~い!淡ー!待たせたなー!」 淡「あ!京太郎ーっ!」パアッ 京太郎「ちょっと待たせたか?」 淡「ううん、今来たところ!」 淡(ホントは30分前から身だしなみチェックしてたよ!でもこの台詞言いたかったんだよね~) 京太郎「ははっ、ドラマみてーな台詞だな……でも、ま、あんまり待たせてなくてよかったよ」 京太郎「あ、それと紹介するよ、こちらの人が電話で話してた――――」 「――――――ハギヨシ、と呼ばれています」ニコッ . 淡「!ん、うん!何かな京太郎!?」 京太郎「……ホントにお前大丈夫か?」 淡「う、うん!私はいつでもウルトラハッピーな高校100年生だよっ!」 京太郎「そ、そうか」 淡「ほらっ!みんな揃ったことだし早くいこ?今日はいろんなところ回るんだから!」 京太郎「ははっ、お手柔らかにな」 京太郎「ハギヨシさんも、ほら、行きましょう」 ハギヨシ「――――――ええ」クスッ 淡「!!」ゾワワワワッ!! 淡(ううーやっぱりあの人嫌な感じするよぅー……) 淡(やっぱりあのDVDの人なのかな?……だとしたらすっごいよー……) 淡(と、とにかくっ、今日が正念場!頑張らなきゃ!) 淡(えい、えい、おーっ!) ハギヨシ「…………」クスッ 照「……動いた!」 渋谷「尾行……開始……」 菫「…………」 照「菫?どうしたの?」 菫「い、嫌なんでもない。気にするな」 菫「それよりも慌てんな……慌てんなよ……彼らに尾行がばれたら話にならない」 照「そ、それもそうだな、うん。落ち着こう」 菫(あの執事服の男……正体が気になるが、今は様子を見よう) ――服屋―― 淡「とうちゃーくっ☆」 京太郎「はえ^~けっこうおっきいんだな」 ハギヨシ「ええ、この辺りでは1番品揃えが良いみたいですね」 淡「よーしっじゃあ早速私のファッションショーを開催するよっ!」 京太郎「お、おう」 淡「京太郎が服を選んで、私がそれを着るのっ!」 淡「ふふっ、たーっぷりと私を京太郎色に染め上げてね?」 京太郎「今日もまた服選びか……壊れるなぁ……」 淡「!!……京太郎は、嫌?」 京太郎「あ、いや、そう言う訳じゃないんだ」 京太郎「ただ、俺なんかが選んだ服を着て本当に淡はいいのかな、ってさ」 淡「京太郎が選んでくれた服だからいいんだよっ!」 京太郎「そ、そうか。ならいいんだが……」 ハギヨシ「ふふっ、ならちゃーんと選んであげないといけませんね」 京太郎「え、ええ。そうですね、ハギヨシさん」 ハギヨシ「微力ながら私も力添えをさせて頂きますよ」 京太郎「それは……あはは、ちょっとアドバイスお願いしますね」 ハギヨシ「ええ、おまかせあれ!ですよ」 菫「淡の奴、結構はしゃいでるな……楽しそうだ」 照「愛しの彼氏とのデート!はしゃがずにはいられないッ!」 渋谷「……けれどあの隣の男……不気味……」 照「ああ、確かにそうだ……あの男、一体何者?」 菫「だから二人とも、あの執事の男に注意してくれ……何か嫌な予感がする」 渋谷「了解」 照「把握した」 菫(例のDVDに写っていた……と言うことは京太郎とそう言う関係なのか?) 菫(……なんにせよ、注意せねば) 京太郎「淡ーっ!着替え終わったかー?」 淡「ん、もう少し待って……っと、よしっ♪」 シャーッ!(迫真) 淡「じゃじゃーん!お待たせしましたっ!」キラッ 京太郎「おお……!」 ハギヨシ「……」 淡「えへへ……どう……かな?」モジモジ 京太郎「すっげー!似合ってるぜ!淡!」イケメンスマイル 淡「!!ホント!?ホントにホント!?」ガバッ 京太郎「あ、ああ、似合ってるから!か、顔が近い!あと、その、だな、 胸が……」 淡「え?……きゃぁっ!?」 淡(う、ちょっと露出多い服選んだからおっぱいが京太郎に見えてたんだ……) 淡(うう~……恥ずかしいよー……)カァッ 淡(で、でもっ、京太郎がこの服を選んでくれたってことは…私をもっと見たいってことだよね?) 淡(だ、だとしたら……えっへへ……嬉しいなぁ~)テレテレ 淡(私も京太郎が見た言って言ってくれたらいくらでも見せてあげるのに……) 淡(……そーいえば、私ってまだ京太郎とキスもしてなかったっけ) 淡(京太郎って奥手さんなのかな?やっぱり私がもーっとアピールしないといけないのかな?) 淡(……それに、うかうかしてたら京太郎が他の誰かに取られちゃうかも――――っ!!!)ゾクッ! 京太郎「あ、淡?どうかしたか?」 淡「え!?……あ、あはははは、なんでもないよ!それより早く!次の服次の服!」 京太郎「?……ほい、次はこっちな」スッ 淡「ん、りょーかいっ。じゃあちょっとだけ待っててね!」 シャーッ!(迫真) 京太郎(淡の奴、やっぱり今日様子が可笑しいな……なんかあったのか?) ハギヨシ「……」ニコニコニコ シャーッ!(迫真) 照「ん、淡の着替えが終わったみたい」 菫「どれどれ……うっわすっごいヒラヒラした服着てるな、アイツ」 渋谷「でも……似合ってる……」 菫「ああ、ホント……悔しいぐらいに似合ってるな」 照「アレならどんな男でもイチコロ」 菫「…………」ジーッ 照「……?」 照「菫?どうかしたか?」 菫「えっ?あ、ああ、いや、なんでもない、気にするな」 渋谷「……ひょっとして」 菫「?」 渋谷「……羨ましい、とか?」 菫「っ!!!」 照「羨ま?…………あー、成る程」 渋谷「彼女がヒラヒラした可愛い服を着てるのが」 菫「」 渋谷「で、自分もあんな服が着たい……と、考えいる……とか?」 菫「」プルプルプルプル 照「菫……」 菫「そそそそんな訳あるかそんな訳あるかっ!」 菫「わ、私にあーんな可愛い服が似合う訳がないのもお前らわかってるだろ!」 照「でも着たいんでしょ?」 菫「っ!」 渋谷「着たいんだろ?(迫真)」 菫「……」 照「……」 渋谷「……」 菫「……」 菫「~~~っ!!!!!!」 菫「あああああ!着たいさ!着たいとも!」 菫「いくら似合わないってわかっててもな!着たいものは着たいんだよ!!」 菫「しょうがないだろう!?だって女の子なんだもん!」 照「…………」 渋谷「…………」 菫「み、見るな!そんな優しい目で私を見るなぁっ!」 照「……よし、もうはしゃぐのはやめよう。奴らに見つかったら大変だからな」 渋谷「同意……」 菫(こ、こいつら……!) 照「あ、また淡が服抱えて試着室の中に入ったぞ」 渋谷「彼女……結構なんでも服似合うから……羨ましい……」 菫「……」 照「あ、ところで」 菫「?」 照「菫って日曜早起きしてる?」 菫「な、なんだ藪から棒に。日曜は……6時ごろに起きてるが、それがどうかしたか?」 渋谷「そう(無関心)」 照「やっぱりな(確信)」 菫「はあ?何がやっぱりなんだ?」 渋谷「スマイルチャージ!ゴーゴーレッツゴー!」 照「ウルトラハッピー!」 菫「?お前ら一体何を言って……っっ!!!!」 菫「い、言って、いるん、だ?」 照「動揺……したな?」 渋谷「それが……何よりの証拠!」 菫「ぐっ!」 照「菫!」 渋谷「貴様!」 照・渋谷「「(プリキュアを)見ているなッ!」」 菫「ぐううううっ!!!」 照(決まった……) 渋谷(堕ちたね(確信)) 菫「…………」 菫「……ああ、そうさ」 菫「見ているさ……見ているとも」 菫「毎週毎週欠かさず録画し!毎週日曜朝八時半はテレビの前で体育座りだ!」 菫「私は毎週プリキュアを見ているんだよ!」 菫「それになにかおかしな事があるか!?女の子がプリキュアを毎週楽しみに見ておかしな事があるか!?いや!ない!(反語)」 照・渋谷「…………」 菫「だからそんな優しい目で私を見るなァーーーーz______ッ!!!!」 照「……菫」 菫「な、なんだ!」 照「安心して……私はそんな事で菫を馬鹿にしたりしないよ」 菫「……」 照「私も菫も、花も恥らう乙女なんだもん。プリキュアに憧れたって何もおかしくないっ」 菫「照……」 照「だから、涙を拭いて」スッ 菫「えっ?……あ」ツゥ 渋谷「イイハナシダナー」 渋谷(……でも) 渋谷「菫さんが魔法少女……か」 照・菫「」ビクッ 照・渋谷・菫「……」 ポワポワポワーン チャーチャララーチャララチャーン♪(キャピキャピしたBGM) 菫『へんっ!しーんっ☆』 パアッ♪ フィーンパシャッ♪(服が出てくる音) キュピーンシュワッ♪(同上) 菫『てんほーれんほーちーーっほーーーーっ☆』(よくわからない呪文) 菫『魔法少女☆まじかるすみれ☆』 菫『キミのハートをーーーーブチ抜くぞっ♪』デデドン! 照・渋谷「「だぁーーーーっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!」」ワハハハハハ 菫「……」 照「こ、、こいつは傑作だ!」ゲラゲラ 渋谷「お、お腹痛い……」プルプル 菫「……」 照「魔法少女☆まじかるすみれ☆」キリッ 渋谷「だっておwwwwーーーーは?」 ズドドンッ!!!!! シュゥゥゥゥ…… 菫「何か言ったか?」 照「いえ、何も言ってません、マム」 渋谷「どっから出したそのアーチェリー」 菫「まったくお前らと言う奴は本当に……それと渋谷」 渋谷(?) 菫「魔法少女にーーーー秘密はつきものだ」 照「えっ」 菫「クラスのみんなには内緒だぞ☆」 渋谷(とうとう開き直ったか……) 菫「……ん?」 シャーッ!(迫真) 菫(淡が出てきた、か) 京太郎「ああ^~今日は結構買ったな~」 淡(えへへ……今日は京太郎と久々に会えたからちょっと奮発しちゃった……) 淡「この服!今度会う時絶対着てくるね!」 京太郎「はははっ、喜んでくれたんなら何よりだな!……さって、と、次はどこ行く?」 淡「次?次は……えーっと」 京太郎「あ、ハギヨシさんは何処か行きたいところないすか?」 ハギヨシ「私はあとで構いませんよ」ニコッ 淡(次かぁ……次はどこ行こう?) 淡(服屋さんの次だからやっぱり……) 淡(ラ、ランジェリーショップ?)カアアッ 淡(う、うんっ。きょーたろーに可愛いブラとか選んでもらって、えっと、その……えっち、の時に見てもらうんだ) 淡(それでそれで、京太郎に『可愛い下着だな……でも、お前の方がもっと可愛いよ』っていってもらったりして) 淡(そしてきょーたろーはゆっくりと私の下着を脱がしていって……私の恥ずかしいところをぜーんぶみてもらうんだ……えへへ、京太郎にならいいんだよ?」 淡(それから私達は幸せなちゅーをしながら一つになって、痛がる私を京太郎は優しく抱きしめて) 淡(いーっぱい汗かかきながら二人で幸せになって……それで私の中に、京太郎の…………きゃ~~~っ!!!!!) 京太郎「淡?淡ー?おーい、意識あるかー?」 淡「えっ!?あ、な、なにかな!?」 京太郎「いやだから、どっか行きたいところないかって」 淡「え、えーっと……あ、そうだ!(提案)」 京太郎「?」 淡「次は京太郎の服を買いに行こう!」 京太郎「へ?俺の服?」 淡「そ!それも私が選んだ奴をね!」 京太郎「……あー」 ハギヨシ「あなたに選んでもらったので次は私の番、と言う事ですね?」 淡「そう言う事です!」 淡(ホントはあっちに行きたかったけど、ハギヨシさんもいるし、また今度でイイよね……) 淡(うん、今度だっ!今度は絶対京太郎に可愛い京太郎好みの奴を選んでもらおう!) 淡(それでそれで、帰りにそのまま京太郎のお家に行って……うんっ!すばら!) 京太郎「……うん、俺も淡に選んでもらおうかな」 京太郎「それじゃあ善は急げだ!行こうぜ!」 淡「うんっ!」 渋谷「動いた……」 照「次は何処へ行くんだろうな?」 菫(しかし淡の奴、あんなに体をくねらせて、何をやっているんだ?) 菫(……大方いかがわしい事でも考えてるんだろうな、うん) ――――服屋②―――― 淡「着いたーっ!」 京太郎「はへ^~ここもさっきの店みたいにおっきいな~」 ハギヨシ「どうやら先程の店の姉妹店の様ですね」 淡「よっし!それじゃー私プロデュース京太郎大改造作戦!はっじまっるよー!」 京太郎「お、お手柔らかになー」 淡(……とは言ったものの) 淡(どんな服選ぼー?京太郎、カッコいいからなーんでも似合うんだよね) 淡(きっとスーツとかカッチリしたのも似合うんだろうなぁ~) 淡(…………) 淡(……スーツの京太郎、かぁ) ポワポワポワーン 京太郎『ただいま、帰ったよ』 淡『おかえりなさい♪あ・な・た♪』 京太郎『ああ、ただいま』 淡『ん……』 チュッ 京太郎『今日も仕事疲れた……ん、良い匂いだ。今日はカレーか?』 淡『いつもお仕事ご苦労様っ☆それとあったり♪今日は京太郎の好物のカレーだよっ……えへへ今日は京太郎だって、語呂いいね!…………あっ、そだ♪』 京太郎『ん?』 淡『ご飯にする?お風呂にする?それとも……わ・た・し?』 京太郎『…………』 淡『……』ジィーッ 京太郎『淡……かな?』スッ もみゅん♪ 淡『やんっ♪京太郎のえっち♪』 京太郎『お前が可愛すぎるのがいけないんだよ……』モミモミ 淡『ん……あ……はぁんっ……っ、で……でもっ』 京太郎『?』 淡『お腹に赤ちゃんいるから……やさしく……ね?』 京太郎『……ああ』スッ 淡『京太郎……んっ』 淡『ちゅ……ん……ちゅっぷ…ん……ちゅ……ぷはぁ』 京太郎『愛してるよ……淡……』 淡(でへ、でへへ、でへへへへへ)ヨダレタラー 淡「……はっ!」 淡(い、いけないいけない!つい妄想の世界に……) 淡「……」 淡(……この妄想が、現実世界にリアルブートしたらウルトラハッピーなんだけどなぁ) 淡「ハァ……」 淡(って!そんな弱気じゃダメだ!私!) 淡(京太郎と私は幸せなチューをして結婚するんだ!絶対!) 淡「……って、あれ?」 淡「……」 ポツーーーン 淡「……きょーたろー?どこいったのー?」 淡(私を置いて服でも見てるのかな……?) 淡(だとしたらどこにいるんだろう?)キョロキョロ 淡(…………) 淡(……ん?) 淡(あの試着室にある靴……あれは……京太郎の靴?!) 淡「……」 淡(はっぷっぷー。きょーたろーめ、一人でさっさと選んで試着しているな?) 淡「……そんなに欲しい服でもあったのかな?」 淡「まったくもう……」 トテトテトテ 淡「京太郎ー?そこにいるのー?」 ガタタタッ! 京太郎「んアッ、淡か?そ、そこにいるの、か?」 淡「う、うん。いるよー?」 京太郎「そ、そう ンッ か」 淡「もうっ!京太郎!私が服選ぶって言ったじゃん」プンプン 京太郎「そ、そうだっ、ック、たな。ごめンッ」 淡「?……京太郎?どうしたの?なんか変だよ?」 京太郎「え?あ、いや、なんでもない ァッ んだ。気にしないでくれ」 淡「あ、もしかして服着替えるのに手間取ってるの?だったら私が手伝おっか?」 京太郎「!!!」 シャッ!(迫真) 京太郎「い、いいや、いい、よ……ンッ、だ、大丈夫だから」(顔だけ出てる) 淡「そう?……なら、わかった」 淡「何か困ったことがあったら言ってね」 京太郎「ああ、わか――――~ッッッッ!!!!」 淡「?」 京太郎「……っ!……っ!……っ!」プルプルプル 淡「京太郎?どうかし――――ん?」 淡(あ……れ……?) ……ンッ……ンッ 淡(……なに?……この……音) ……パンッ……パンッ 淡(まさか……) パンッ!パンッ!パンッ!パンッ! 淡「ラップ音?!」 京太郎「ど、どうした……?淡?」 淡「ふえっ!?……え、えっと!その!」 淡(……あれ?) シ……ンッ 淡(音、止まった?) 淡「な、なんでもない……です」 京太郎「……っ!……ァッ……っ!……ギヨシサッ……ハヨ……サッ……!」グリグリグリグリグリ 京太郎「……っ!!!……っく、そ、そうか。ならンッ、いいんだ」 淡「……」 淡「京太郎の方こそ大丈夫?顔色変だよ?」 京太郎「あ、あ……大丈夫だから……心配……ンッ……するな……っ」 淡「で、でも」 京太郎「あ、そうだ(唐突)……俺の服、選んでッ、来てくれなンアッーい……か?」 淡「え?……あ、うん!おまかせあれ!だよ!」 京太郎「は、は……じゃあ……頼むヒギッ……わ……」 シャッ(迫真) 淡「……」 淡「……よしっ!ミッションスタートだよっ!」 淡(でも本当に京太郎、大丈夫かな?) 淡(なんかあの試着室ガタガタしてる気がするけど……気のせいだよね?) 淡(……) 淡「……んっ!」 淡「それじゃー私の本気チョイス!見せてあげますか!」フンス 淡「……あっ」 淡(そう言えば執事の人……ハギヨシさん、どこにいるんだろう?) 淡(むむむ…………む?) 淡(執事……執事かぁ……) ポワポワポワーン 京太郎『お帰りなさいませ、お嬢様』チャッ 淡『ん、京太郎ただいまっ!』 淡『で、早速だけど京太郎!今日は麻雀部で疲れたから!私の肩揉んで!』 京太郎の『肩……ですか?ええ、承知いたしました』スッ 淡『ぴゃへ^~すっごくきもてぃ~』モミモミモミモミ 京太郎『それはよかった』ニコッ 淡『肩が終わったら次は身体全身お願いね!』 淡『きちんと組まなく隅々まで!』 京太郎『ええ、承知いたしまし――――ってお嬢様!それはなりません!お戯れが過ぎます!』 淡『ええーケチー』プクー 京太郎『ケチじゃありません!』 淡『京太郎は私の執事なんだよ?ご主人様の命令は絶対なんだから』 京太郎『し、しかしですね……』 淡『ぜ・っ・た・い・な・ん・だ・か・ら』 京太郎『……承知いたしました』 淡『ん♪それでよしっ♪』 京太郎『ハァ……』 淡『……』 淡『そ』 京太郎『?』 淡『そ、それと……もう一つ……命令』 京太郎『?何でしょうか?お嬢様』 淡『き、京太郎!』 京太郎『は、はいっ!』 淡『……』ドキドキドキドキ 京太郎『……?』 京太郎『あ、あの、お嬢様――――』 淡『わ、私の!ものになれっ!』バンッ 京太郎『……へ?』ポカーン 淡『……』カァァァッ 京太郎『……』 京太郎『……お嬢様』 淡『』ビクッ 京太郎『……私が旦那様に仕えると決めたその日から、この身体の全てはお嬢様、あなたのモノなんです』 京太郎『私はこの家に仕える執事、しがないバトラーでございます。この家に忠誠を誓った、しがない番犬でございます』 京太郎『"そう言うこと"なのです、お嬢様』 淡『京太郎……』 京太郎『……そう、私が旦那様――ハギヨシ様にこの身を捧げると決めたその日から――――』 淡「って違う違う違う!!!!!」バッ! 淡「な、なんでハギヨシさんが出てくるのかな!?」 淡「お、落ち着け私……クールになれ……クールクール……」 淡「……ふぅ」 淡「……」 淡「て、ていくつー!」 ポワポワポワーン 淡『京太郎……』 京太郎『この身朽ち果てるまで……いえ、朽ち果てて涅槃に渡ったその後も――――私の肉体、魂は、お嬢様のモノです』 淡『……』じ~ん 京太郎『……』ニコッ 淡『……』 淡『……って違う違う!!!そうじゃない!そうじゃないよ!』 京太郎『……は?』 淡『え、えーと、その……あ!そ、そーだ!』 淡『きょ、京太郎!』 京太郎『は、はいっ!』ビシッ 淡『わ、私を――――京太郎のモノにしろっ!!!』 京太郎『はっ!承知いたしまし――――――――は?』 淡『……』 京太郎『……』 京太郎『……え、と……お嬢様?』 淡『っ!』 京太郎『それは一体、どういう意味で……』 淡『そ』 京太郎『……』 淡『そ、それは…………こう言う意味だよっ!』ガバッ! 京太郎『え?…………んむっ!』 淡『ん……ちゅ……ぷ……くちゅ……ちゅ……ぷはぁ』 京太郎『……っぷはぁ――――――――――――――――え?』 淡『わかって……くれたかな?』 京太郎『あ、あの、お嬢様?い、今一体何を……? 淡『もういっかいしないと……だめ?』 京太郎『っ!し、しなくていいです!』 淡『そう……残念』 京太郎『……』 淡『……』 京太郎『……あ、あの』 淡『ねぇ、京太郎』 京太郎『っ!は、はいっ!なんでございましょうか?お嬢様』 淡『私、京太郎のことが好き、大好き』 京太郎『――――ッ!!!』 京太郎『そ、れは……』 淡『やっぱり、駄目……かな?』 淡『"お嬢様""の私が、執事の"京太郎"を好きになるなんて、駄目なことなのかな?』 淡『お嬢様の命令でも、駄目なモノは駄目なのかな……?』 淡『ねぇ……京太郎……』 京太郎『っ!お嬢様!』がばっ! 淡『……あっ』 京太郎『一時の御無礼、お許しください』 淡『(ふわぁ……きょーたろーの胸の中……あったかい……)』 淡・京太郎『……』 京太郎『』スッ 淡『……あ』 淡『(もう少し抱きしめたかったのに……残念)』 京太郎『……わ』 淡『……え?』 京太郎『……私も、お嬢様のことを――――』 淡「なーんちて!なーんちて!」 淡「…………ふぅ」 淡(イカんな、最近妄想多すぎるよ、、私) 淡「……」 淡(……どれもこれも、きょーたろーがカッコよすぎるからいけないんだよ?) 淡「……」 淡「……さてっ!京太郎の服を選びますかっ!」 淡(えへへ、気に入ってくれたらいいなぁ~~) カアーカアーカアー(迫真) 淡(カラスが鳴いてる……夕日、綺麗だなぁ……) 京太郎「ぬわああああん疲れたもおおおおん!」 ハギヨシ「今日はいっぱい歩きましたからねしょうがないですね」 京太郎「じゃあ淡、俺ハギヨシさんをそこまで送ってくるからここで待っててくれよ?」 淡「ん、わかったー」 京太郎「じゃあハギヨシさん、行きましょうか」 ハギヨシ「ええ」 淡(今日はいろんなモノ買ったな~。えへへ、楽しかったな~) 淡(今度はどこに行こう?何をして遊ぼう) 淡(えへへ、考えるだけでウルトラハッピーになっちゃうよ…………ん?) ブブブブブブブ 淡「メールだ……誰からかな?」パカッ 淡「……」 ○ 京太郎「おーう、待たせたなー淡。それじゃあ俺もそろそろ帰――――」 淡「ねぇ、京太郎」 京太郎「ん?」 淡「この後なにか……用事ある?」 京太郎「用事?……特にないけど」 淡「そ。……じゃあちょっと付き合ってくれない?」 京太郎「え?ああ、別にイイけど」 淡「……ふふっ、ありがとっ」 ○ 京太郎「……」テクテクテク 淡「……」テクテクテク 京太郎「……」テクテクテク 淡「……」テクテクテク 京太郎「な、なあ淡?今俺達は何処へ行って―――― 」 淡「ねぇ、京太郎」 京太郎「は、はいっ!」 淡「――――ここ、入ろっか?」 京太郎「……え?」 京太郎(…………) 京太郎(……ラ) 京太郎(ラブホ君オッスオッス!!) 淡「……」 京太郎「え?いや、ちょ、ちょっと待って、えっ?なにそれは」 淡「……」クスッ 菫『……ふぅ、なんとか服屋(紳士服)に着いたな』 渋谷『危うく見失うところだった……』 照『危なかった……』 菫『元はと言えば迷子になりかけたお前が悪いんだぞ、照』 照『反省している。てへぺろ』 菫『してないだろ……』 渋谷『……須賀京太郎と執事男の姿が見えない』 菫『ん?……あ、本当だな』 照『でも淡は見えるぞ』 菫『アホ面かまして惚け立ってるな』 渋谷『所謂ヘブン状態……』 菫『奴の周りを小さな星が浮かんでは消えている……成る程、確かにヘブン状態だな、あれは』 菫『自分の世界に完全に浸っている……』 照『……星……☆……ヒトデ?』 菫『は?』 照『な、なんでもない、気にしないで』 菫『?……あ、戻った』 渋谷『妄想からの脱出……成功』 照『……あたりを見回してるな』 菫『大方ヘブン状態の時に須賀達が何処かに行ったから、それに慌ててるんだろう』 渋谷『見ていて……滑稽……』 菫『……ん?』 菫『……ああ、成る程、須賀は試着室か』 渋谷『……』 照『……あ、試着室から離れて行った』 照『どうする?淡の方を尾行する?』 菫『いや、このまま試着室を見張っておこう』 渋谷『了解……』 菫・照・渋谷『『『…………』』』 照『なぁ……あの試着室少し揺れてないか?』 菫『気のせいだろ』 渋谷・照・菫『『『…………』』』 照『……なぁ、やっぱり揺れて』 渋谷『気のせい……』 照・渋谷・菫『『『…………』』』 照『……あ、須賀出てきた』 菫『ん、本当だな』 渋谷『尾行、リスター…………ト?』 菫・渋谷・照『『『……え?』』』 照『な、なあ菫。なんで須賀と一緒に執事男が試着室から出て来たんだ?』 菫『し、しらん!私に聞くな!』 渋谷『あっ……(察し)』 菫『(ま、まさかあの中でおっ始めていたのか?……い、いや!そんなことあるはずがない!)』 菫『(……くそっ!どうかして来たな!私の頭!)』 菫『……』 菫『(……でも)』 菫『(後で一応、ありのまま今起こったことを淡にメールで送っておこう……)』 ブブブブブブブ(迫真) 淡『……あれ?メールだ』 淡「…………」 淡「…………」 京太郎「なあ!淡!やめろって!俺達は友達だろう!?何故こんな無理矢理!」ギシッギシッ 淡「」スッ (京太郎のリー棒を添える音) 京太郎「!!や、やめろ!淡!これ以上腰を下ろしたらホントに入っちまう!」 淡「……」 京太郎「な、何があったか知らないけどさ!悩み事があるんなら俺が話を聞くよ!それで、俺にできることなら何でもする!」 京太郎「だから淡自分を見失うな!お前はこんなことする奴じゃないだろ!」 淡「……」 京太郎「淡……」 淡「」ニコッ 京太郎「淡……!」パアッ ズ……ビチ……ヌッ! 京太郎「――――――え?」 淡「~~~ッ!!!!!」 京太郎「あ、淡……お前……なにして……」 淡「……ぃ、たぃっ……っ!」ジワッ 淡「……え、へへ……でも……これで……」 淡「わた、しは……京太郎のモノで……」 淡「京太郎は……私、の、モノだね……」 京太郎「淡……」 淡「……えへへ」 淡「……キスよ、り先に……ひとつになるなんて……おかしな話だよね……っ!」 京太郎「……」 淡「……きょーたろー」 淡「大好き、だよ?」 ――――――二人は幸せなキスをして終了―――――― . 「……ふぅ」 「……どうやらあの小娘に、私と彼の運命の出会いとも言えるあの作品を贈ったのは失敗だったようですね」 「絶望のひとつやふたつしてくれると踏んではいたんですが……いやはや私も少し甘かったみたいです」 「それとも今日私達をつけ回ったあの子猫三匹達の仕業ですかね?」 「…………」 「……でもまぁ、いいでしょう」 「奪われたモノは奪い返す」 ハギヨシ「それが、執事 バトラー の嗜みですから」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4427.html
「――――また勝てなかった」 大会後、初めての休日。 いつものようにネット麻雀に興じ、例によって例の如く、手痛い敗北を喫して床に倒れ込む。 「今日は珍しく赤木さん達に遭遇しなかったから、どうにかなるって思ったんだけどなあ……【K】とか【堂嶋】ってのにとことん毟られた……」 頬に感じる床の冷たさにまったりしながら、理不尽すぎる和了りを繰り返した対局相手に不平を漏らす。 「なんで倍満、三倍満が連発すんのよ……?国士と四暗刻も連発したし……」 麻雀の役満とはあんなにも出やすいものだったか。 一、二度しか和了った記憶のない役満の直撃は、何度繰り返しても堪える。 「きゅわー?」 「ああ、ありがとなカーたん」 「パコッ……パコッ……!」 落ち込む主人を心配したのか、近くまで這ってきて顔を覗き込むペットのカーたんの背中をくすぐり、労ってやる。 「さすがにもう、ネト麻やる気にはなれんし……散歩にでも行ってくるか」 ムクリと体を起して、ベッドの上に放り出していた携帯電話と財布を手に取る。 「どこに行くかなあ」 ぼー、と天井を眺めて思案。 暇をしているなら、咲でも誘ってどこかに出掛けるという手もあったが、あいにく今はそんな気分でもない。 「公園にでも行って、まったりするか」 なんとなく決めて、立ち上がる。 たまには童心に返るのも面白い……そんな、気軽な考えからの行動だった。 京太郎が訪れたのは、自宅からそれなりに離れた場所にある公園。 自分のことを知っている近所の人がいるような公園だと、先日の県予選の話を聞かれたり、世間話に付き合わされたりしそうで嫌だったのだ。 「というわけで――――来たぜ……」 ざわ…ざわ…と、久しぶりに空気をざわつかせながら訪れた自然公園には、休日にも関わらず人の数は少なかった。 ざっと見渡した感じ、家族連れが幾組。あとは、木陰のベンチに座ってファッション誌らしき本を読んでいる、ハンチング帽を被った少女が一人。 これならゆっくり、まったりできそうだ。 「まだ右手も治りきってないし、休めるだけ休む……!」 にんまりと、ファッション誌を読み耽っている少女が座るベンチの向かい側にあるベンチに腰を下ろし、一息つく。 「そういや、飲むもの買ってなかったな……近くにコンビニってあったっけ?」 「んー?自動販売機なら、こっち行ったところにあるし」 風に揺れる梢のざわめきに耳を傾けながら、そういえば飲み物を買っておくのを忘れた――――と腰を上げた京太郎に反応したのか、雑誌に視線を落したまま、少女が自動販売機の場所を教えてくれた。 「あ、こりゃどうも御親切に」 「別に構わないし。困った時はお互い・様さ」 「――――ん?」 「どうかしたし?」 ハンチング帽の少女の声、そして口調に聞き覚えがあって中腰の姿勢のまま、首を傾げた京太郎に、ようやく少女が視線を起こす。 「…………あ、池田?」 「…………あ、須賀ナントカ?」 お互いに数秒、マジマジと相手の顔を穴があくほど見つめてから名を口にする。 「ちょっ、なんでお前がここにいるし!?」 「なんでって……」 ベンチから飛びのく勢いで距離を取って指差してくる池田、こと華菜に言い淀んだ後、京太郎は―――― 「んと、うん、俺俺。ってなんだよ池田、俺、須賀京太郎はここにいるぜ?」 「誰も捜してねーし!つか、清澄に通ってる奴が、なんで私の家の近くの公園にいるんだ――――ハッ、まさかストーカー!?ウィークリー麻雀TODAYに書いてあった相手って、まさか私だったし!?」 「おい待てコラ、全力で訴訟も辞さねえぞ」 雑誌のゴシップを真に受けられては困る。 アセアセと顔を赤らめながら髪を整える華菜に、半ば本気で否定。 「あんな面白おかしく書かれた記事を真に受けてんじゃねーよ、だからお前は池田なんだよ、池田ァ!」 「意味わかんねーし!じゃあなんでお前がこんなとこにいるのか、華菜ちゃんに説明してみろ!!」 真っ向から全否定されると、年頃の乙女としてそれはそれで納得いかないのは自然の妙理。 憮然とした表情で京太郎に、清澄のある学区から離れた公園を訪れた理由を問う華菜。 「散歩だよ、散歩。休みに出歩いたらダメなのかよ」 「散歩ねえ……まったくもってこれっぽっちも似合わないし!つーか須賀、お前、私より一個下なんだからちゃんと敬語使えー」 「ハッ!年上らしさの欠片も感じられねー」 帽子の下から猫耳のように髪を尖らせせつつ――無論、それは京太郎の幻視に過ぎないのだろうが――エヘンと偉ぶる華菜に、京太郎が冷めた目でペィッと手を振って拒絶する。 「っ……ホンット、生意気だし……!」 「お前にゃ負けるし……!」 ギリギリとお互い、妙な対抗意識を持って公園の遊歩道中央で睨み合う。 漫画やアニメであれば、バチバチと二人の間で火花や電撃が弾けているであろうガンのつけ合い。 それを中断させたのは――――小さくも強大な幼子の声三つ。 「あ!なんかにいちゃんいるし!」 「おねーちゃんとにらめっこしてるし!」 「なかよしさんだしー」 砂遊びでもしてきたのか、全身に砂と泥を纏わりつかせた状態で小池ーズ……緋菜、菜沙、城菜の三人が駆け寄り――――飛びついた。 「にいちゃんもいっしょにあそぶしー!!」 「ブランコののりかたおしえてあげるし!」 「みてみて、城菜のおきにいりオモチャー」 「ちょっ、げふぅぅぅぅっ!?」 ずどーーーーん、と勢い任せに飛び込んできた小池ーズの直撃に、京太郎がもんどりうって地面に倒れ込む。 「あぁっ、須賀……須賀ァァァァァァァァッ!?」 「く、くそ、不幸だ……やっぱり家でおとなしく、カーたんの相手でもしとけばよかった……!!」 そんなこんなで、京太郎の休日は騒がしくなることが確定した。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6100.html
第十四章【小悪魔テク! 女子力粉砕スーパーノヴァ!】 アフター モグモグ 照「私はね、京ちゃんの一番になりたいわけじゃないから」モッキュモッキュ 菫「そうか。まぁ、それも一つの愛の形だろう」モグモグ 照「菫は?」 菫「私に聞いてどうする?」 照「一番になりたいって思う?」 菫「……さぁな。私はまだ、好かれてもいないだろうからな」 照「そんなこと無い」 菫「そう、だと嬉しいな……やはり」 照「うん。京ちゃんに好かれたら、それだけでいいもん。仮に、私が一番じゃなくても……」 菫「照……」 カランカラーン 京太郎「おい淡、本気でこんな場所に入るのか?」 淡「大丈夫だってー! それに、ほら!!」 照「えっ!?」ビクッ 京太郎「照、さん……? 弘世さんも!?」 菫「なっ!? なぜお前たちがここに!?(わざわざ逆方向に進んだというのに)」 淡「えへへ、偶然だねー♪ じゃあみんなでスイーツ食べ放題だー!!」 照「あ、淡……?」 淡「テルー。この淡ちゃんは! 実力で奪い取ると決めたのー!」 照「え?」 淡「……見逃して貰って、勝ち逃げなんてダサイじゃん? ねっ♪」ウィンク 照「……淡。ふふ、その言葉――後悔させてあげる」 淡「望むところだー!! あちょー!」 菫「(たくっ。お互いに誰に似たんだか……)」クスクス 京太郎「照、さん」 照「……んっ」 京太郎「隣、いいですか?」 _. . ――― . . ,. ´ ` 、 / \ . ' / , 、 ヽ ヽ / / / / , | ! | ∨ ∧ , / / / / 、 .ト、 | | { | .| | . / 〃 / /| 从-、} 、 .|-从}-Ⅵ | | | / ィ { |r----从\ |, ---- ミ , / ,  ̄´ | }从 { ⌒Y ∨ ⌒Y } /}/Y ′ | / 乂_ノ 乂_ノ / イ / ,′ | { //// ////r- ' / 从 乂 ^ー( イ / / ∨ { 从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_ 从 イ / \| / \ ∨^/ />/' } / / |乂\∨_,イイ/ } {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉 {`ー∧ / ∧ .、 |- r' __________乂ノ 「iY{ /__} ./, -=- } _____  ̄`, {====}-、 ̄ ̄ ゝ ――‐ ' 照「うんっ……//」ギュッ 女の戦いはッッッ!! ドロドロばかりが能じゃないッッッ!!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5686.html
5 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 20 43 24.79 ID Ru6mPtrNo [2/22] 3 まさかこんなに早く見つかるとは……(困惑) ~~~アイドル が 生まれた 日~~~ 麻雀界では半荘に一度も和了れず、カモにされることを焼き鳥という 麻雀の【雀】にちなんでスズメが上がれない(和了れない)飛べないなら焼き鳥になるしかない、という説があるらしい。 上手い表現だが、言われる側からすれば迷惑なものあるのが玉に瑕だな、と思った。 そう、言われる側からすれば…… 【須賀家 京太郎の部屋】 【東一局】 katudon:悪い、ロンだ ピピピッ 満貫 -8000 【東二局】 utatan:つーか弱くねー? ピピピッ 跳満 -12000 【東三局】 hayarin そんな待ちはダメダメだぞ☆ ピピピッ 倍満 -16000 終了 25000→-12000 ブッブー kapibaraさんの持ち点がゼロになりました utatan ……まぁ、気にすんなって katudon 明日があるさ hayarinn また今度遊ぼうね♪ カタカタカタカタ タァーンッ kapibara ありがとうございました 京太郎「……」カチカチ kapibaraさんがログアウトしました 6 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 20 51 30.10 ID Ru6mPtrNo [3/22] 京太郎「……今日も惨敗か」カタカタ 麻雀が楽しくなくなったのは、一体いつからだろう? 一体なぜなんだ? 負けることに何も感じなくなったのは…… 京太郎「俺は……」 グッ 携帯「ク、ク、ク、クロアゲハチョウノヨウニホコラシイハネデトビタイ!」ブルブル 京太郎「ん?」スチャッ 差出人【片岡優希】 タイトル:旅館に着いたじぇー! 本文: お留守番ご苦労だじょ。 咲ちゃんがバスで酔って大変だったけど、のどちゃんが持ってた薬でなんとかなったじぇ。 それじゃあ、お土産を楽しみにしてろよー! 添付:旅館をバックに楽しそうに笑う清澄麻雀部女子メンバー 京太郎「……そうか。もう着いたのか」カチカチ 俺達、清澄高校麻雀部が全国優勝を果たしてから一ヶ月が経った。 とは言っても俺はあくまで雑用係で、ただ同伴しただけなんだが…… 京太郎「……」 そう、ただ見てることしか出来なかった。 みんなが頑張っている中、俺はただ見てるだけ。 まるで、モニター越しのアイドルに憧れるだけの一般人 ……感じたのは、孤独だけだった 7 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 20 57 24.99 ID Ru6mPtrNo [4/22] 【一ヶ月前 校長室】 京太郎「……」 普段は一人で篭っている場所なのに無駄に広い校長室。 こんな場所なんて、悪さやらかした時くらいしか足を運ばないと思っていたが…… 校長先生「いやはや、おめでとう! 君達は我が校の誇りだ!」パチパチ パチパチパチ こうして、褒められることになるとは……とてもじゃないが思わなかったな。 教師A「いやー、素晴らしい!」 教師B「いつかやってくれると思っていたんだ!」 ワイワイ ヤイノヤイノ 咲「ど、どうも……」オドオド 久「何してるの? 胸を張りなさい」クスクス まこ「そうじゃ。そもそも咲がおらんかったら、大会への参加すら無理じゃったしのぅ」 和「そうですよ」 優希「スーパースターだじょ!」 咲「そ、そんなこと無いよ!」カァッ ワイワイワイ 校長先生「これで来年からの我が校の受験者も増えることだろう」ハハハハ 教頭先生「実に素晴らしい!」 久「あの、先生方。それで要件というのは?」ハァ 校長先生「お、そうだった。教頭先生アレを」パンパン 教頭先生「はい。これをどうぞ」スッ つチケット 久「え、これは……?」 教師A「保護者の方々が、君達に是非と渡してくれたものだ」 教師B「奈良への旅行券だ」 一同「「「「!?!?」」」」ピカーン! 校長先生「今度の連休を使って、のんびりしてきなさい」ハハハ 京太郎「う、うぉぉぉ!?」 まこ「これはたまげたのぅ」ワクワク 優希「イェーイ! 旅行だじょー!」ピョイン! 和「奈良……またみんなに会える」ジーン 咲「……え? え?」オロオロ 京太郎「おいおい、どうしたんだ咲? もっと喜べよ!」ニカッ 咲「だ、だってこれ……」つチケット 京太郎「ん? 旅行券がどうかしたのか?」 咲「……五人分しか、無いよ?」ウツムキ 11 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 21 04 26.29 ID Ru6mPtrNo [5/22] 京太郎「……は?」 久「え?」クルッ まこ「ん?」ピクッ 優希「じょ?」ピタッ 和「……?」キョトン 咲「……」オロオロ これはどういうことだ? だって……俺達麻雀部は六人なんだぞ? なのにどうして旅行券が五人分しかないんだ……? 校長先生「……何か、問題があるかね?」 京太郎「いや、だって俺らは六人……」 教頭「俺、ら?」キョトン 教師A「あー……須賀、ちょっと来い」テマネキ 京太郎「え?」 教師B「いいから、来い」グイッ ガラガラ ピシャッ 【校長室前 廊下】 京太郎「あの、どういうことですか?」 教師A「……あのなぁ、須賀。よく考えてみろ」ポン 京太郎「?」 教師B「お前が宮永達と同価値だと、本気で思ってるのか?」 京太郎「え?」 教師A「お前ももう二年生だ。そろそろ身の程をわきまえる時期じゃないか?」 その時――俺は確かに聞いた パキンッ 俺の中の、何かが壊れる音―― 京太郎「……」ドクンドクン そして……何かが始まる音を 17 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 21 14 39.44 ID Ru6mPtrNo [6/22] 教師A「そもそも県予選ですら惨敗のお前に、誰も期待なんてしてないんだ」 教師B「それに女子だけの部にお前一人だけ男子がいるっていうのもな……」 教師A「悪影響なんだよ宮永達にとっても。学校ではよくない噂も流れている」 教師B「そもそも火のないところに煙は立たないと言うし……お前も随分と美味しい思いをしたんだろう?」ニヤニヤ 教師A「そろそろ潮時だ。なーにお前は面がいいからな、すぐに他の女が引っかかる」ハハハハ 教師B「そもそも女子だけの旅行にお前が混ざって学校のスキャンダルになるわけにもいかないんだ」ハハハh 京太郎「……」 ハハハハハッ ゲラゲラゲラゲラ ギャッハハハッハ ヒーッヒッヒッヒッヒッヒ 【放課後 麻雀部 部室】 ガチャッ 京太郎「……お待たせしました」バタンッ タタタッ 久「須賀君!? 一体どうしたの?」 まこ「何を言われたんじゃ!?」 優希「京太郎……?」 和「須賀君?」 咲「京ちゃん……?」 京太郎「みんな……」ドクンッ 正直、全てを打ち明けたかった。 あらいざらい吐き出して、楽になりたかった。 だけど…… 悔しいけど、分かっていたんだ ~~~「同価値だと、本気で思っているのか?」~~~~ だから…… 京太郎「いやー! 実は俺、その日は大事な用がありまして!!」ニコッ 一同「「「「「え?」」」」」 京太郎「だからその日は行けないので、辞退したんすよ!」ニコニコ 俺は俺のやるべきことをやる 22 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 21 24 32.27 ID Ru6mPtrNo [7/22] 19 いずれは京ちゃん無双やで! 久「ちょ、ちょっと! それ本当なの!?」グイッ 京太郎「はい!」ニコニコ 作る 仮面を……笑顔の仮面を まこ「京太郎……?」 京太郎「いやー、面目ないです!」ペコリ 悟られてはいけない。 俺に出来ることはただ一つ。 優希「おい、荷物持ちはどうするんだじょ!?」 京太郎「仕方ねーだろ、いけねぇもんはいけねぇんだから」ハハハ みんなの幸せを願って、自分の身をわきまえること 和「みんなで旅費を出し合えば……」 京太郎「だーかーら! それは関係無いっての!」ブンブンッ 咲「京ちゃん……」 京太郎「咲……俺は行けないけど、しっかり楽しんで来いよ」 咲「でも、でも……」ウルウル 京太郎「バカ、泣く奴がいるかよ」ポンポン 咲「あっ」 京太郎「俺はいつだって、みんなと一緒だ」ニッ ゼロ 漆黒の仮面で…… 俺はオレでなくなっていく 京太郎「お土産、待ってますから」 【現在 京太郎の部屋】 ゴロゴロゴロ 京太郎「……俺、今まで何をしてたんだろうな」 ただ麻雀を打てるだけで楽しかった。 みんなと夢を追いかけているだけで幸せだった。 みんなと一緒にいられるだけでよかったのに…… 23 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 21 32 05.73 ID Ru6mPtrNo [8/22] 京太郎「今じゃ、一緒にいるだけで悪い噂だもんなー」 俺は一体どうすれば……みんなと同じ舞台に立てるんだ? 麻雀で強くなる? いや、そんなこと出来れば苦労しない 京太郎「とは言っても……俺に、なんの取り柄があるってんだよ」ギュッ ハギヨシさんに習ったタコス作りくらいしか、自慢できるモノは無い。 そもそもそれだって、ハギヨシさんには遠く及ばないレベルなんだし…… 京太郎「ああ!! くそっ!! なんなんだよっ!!」ゴロンッ キランッ 京太郎「ん?」 鏡「」キラーン 京太郎「鏡……?」 鏡の京太郎「」 京太郎「なんだ、俺の顔かよ……」ハァ 落ち込んでる時に自分の面なんか見ても嬉しく…… 京太郎「ん? 面……?」ドクンッ ~~「なーにお前は面がいいからな、すぐに他の女が引っかかる」~~~~ 京太郎「っ!!」ガバッ なんだよ、それ……!? 今まで気づきもしなかった……!! 京太郎「俺、もしかして……?」ペタペタ 鏡の京太郎「」イケメェーン 京太郎「結構、イケてる?」ドッギャァァァン!!! その時――京太郎に電流走る 32 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 21 40 52.84 ID Ru6mPtrNo [9/22] 【数時間後 ジャ○ーズ事務所 受付】 ドドドドドドッ!! ウィィィイン タタタタッ!! 京太郎「はぁ、はぁ……!」ゼーゼー 受付嬢「いらっしゃいませ。何かお約束の方ですか?」ニコニコ 京太郎「あ、あの!? 受付のおねーさん!」ガバッ 受付嬢「はい?」 / / | ハ | | i 、 ヽ \ \_. i / | | | | | |、 i ゙、 、 \_ _> | i | i | | | | ハ ハ _i!_ i \ ヽ` ̄ ̄ | | |+--|、_|! | | i! ,/.ィ'|"i´ ハ | i ヾ 、 ヽ | | |.|ヽ |、_|王!ー |./i .;"´/=、!/ | ! | \ 、i 人. !. r| i.|、!,,ィ'" ._iミi! |/ /彳 r !ヽ,| ,イ | 、_ \ `Y´. | |^!. N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ ! | i、i、 ゙、 ` ̄ ̄ メ( /^|イ `、| ノi \ヾi .、、 i! i ノリ ` | ヽ__i |イ|/ ヽ i、 i ____...., |/ ヽ!、 i\ `ー-- ―'´ /、! i !i 、 \  ̄´ /!/ 人 |ハ,i、! 、 \ / ./.| `Y´ ト、! ゙、 `ー---'′ /|V 京太郎「お、俺って格好いいですか!?」バァァン! 受付嬢「……は?」キョトン 京太郎「ジャニーズ入れますか?!」 受付嬢「……」 京太郎「……」ドキドキドキ 受付嬢「こ、この……」ワナワナ 京太郎「!?」 . -‐ ー― 、 | / ! ,. ‐≠=====ミ 、 \ |/ | // ヽ\ 、 く | 〃 ' \ヽ ∨ ! /' Ⅵ _j i| , / / イ | } '.{ j| / / イ / X 从 | / ハ イ { { !/て心 Ⅵ j / / } / / ∠ { / Ⅵ `込ツ ー ィ心 幺/ / / 八 { ゝ{ 、 込ツ / / / Ⅵ从 人 , -‐ 、 . / 「ビチグソがぁぁぁぁ!!!」ダンッ ヽ{ \.( . / /{ -=7 ヽ、ー‐'/ イ /ニ! / r┬≦三/ ノ ´/ .| /ニ| / / {ニニニ/ }へ ∠ -‐.{/ニニ! / _/ マニ斗-‐ 7 ¨¨ ≧=- _{ ニニニl ′ { ∧ 〉 へ 〉.ニニ! ' / . .,.ーz__ / / \ ムニニム / / / .∠.. _ 〃 -‐ ヽ 〈 . . .マニニ}/ / { . . . . . . . . . .} / {/ . . . . . . . .ー ' . . . . マ 〃 ./ '. . . . . . . . .ゝ . L . . . . . . . . . . . . . . . . . . }/ /У≧==‐ . . .¨¨ o`Y¨¨ . ー- .、 . . . . / { ヘ く . . . ./ . . . . . . . . . . . . .l . . . . . . . . . . . . ./ . / { { . . ./ . . . . . . . . . . . . . .l . . . . . . . . . . . V 、 ノ . . / . . . . . . . . . . . . . . .! . . . . . . . ./ 京太郎「!?」 36 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 21 49 37.80 ID Ru6mPtrNo [10/22] 受付嬢「ジャ○ーズ舐めてんじゃねぇよオラァァァン!!」ダンッ 京太郎「!?」ビクッ 受付嬢「まず服装! 何、そのお母さんにしま○らで買ってきてもらったようなのは!?」 京太郎「いや、これ安かったんですよ」 受付嬢「第二に!! メイクしろとまでは言わないけど、何その妙に飛び出た鼻毛はぁぁぁぁ!?」ガシッ ブッチィィィィン!! 京太郎「いっでぇぇぇ!?」ゴロゴロ 受付嬢「第三に!! 少しは礼節を覚えなさいっ!!」 京太郎「……」ガーン 受付嬢「そもそもアイドルって言うのはファンの想いに答える、厳しい仕事なのよ?!」 京太郎「!!」 受付嬢「軽い気持ちで勘違いイケメンが図に乗るなぁぁぁ!!」ロザンショウリュウハ! 京太郎「」バッキャァァァン!! ヒュゥゥゥゥゥン!! ウィィィン 【道端】 京太郎「」ドシャッ ポツッ ポツッ ザァァァァァァァ!! 京太郎「……」ズブヌレ 【ジャ○ーズ 事務所 受付】 受付嬢「全く……」ハァ ???「今のは、新入りの子かね?」スッ 受付嬢「あ、ジャ○ーさん!」 ジャ○ー「その様子だと、違うのか」フム 受付嬢「あんなの、ただ顔が少しいいだけの若者ですよ」 ジャ○ー「……そうだといいんだがね」フッ 受付嬢「(あのジャ○ーさんが、笑った?)」ゾクッ 37 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 22 00 13.25 ID Ru6mPtrNo [11/22] 京太郎「……」テクテク ザァーッザァーッ 京太郎「傘、持ってくりゃよかったな」テクテク 馬鹿だよな、俺……冷静に考えればアイドルなんて楽な仕事じゃないって分かってるのに なのに……期待しちまった。 もしかしたら、きっと……! そんな風に思ってしまった。 京太郎「うっ、ぐっ……ヒグッ」ポロポロ やっぱり俺には何も無い。 俺なんて…… 京太郎「もう、帰るか」ゴソゴソ ん? あれ…… 京太郎「あ……そっか。ここまで来ることだけ考えて、金あんまり持ってこなかったのか」ビショビショ 残っているのはクシャクシャの千円札一枚 こんなんじゃ、長野まで帰れねぇな…… 京太郎「あー、ついてねぇ」フラフラ ガクッ ドシャァァ!! 京太郎「……」バシャン 咲、俺……もうダメだ。 こんなに暗い闇の底じゃ、お前に追い付けない。 もうお前達と一緒にいられない だから…… シーン 京太郎「……?」 あれ? 雨がやんだ? いや、違う…… 目の前の水たまりには相変わらず雨粒が降り注いでいる。 じゃあ、なんで……? 赤い傘の持ち主「……風邪、引くよ」 京太郎「え?」 それはきっと……今を変える運命の出会い。 赤い傘の持ち主「立てる?」 この人に会った瞬間から―― 京太郎「……」ドクンッ 俺は、アイドルへの道を踏み出したんだ 62 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 22 25 50.82 ID Ru6mPtrNo [14/22] ※関西弁に違和感あっても許してくらはい まず初めに綺麗な人だと思った。 それから、胸に目が行って……その綺麗な太もも。 こんな状況じゃなきゃ、飛びかかってしまいそうなほど……この人は魅力的だった。 でも…… /.......... / | ハ ハ ..ノヽ..∧. /....../... / | | \ 斗-、 i ∧ '....../..{ 〃 { 弋{ 〃ヽ 廴 \ | ∧ i...../... | ト-| { \ ぅ 斗=ミ、 i | / ∧ |... 7.. | | | {_ ヽィ乏) ハ 入 φ / ∧ 「……?」 |ハ ヽr y 弌 弋辷ツ ′ 〉 / i / ∧ |{ i ∧〃_) ハ ` _厶ィ ハ | / ∧ |{弋 〈 ハ ゞ -'' 、 ´ } | / ∧ ` >へ i u / | / ∧ }. . -‐- 、 rー ' | / ∧ |.∧ V_ ノ イ | | / ∧ |... ゝ / | | | / ∧ |... > < 八 | | \_ |... i `¨ハ 〉 | |/ ̄ ̄ ̄〃 へ ^ヽ |... | 〉 / | | // ⌒ヽ.∧ |... |__// _/{ | | // V∧ r―|... / ./---、 ' ./ { | |_彡 ' V∧. ∧ { |... / // ̄ ̄ 7 | | |=- / V 京太郎「あ、すいません……」スクッ ??「こないなとこで行き倒れ?」 京太郎「……そんなとこです」ハハハ 心配そうに俺を覗き込んでくる だけど、俺はどう返していいか分からなかった ??「……何かあったんか?」 京太郎「え?」 ??「顔に書いとる。嫌なことがありましたって」ムニッ 京太郎「ほへっ?」ムギュウウ ??「……この後用事か何かあるん?」パッ 京太郎「え? 何もないですけど……」 ??「よし、じゃあ着いてきて」グイグイッ 京太郎「え? え?」キョトン そう言って無理やり俺を引っ張っていく謎の関西弁美少女(仮) 京太郎「あ、あの?!」 ??「いいからうちに着いてくればええんや」グイグイ 京太郎「ちょ、ちょっとー!?」ガビーン ズルズルズルズル 63 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 22 38 03.05 ID Ru6mPtrNo [15/22] 【芸能事務所アクセル1】 ガチャッ バタンッ ??「おじさーん。ただいま!」 ???「ん? 竜華ちゃん、もう見つけてきたのかい?」 竜華「半分正解ってとこやなー」 京太郎「え?え?」キョロキョロ ど、どこだここ? ただのボロいビル……じゃないよな? 竜華「まずは自己紹介からやな。うちは清水谷竜華や」 京太郎「あ、俺は須賀京太郎です」ペコリ 社長「私は社長。業界じゃ帝王なんて呼ばれてもいるよ」ハハハ 京太郎「スゲェかっこいい声ですね……」 竜華「せやろ? 取ったるで、業界ナンバーワン!」グッ 社長「アクセルワン!」バシッ ハイタッチ! 竜華社長「「イェーイ!」」 京太郎「あ、じゃあ帰ります」ガチャッ 竜華「ちょちょちょ、待ちぃ!」ガシッ 京太郎「は、離してください!!」ギャー!! 社長「ふむ……君、なかなかいい声をしているね」ニヤリ 京太郎「え?」ドキッ 社長「ルックスも悪くない……」フーム 京太郎「え? え?」 これは、一体何の話だ? 68 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 22 50 18.34 ID Ru6mPtrNo [16/22] 67 敬愛しています(洗脳済み) 社長「見ての通り、ここは立ち上げたばかりの声優事務所でね」 竜華「うちは親戚のおじさんへお祝いに来たってとこやー」 京太郎「声優事務所……」 通りでいい声してるわけだよ、この社長。 俺が女だったら妊娠してたかもしれねぇ…… 京太郎「普段の声からそんなに格好いいんですね」 竜華「うちは聞き慣れとるから、そうは思わんけど」フフ 社長「酷いよ竜華ちゃん」ガビーン 京太郎「あれ、てことは……これって!!」ピキーン もしかして、これはアレか!? 俺の才能を買って……スカウトしてくれた的な感じか!? 京太郎「もしかして俺を声優としてスカウ――」バッ 社長「それはない」バッサリ 京太郎「」 社長「いくら君の素材がよくても、声優は一朝一夕で務まるものじゃないさ」 京太郎「そ、そうですよね……」 社長「声だけの仕事というのは、才能だけじゃ務まらないからね」 竜華「まぁ、どんな仕事でもそういうもんや」 京太郎「じゃあ、俺に一体なんの用があるんですか?」ムスッ ぬか喜びして損したぜ。 これなら……ついてくるんじゃなかった 京太郎「からかうなら、もう俺本当に帰り――」 社長「君、ここでアイドルをやってみないか!?」 京太郎「……え?」 _,.. -- 、__, 、___ ⌒> ´ ´ ヽ `ヽ、 _,. ´ , , 、 | 、 、 ヽ  ̄7 / / 从 、 | | | . /イ / /l/ | | | l}从} | { _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  ̄´ {∧ { ○ 从{ ○ }'⌒}、{ {从 r-く| \ 叭 __ 八}イ 、 └―┘ ィ/∨ 「¨>-- rく「 ̄ } , ------ ∨_」 , ∨]/|ィ¨7ー-- 、 ////////「//| ー- 」 }ヽ// ///////} {/{////// \∧ r' ヽ }' {/////// |l∧////////Ⅵ,〈 | |///////| |/∧/////////|l∧ ,l |///////| |//∧/////////() \//∧}/////// 京太郎「俺が……アイドル?」ドクンッ 社長「アイドルだよ、君ィ!」 75 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 22 59 04.44 ID Ru6mPtrNo [17/22] 京太郎「……」ポカーン 竜華「おじさんが即決なんて、随分と気に入ったんやな」オドロキ 社長「実はもう一人、小清水……じゃなくて原村という子をスカウトしているんだが、中々返事をもらえなくてね」ハァ 竜華「原村? どっかで聞いた名前やな」ウーン 京太郎「はっ!?」 竜華「お、気がついたようやな」 京太郎「ほ、ほほほほほ本当ですか!?」ガバッ 社長「ああ。私は嘘はつかんよ」 京太郎「う、うぅっ……」ブルブルブルブルブル 社長「?」 京太郎「うぉぉぉぉぉ!! やったぁぁぁぁ!!!」ガッツポーズ! 竜華「!?」 社長「おや、これは……」 京太郎「嘘じゃないんですよね! 俺、アイドルになれるんですよね!?」 社長「勿論だとも。ただし、辛い道のりだけどね」 京太郎「や、やった……! 俺が、アイドルになれる!!」グッ これは夢じゃないんだよな? 俺……有名人になれるんだよな? そうすればきっと……! 京太郎「あいつらに、追いつけるんだ」ポロッ あれ、おかしいな…… なんでだ? 京太郎「嬉しいのに、涙が、グスッ、出ちま……う」ポロポロ 竜華「……」キュンッ 社長「竜華ちゃん?」 竜華「な、なんでもないっ!!」アセアセ 社長「……」ニヤニヤ 竜華「(男の人が泣いとるとこ、初めて見たから動揺しただけや……//)」カァッ 82 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 23 13 24.60 ID Ru6mPtrNo [18/22] 京太郎「俺、アイドルになります! 絶対に有名になってみせます!」ズビィー 社長「いい心意気だ。だが須賀君、実はかなり問題があってね……」 京太郎「え?」 社長「知っての通り、ここは声優事務所なんだ」 京太郎「あっ……」 竜華「それも立ち上げたばかりの実績無しのペーペーや」 社長「私や、私について来てくれた数人は既に業界で名の売れたメンバーだ」 ミズシマデース! ゴトゥーザデース! ヒノチャマデス! ナージャデス! アマトウデス! ウチハサスケデス! ゾロゾロ 社長「このメンバー、声の聞き覚えがあるだろう?」 京太郎「た、確かに!!」 社長「我々はパイプこそ少ないものの実力で仕事を貰える。だが、君に大きな仕事を持ってこれるほどのコネはまだないんだ」 竜華「そもそも、それも声優としてのコネやしな」 京太郎「そうです、よね」 こんな上手い話、そうそうあるわけない。 でも、それでも……! 京太郎「俺、やります!!」 社長「!!」 京太郎「どうしてもアイドルになりたいんです!!」 社長「須賀君……!!」ジーン 竜華「せやけど、おじさん。おじさんはアイドルの育て方とか分かるん?」 社長「……竜華ちゃん。なぜ私が急にアイドル事務所も併設しようと思ったか、分かるかい?」 竜華「?」 社長「ある人物に言われたんだ」 ~~~某所 飲み会の席~~~ ???「はやり、アフレコなんて初めてで緊張しましたー☆」アハハ 社長「いえいえ、とてもお上手でしたよ」 ???「もー、そんなこと言ってー。社長さんはお上手ですね!」キャピッ 社長「そうですか?」ハハハ ???「はやりー、社長さんともっとお話したいです☆」 ズザザザザ!! 社長「……(キツイ)」ニゲノシセイ ???「……」ゴゴゴゴゴッ ←ハンターの目 87 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 23 23 21.37 ID Ru6mPtrNo [19/22] ???「そういえばー、社長さんの事務所って格好いい人ばかりですよね?」 社長「そ、そうですかね?」ハハハ ???「特に寺し……」 オーット! コンナジカンダカエラネェート!! ???「あと、あの人もいいですよね。日野ちゃ……」 ヒノチャマミツケタ! コノバカイヌゥゥゥ!! リ、リエ!? チガウ、ゴカイダァァ! ???「社長さんも格好いいですよね♪」ニコニコ 社長「(このままじゃまずい……どうすれば!?)」ゴクリッ その時、私は思いついたのだよ。 完璧な作戦をね。 社長「あー、瑞原プロは事務所とか作らないんですか?」 ???「え?」 社長「ほら、若い男の子をアイドルとして育成するとかそそりませんか?」ゲスガオ ???「あー、それいいかも……」ウフフ 社長「じゃあ、それで!」 ???「でも……そんなの現実的に無理ですから」シュン 社長「で、ですよね」ヒクヒク ???「じゃあ、社長がアイドルスカウトしてくださいねっ☆」 社長「え?」 ???「名案ですねっ!」 社長「い、いやでもうちは声優事務所ですし……そもそもアイドルの育て方なんて」アセアセ ???「大丈夫♪私が手とり足取り教えますから!」 社長「いや、でも……!」 ???「教えますから……」ゴゴゴゴゴッ 社長「……はい」 ~~~~~~~~~~~ 社長「という、ことがあってね」HAHAHAHAHA 竜華「ただのスケープゴートやないかいっ!!」ガビーン 京太郎「頑張るぞー!!」メラメラ! ←聞いてない 90 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 23 30 37.53 ID Ru6mPtrNo [20/22] 社長「ということで須賀君。君にはこれから幾つもの試練が待っている」キリッ 竜華「今更カッコつけてもあかんて、ほんま」ゲンナリ 京太郎「俺、なんでもがんばりますよ!!」 竜華「ん?」 社長「今」 竜華「なんでもするって」 社長「言ったよね?」 京太郎「え、それは……」イッテナイ 社長「とまぁ、冗談はさておき」 竜華「そろそろ本題やな」 社長「今の君にアイドルとして足り無いモノはざっとこれくらいだ」 京太郎「……」ゴクッ 歌唱力 ビジュアル ダンス 演技力 トーク 京太郎「こ、こんなに!?」ガビーン 社長「細かいモノを言えばまだまだ増えるが、まぁこんなものだろう」 竜華「前途多難やなぁ」 社長「だが、君には一流のアイドル候補生達にも負けないモノがある!」 京太郎「そ、それは?!」 社長「【覚悟】だ!!」バーンッ!! 京太郎「!!」 91 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 23 44 28.17 ID Ru6mPtrNo [21/22] 竜華「なんか、燃えてくる展開やな」ワクワク 京太郎「……絶対、アイドルになるんだ!」ギュッ 社長「細かい契約の話は後日にしよう。君はまだ学生だろう?」 京太郎「あ、はい」 社長「親御さんも一緒に、これからのことを話し合うんだ」 京太郎「……あの、やっぱり東京に出てこないとダメですか?」 竜華「ん? なんや、須賀は東京モンじゃないんか?」 京太郎「はい。俺は長野モンです」キリッ 竜華「ま、マネすんなっ!」カァッ 社長「あーそれは少し困ったね」ウーン 京太郎「やっぱりそうですか」 社長「転校してこっちに出てくるか、それか学校を辞めるか」 京太郎「!!」ドクンッ 社長「でなければアイドルになるなんてとてもじゃないが……」 京太郎「そんな……」ガクッ なんでだよ? せっかく……みんなと一緒にいる為の方法が見つかったってのに!! これじゃあ……! 京太郎「っ!」ギリッ 竜華「須賀……」 社長「こうしている間にも、君のライバルは成長している。君よりもずっと若い頃から練習してきた子達がね」 京太郎「!!」 社長「芸能界に入るなら、何かを犠牲にしなければならない」 京太郎「何かを犠牲に……?」 社長「ある者にとっては時間、またある者にとってはお金。そして、またある者にとっては……」 ~~~咲「京ちゃんっ!」~~~ ~~~優希「このバカ犬!」~~~ ~~~久「須賀君!」~~~ ~~~まこ「京太郎!」~~~ ~~~和「須賀君」~~~ 社長「大切な者との別れ」 京太郎「……」 94 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/20(火) 23 52 17.60 ID Ru6mPtrNo [22/22] 社長「須賀君、君はどうしてアイドルになりたいんだい?」 京太郎「え?」 社長「君のアイドルへの思い入れはかなりのモノだ。私はその理由を知りたい」ジッ 竜華「うちもや」ジーッ 京太郎「……」 社長「話したくないのかい?」 京太郎「いえ……分かりました。全て、話します」 話さなきゃいけないと思った。 いや、違う きっと、話して楽になりたかったんだろう…… だから俺は止まらなかった。 水流を塞き止めていたダムが決壊するかのように、感情が爆発した。 京太郎「――っ!! ~~~~っ!!!」 自分でどんな風に喋っていたのか覚えていない。 ただ覚えているのは…… 竜華「ふぐっ……ぐすっ……えぐっ……」ポロポロッ 俺の話を聞きながら嗚咽を漏らす清水谷さんと―― 社長「……」 何も言わず、じっと俺を見据えている社長の姿だけだった。 96 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 00 02 50.54 ID hafmpD9oo [1/16] 京太郎「……」ウツムキ 竜華「うぅっ、うぇぇっ……」グスグス 社長「……」 麻雀部に入って、咲を誘って……県予選を突破して みんなを陰で応援しながら、雑用を頑張って そして気がつけば俺一人が取り残されていた。 英雄になったみんなと違って、俺には何も無かった。 みんなと一緒にいる資格も、権利も…… 京太郎「きっと、どこかで落としちまったんだと思います」ウツムキ 竜華「そんなんちゃう!!」バンッ 京太郎「え?」 竜華「なんで? 須賀は頑張ったやん!? 資格や権利なんていらへんよ!!」ガシッ 京太郎「清水谷さん……」 竜華「好きに会うたらええ! それでええんや……」グスッ 京太郎「……俺だってそうしたいですよ」 でも、それは出来ない。 みんながよくても、俺がよくても…… きっと周囲は認めないから 必ず、みんなに迷惑がかかるから だから…… 京太郎「だから、アイドルになるんです」 社長「……じゃあ、答えは決まったようだね?」 竜華「須賀……」 京太郎「はい」 社長「そうか。では、君を我がアクセル1の新たな一員として迎えよう」ギュッ 京太郎「社長!」 社長「私が必ず、君をトップにしてみせる!」 あんなに土砂降りだった外は、いつの間にか晴れやかな青空へと変わっていた。 まるで、俺の新たな旅路を祝うかのように その空には綺麗な虹がかかっていて…… 京太郎「ああ、くそ」 竜華「須賀……?」 京太郎「どうやって、帰ろう」ズーン 社長「え?」 竜華「は?」 ※ 結局竜華さんにお金を借りました 103 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 00 15 34.23 ID hafmpD9oo [2/16] というわけでプロローグというか導入はこんな感じ 色々と無理やりな部分あるけど、多めに見てくださいっす ちなみに今回京太郎君に用意するのは以下のステータス 【容姿】 モデルの仕事やモテ度に関わります 【雀力】 麻雀関連の仕事が増えます(強くなればプロ資格も?) 【歌唱力】 歌関連の仕事が増えます(くっ……) 【演技力】 ドラマや映画、アフレコなどの仕事が増えます どのステータスを特化させるかによって京ちゃんの未来が変わります。 お好みのステータスを上げていきまっしょい ちなみに、みなさんはどんな感じのネタが見たいですかねぇ? あくまで参考ですが 1 そりゃもう純粋にトップアイドルを目指す京ちゃんの勇姿! 2 アイドルの仕事をする京ちゃん→咲キャラの反応(2ch?)←これは流石に腹パンされてまう 3 女の子にモテまくりの京ちゃんと咲キャラのイチャコラ流行らせコラ! 4 全部やらなきゃいけないのが、京太郎スレの辛いとこだじぇ 128 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 00 40 24.95 ID hafmpD9oo [3/16] 意外にも4が多い…… まぁ、多少はね ちなみにアイドル詳しくないんやけど、こんなランクわけでええかいな? これでよければステ決めやりたいんやけども 何か変えた方がいい意見あったら教えてください SSS 【容姿】目が会っただけで想像妊娠してしまうレベル 【雀力】アラフォー三人同時に完封するレベル 【歌唱力】宇宙レベル 【演技力】アカデミー賞総なめ SS 【容姿】微笑んだだけで気絶するレベル 【雀力】アラフォーと互角レベル 【歌唱力】世界レベル 【演技力】ハリウッド主演レベル S 【容姿】歩いているだけで全ての女性が振り返るレベル 【雀力】牌に愛されているレベル 【歌唱力】人間国宝レベル 【演技力】ハリウッドオファーレベル A 【容姿】福山雅治 【雀力】プロ上位 【歌唱力】オリコンランキング一位 【演技力】国内映画主演レベル B 【容姿】ジャニーズ上位 【雀力】プロ合格レベル 【歌唱力】オリコンランキング入り 【演技力】仮面ライダー主演レベル C 【容姿】ジャニーズ崩れ 【雀力】全国大会出場レベル 【歌唱力】CD契約出来るレベル 【演技力】ドラマ脇役出演レベル D 【容姿】イケメンもどき 【雀力】県大会レベル 【歌唱力】カラオケで褒められるレベル 【演技力】演劇部レベル E 【容姿】フツメン 【雀力】雀荘のおっさん 【歌唱力】下手でも上手くもない 【演技力】ただの素人 F 【容姿】キモメン 【雀力】始めたての素人 【歌唱力】音痴 【演技力】棒読み G 【容姿】グロメン 【雀力】そもそも打てない 【歌唱力】そもそも音程って何? 【演技力】そもそも演技って何? 140 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 00 58 02.28 ID hafmpD9oo [4/16] 134 なんでや! てつをや半田さん頑張ってたやろ! 139 こんなもんだと思うんだけど、どうなんだろうか…… <<京太郎ステ初期値決定>> 0=100 【容姿】30+コンマ一桁(0の場合は10扱い) 【雀力】コンマ÷3 【歌唱力】コンマ÷3 【演技力】コンマ÷3 SSS 100 SS 80~99 A 60~79 B 50~59 C 40~49 D 30~39 E 20~29 F 10~19 G 0~9 こんな感じでいいですか? 148 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 01 07 40.39 ID hafmpD9oo [6/16] <<京太郎ステ初期値決定>> 0=100 割った数字の小数点以下は繰り上げ 【容姿】30+コンマ一桁(0の場合は10扱い) ↓2 【雀力】コンマ÷3 ↓3 【歌唱力】コンマ÷3 ↓4 【演技力】コンマ÷3 ↓5 SSS 100 SS 80~99 A 60~79 B 50~59 C 40~49 D 30~39 E 20~29 F 10~19 G 0~9 165 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 01 16 06.19 ID hafmpD9oo [7/16] なんなのだこれは……? どうすればよいのだ!?(困惑) こうなったらこのスレでのクロチャーの扱いは……ラキスケ要員ですね、間違いない 【須賀京太郎】 <アイドルランク> アイドル候補生 <容姿>D(34) <雀力>G(6) <歌唱力>G(10) <演技力>(19) <特技> タコス作り <担当マネージャー> 無し <アイドル経歴> 無し 173 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 01 23 45.82 ID hafmpD9oo [8/16] <番外編> 竜華「ほら、とっとき」つ五千円 京太郎「あ、ありがとうございますっ!!」ドゲザッ 竜華「全く、とんだもんを拾ってもうたわ」プイッ 京太郎「この恩は忘れません!!」キラキラ 竜華「ほんと、捨て犬見たいやな」フフ 社長「そう言えば竜華ちゃん。どうして彼を連れてきたんだい?」 竜華「うっ……!?」ドキッ 京太郎「そういや、そうっすね」キョトン 社長「私は確か【カッコイイ男の子】を連れてきてくれと言ったんだけどなぁ」ニヤニヤ 京太郎「!?」コレマジ? 竜華「……」チラッ 京太郎「?」 __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__ > ´ ̄ / ` `、 、、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \ `  ̄ >' / , | ∧/! | } ヽ ヽ /,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ . {/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | . / イ/{ ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ , <__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 | 容姿D!! {'{ { , ' /' ⌒ } | 从Ⅵ /. ノ | 叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从 、 イj / / . < |' /}/ 、__ ´ } イ从/ | |/ 「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄} 竜華「せ、せやから……顔はそこそこええやん……//」カァッ 京太郎「う、うぉぉぉ?」ウレシイ 174 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 01 29 26.97 ID hafmpD9oo [9/16] 社長「こらこら、顔だけで食っていける程甘い業界じゃないよ?」 竜華「せやっ! そういや須賀は麻雀部やったな!」ズビシッ 京太郎「へっ? そうですけど?」 竜華「なら一緒に打ってみるんはどう? 麻雀アイドルや!」ニコッ 京太郎「……」フッ 竜華「須賀……?」 京太郎「実はですね、清水谷さん」ニッコリ 竜華「?」 京太郎「俺、俺……」ワナワナ 京太郎「雑用のやりすぎで麻雀のルール忘れてましたぁぁぁぁ!!!」ウワァァァァン! 竜華「」 京太郎「お陰で今朝のネトマはストレートでトばされましたぁぁぁ!!」 社長「Oh……」 竜華「麻雀部やのに……」ドンビキ 京太郎「エグッ……ヒグッ」グスグス 竜華「な、泣かんでもええやん」ナデナデ 京太郎「ず、ずびばぜん」チーン 179 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 01 37 24.29 ID hafmpD9oo [10/16] 社長「ま、まぁ麻雀はアイドルと関係ないから(良心)」アセアセ 竜華「アイドルに必要なんは歌や!! 歌ってみて!」アセアセ 京太郎「歌ですか……?」 竜華「なんでもええから! ほら!」 京太郎「歌うのは結構好きなんですよ」ハハハ 竜華「ホンマ!?」ヤッタ 京太郎「では……俺の好きな歌を」スッ ラジカセ ガチャッ チャラララ~♪ 竜華「お、FLOWやん」 社長「いいね」 京太郎「じぃ↑ぶん↓をー↑ せかぁーいぃぃ↑ さぁぁえ↑ もぉぉぉ↓」ネッショウ 竜華社長「「!?」」 京太郎「かえぇぇ↑てぇぇぇ↑しまぁぁえそなぁぁぁ↓」ネッショウ 竜華「うっ!!」ガクガク 京太郎「しゅぅぅぅん↓かんはぁぁぁ↑いぃぃぃぃつもすぐそばにぃぃぃぃ↑↑」キィィィン 社長「」ブクブクブク 歌唱力 G 京太郎「……ふぅ、どうでした?」クルッ 竜華「」ビクンビクンッ 社長「」チーン 京太郎「え?」キョトン 186 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 01 47 51.93 ID hafmpD9oo [11/16] 【数十分後】 竜華「こ、個性的やったな……」フラフラ 社長「個性的でいいと思うよ……」フラフラ 京太郎「慰めないでください……」シクシク 竜華「歌がなんや!! 今は演技派が売れるんやで!」バーン! 京太郎「!!」 社長「そのとおり。そもそも私が持ってくる仕事は演技の仕事ばかり!」 京太郎「そ、そうですよね!」 社長「では早速、やってみようか!!」 京太郎「はいっ!!」 ~~~~~~~~~~ 京太郎「オ、オレハエ、エイ、あっ、エイユウニナルンダー!」ボウヨミ 社長「……」 京太郎「せ、セカイヲコワシ! セカ、セカイヲ、セカイヲツクル!」ボウヨミ 竜華「……」 京太郎「ひ、ひまわ、んっ、げほっ! ひぃまわり、チャーン!」ボウヨミ 社長「あー、須賀君」 京太郎「は、はい?」 竜華「もうええ。もうええんや……」ギュッ 京太郎「」 演技力 F 194 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 02 10 40.39 ID hafmpD9oo [13/16] ※某スレとは何の関係もありません 【帝王】「アクセル1を語るスレ」part12【独立】 234 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID 2AkocHan2 なんかブログに更新が来てる 235 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID SteaLthMO え? 新入りっすか? 236 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID haSSyaku/ 男の子だよー しかもちょーかわいいよー 237 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID Yokoyari1 アイドル枠……だと? 238 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID TokiTokii そんなんより、ブログ写真に載ってる帝王の親戚の子かわいない? 天使やわー マジ天使やわー 239 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID HayariN28 美味しそう 240 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID yuuki+Aoi 問題なのは演技力でしょ? って!? 声優じゃないの!? 241 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID kIndaIchi 来月からデビューだって いきなり所属とかマジうらやま 242 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID TokiTokii だからそれより親戚の子可愛いやろ! いい加減にしろや!! 243 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID hizamakur 242 少し黙って 244 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID 2AkocHan2 顔は悪く無いけど、アイドルって程かな? 245 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID SteaLthMO 帝王はなんでアイドルなんて地雷を作ろうとしてるんすかね? 246 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID HayariN28 ふふふふふふっ 198 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 02 27 17.24 ID hafmpD9oo [14/16] 247 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID kIkaNjYuU 帝王の親戚の子と知り合いやけど、えらく惚れ込んでるみたいやったで? 248 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID 2AkocHan2 247 kwsk 249 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID aRoUnD/40 247 詳細はよ 250 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID hizamakur 247 おいやめろ お願い やめや! やめてください! 251 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID SteaLthMO 247 お願いするっす! 252 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID kIndaIchi 247 風邪引くから早く 253 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID AcuPanTen 252 お洋服くらい着なさいな 254 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID kIndaIchi 252 布がどっか行っちゃった 255 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID kIkaNjYuU ・顔はカッコイイ ・すごく優しくて、頑張り屋 ・音痴 ・演技力皆無 ・麻雀弱い 先週からコイツの話しかせぇへんようになってしんどいわ 256 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID yuuki+Aoi 演技力無いんだ……少し残念かな 257 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID Yokoyari1 好青年と言った感じか だがとでもアイドル向きではないな 258 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID TokiTokii 255 はぁぁぁぁぁ!?!?? 殺すでホンマ!! ぶち転がすで!! 259 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID iKeDaAcaT こいつ見たことある 確か清澄の奴隷だったし 260 名前:VIPにかわりまして雀士がお送りします[sage] 投稿日 ??? ? ? ?.? ID hizamakur 255 特 定 し た 202 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 02 37 28.36 ID hafmpD9oo [15/16] 【後日 千里山 麻雀部室】 カチャカチャ 怜「なーフナQー?」 浩子「なんや?」 怜「セーラ見ぃへんけど?」 浩子「そう言えば、見ぃへんな?」キョトン 泉「……」ブルブルブル 怜「……?」 竜華「……ふふふ」ニコニコニコ ジャラジャラジャラ 【地中深く】 セーラ「イヤヤー シニタクナーイ シニタクナーイ」 その後、たまたま芋掘りを始めた愛宕監督が地中に埋まったセーラを見つけ出したという。 ちなみにセーラは警察からの事情聴取に対し、何も覚えていないと答えているという。 セーラ「須賀京太郎……覚えておけや!」サカウラミ なぜか京太郎絡みだということだけは覚えているらしい? カンッ! 237 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 14 25 48.60 ID YtyrBRSbo [3/42] 【後日 芸能事務所 アクセル1】 社長「ということなんですが、いかがでしょう?」 須賀ママ「……」 社長「現状の彼ではまだまだアイドルなんて遠い目標です。ですが……」 須賀ママ「社長さん。私はこの子の母親ですよ」 京太郎「母さん?」 須賀ママ「この子のことは誰よりも理解しているつもりです」 社長「……」 須賀ママ「だから……本気だって事くらい、目を見れば分かります」クスッ 京太郎「え!?」 社長「それでは……!!」 須賀ママ「こんな馬鹿な子ですが、よろしくお願いしますね」ペコリ 京太郎「母さん……本当にいいのか?」 須賀ママ「何言ってるの。あんたが言い出したことでしょ?」 京太郎「……ああ」 須賀ママ「やるならしっかりやりなさい。半端な気持ちでやったら承知しないわよ」 京太郎「……おう!」グッ 社長「では、彼は責任を持って私が預かります」キリッ 須賀ママ「あ、その前に一つだけ」ポン 社長「……?」 須賀ママ「サインください……//」モジモジ 京太郎「」 238 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 14 37 18.76 ID YtyrBRSbo [4/42] 【長野行き 新幹線】 須賀ママ「……」ホクホク 京太郎「恥ずかしかっただろ……」ハァ 須賀ママ「あら、いいじゃない。貰えるものは貰っておけば」 京太郎「だけど本当にいいの……かな」 須賀ママ「え?」 京太郎「……俺、転校することになるわけだし」 須賀ママ「そうね。手続きやら何やらで大変よ」ハァ 京太郎「それに、一人暮らしを始めることになるんだぜ?」 須賀ママ「それも並大抵のことじゃないわね」 京太郎「なのにどうして、あんなにあっさり許可してくれたんだ?」 須賀ママ「……」 京太郎「親父だってすっごくうるさいと思うぞ」ウツムキ 須賀ママ「思えば……アンタが我が儘を言ったのはいつ以来かしら」 京太郎「え?」 須賀ママ「カピを飼いたいって言い出したのが、最後だったわね」 京太郎「……」 須賀ママ「……バカな子ね。親に迷惑かけない子供がどこにいるの?」クスクス 京太郎「母さん……」 須賀ママ「アンタがやりたい事を見つけて、お母さん嬉しいんだから」ナデナデ 京太郎「……」ポロポロ 須賀ママ「私の自慢の息子を馬鹿にした学校なんて、こっちから出て行ってやりましょ」フフ 京太郎「……ああ」コクリ 京太郎「ちなみに、どこの学校に転校するんだ?」 須賀ママ「白糸台ってとこよ」 京太郎「え?」 須賀ママ「ほら、照ちゃんのいるところよ」 京太郎「……」 照「……」ヘックチ 菫「風邪か?」 照「多分違うと思う」モグモグ 241 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 14 42 54.73 ID YtyrBRSbo [5/42] 京太郎「照さんか……」ボーッ そう言えば、咲達がそろそろ帰ってくるころか。 あいつら、俺がスカウトされたって聞いたらどんな顔するんだろ? 京太郎「……」 話した方が、いいのか? 京太郎「だけど……」 安価↓3 1 そらもう正直に打ち明けんとね 2 何も言わずにグッバイ清澄! 254 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 14 56 36.65 ID YtyrBRSbo [6/42] 京太郎「言えるわけ、ねぇよな……」 きっと引き止められる。 いいや、それだけじゃねぇ。 京太郎「今の俺がアイドルを目指すなんて言っても、心配かけちまうだけだ」ギュッ 俺はアイツ達を不安にさせたくない。 だから…… 京太郎「だから俺は、何も言わずに去るんだ」ギュッ 悪いな咲、みんな。 だけど俺は必ず……みんなと同じ舞台に立ってみせる! 京太郎「よーし! やるぞー!!」メラメラ 俺がテレビで出てるところを見て、ビックリさせるんだ。 京太郎「……だけど、完全に黙っていなくなるのはまずいよな」 よし。それじゃあ…… 京太郎「……」カチカチカチ 【翌日 清澄高校 麻雀部室】 ダダダダッ! バタンッ!! 優希「たっだいまだじぇー!!」バーン! 久「須賀君ごめんねー。留守中に部室の掃除をお願いして」テクテク まこ「お前さんは本当に鬼じゃな」ハァ 和「須賀君、メールで呼び出して何の話なんでしょうか?」 咲「京ちゃんっ! お土産持って――」 ガラァァァァン 一同「「「「「……え?」」」」」 264 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 15 08 00.20 ID YtyrBRSbo [7/42] 部室「」ピカピカァァァン 麻雀卓「」ピッカァァァン 麻雀牌「」ビッガビッガビッゲストドリィマァ ベット「」ピシィィィィッ! キラキラキラァァァン! 久「凄い……綺麗」 まこ「なんじゃ京太郎の奴、用事ってこの事じゃったんか?」 咲「うわっ、埃一つ無いよ!」 和「本当に凄いですね」キョロキョロ 優希「おぉぉっ!? タコスが置いてあるじぇーっ!!」ダダダッ 久「タコス?」 まこ「隣に手紙も置いてあるのう」カサカサ 和「なんて書いてあるんですか?」 まこ「っ!?」ギリッ 咲「どうか、したんですか?」 久「まこ……?」 まこ「あの……バカモンが」ブルブル 一同「「「「え?」」」」 まこ「京太郎が……この学校をやめおった」 咲「え?」ドクンッ 281 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 15 29 48.05 ID YtyrBRSbo [8/42] <京太郎の手紙> みんな、旅行お疲れ様でした! 旅行に参加しなかった理由なんですが…… 実は俺、転校することになったんです。 その準備とか色々あったわけでして! いやぁ、参りました! 転校の理由なんですが、実は俺みたいなバカにもようやく夢が出来たんです。 それが何かはまだ自信が無くて言えないけど……でもいつか、胸を張って報告出来ると思いますので! だからその日が来るまで、俺を信じて送りだして欲しいです。 それからみんなへ 言われていた掃除は既に終わらせておいたので安心してください 部長、これからはちゃんと自分で買い出しとかやってくださいよ? 次に優希、タコスは作っておいたけどあんまりがっつくなよ? しばらく京太郎スペシャルは食べられなくなるかもしれねぇし。 和には、いくつか謝らねぇといけないな。 いや、ほら……視線とか、気になってただろ? 染谷先輩には……いつも面倒を見てもらっていてすごく助かりました。 これからも、咲達を頼みます。 そして、咲……お前は中学の頃から本当にポンコツでさ いっつもハラハラしながら見てた だけど、いつからかな……お前が雲の上の存在に思えるようになったのは お前はもう一人じゃない。 だから……これからも頑張れ きっとすぐに……追いついてみせるから だかその日まで。 みんな、さようなら いずれBIGになる男 須賀京太郎 ~~~~~~ 優希「あっ……え? ど、どういうことだじぇ?」オロオロ 久「……」ウツムキ まこ「……」グシャッ 和「須賀君……」ギュッ 咲「……」フラフラッ . ¨  ̄ ̄ ¨ . . ´ `ヽ . ´ . ′ . / . ,′ ;. / / / { / / \ / イ /\_ \ _ ∠ イ | / ,ィ  ̄ ̄ | │ l | | | | |. 厶イ | i | ト. ト、 . ト、 .| | | |/ j j从| | |、 | | | ト、 │゚. | ゚. | | │! | ト、圦乂| 乂| \| \| ヽ{ヽ{ イノ 乂_{ jハ 从イ/´ -=ニ`ト . - .イ二ニ=‐- 、_ r=ニ =ニ二|`ト _ . r |二ニ ニ7 }ニ〉 ハ マニ ニ二ハ !二ニ / / /ヽ. / Vハ \ ニ二ハー- -一 j二ニ / / / ∧ ′ \\\ ニ二ハ───‐/二ニ //イ / 293 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 15 41 49.34 ID YtyrBRSbo [9/42] 【数日後 東京 白糸台】 ガヤガヤガヤ 教師「静かに。今日はこのクラスに転入生を連れてきました」 モブ子A「本当ですの!? 新入りですの!?」 モブ子W「でもまぁ、気になりますけど」 モブ子X「しっ、静かにして!」 モブY「興味ねぇな」 モブZ「男だって噂だしな」 ザワザワ 教師「ほら、入ってきて」 ガラガラ テクテクテク 教師「さぁ、自己紹介して」ニッコリ ウワー ケッコウイケテル? カッコイイカモ? イケメンモドキ! 京太郎「長野から来ました須賀京太郎です。将来の夢は――」 ザワザワ ピタッ 京太郎「トップアイドルになることです!!」バーン 淡「……?」 ∧ ト、\ヽ ヽ 〃⌒》 /ハ/ } |ヽ , -‐ ! l 《 ハ_」/ .| | /Vり l | __ oィチ∨_ ̄`| l ィ巧ミ | | ⌒》 / |ァ豸坏| ソ ' i } 〉| ! ヽ。 / ト l〈 { j レ' -‐'' リ 八 / ッ ト `  ̄ ' "" ノ ハゝニニ二! プ ヽ "" ∧ ノ人\ヽ | ア.\\ゝ し' / } \\ < イ\ \ ヽ ー- r i, -- / \ヽ! \ | ド \ } }-、 r‐/ / \ ヽ!ヽ | ルヽ. ト j !` ̄ / / \ | } ? 京太郎「よろしくお願いしますっ!!」ニコッ OP いーまーをっぬけっだそー! てーにふれーたー 京太郎「Glossy future!」キリッ 323 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 17 46 48.49 ID YtyrBRSbo [11/42] 途中飯抜けするけどとりま再開 ザワザワ クスクス アイドルダッテー? マジカヨー? 京太郎「……(や、やっちまったぁぁぁ!?)」ガビーン! 教師「そ、それじゃあ須賀君。席についてくれるかしら?」ヒクヒク 京太郎「あ、はい!」 教師「席は……大星さんの隣がいいわね」 淡「……」ブンブンッ 京太郎「(あいつは……確か決勝で咲と戦った)」テクテク 淡「やっほ。キョウタローだっけ?」 京太郎「ああ。須賀京太郎だ、よろしく大星」ガタッ 淡「長野から来たんだっけ?」 京太郎「ああ、清澄高校からな。決勝でやっただろ?」 淡「ああ、そういえば」 京太郎「実は俺、麻雀部だったんだぜ?」フフン 淡「へー? じゃあ強いんだ?」キョウミシンシン 京太郎「……」トオイメ 淡「おーい、どこ見てんのー?」ツンツン 教師「大星さん、静かにしなさい」 淡「はーい」 京太郎「……」シクシク 淡「ねぇ、今日暇?」コソコソ 京太郎「ん?」 淡「うちの部に遊びに来ない?」ニッ 京太郎「はぁ? なんで急に?」 ぶっちゃけ照さんがいるから行きたくねぇんだよな…… 淡「……ダメ?」ジーッ 京太郎「うっ……!?」ズキッ こいつは悪い奴じゃないし、あまり邪険にしたくない だけど照さんと再開するのは…… 京太郎「どうする? どうすんのよ俺!」 安価↓3 1 麻雀部に行く 2 今日は事務所に行く そのレスのコンマが50以上で淡が着いてくる 3 まっすぐ家に帰る そのレスのコンマが50以上で淡が着いてくる 335 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 17 58 06.65 ID YtyrBRSbo [12/42] 初期値最低→ストイックに練習漬け うっ、頭が…… 332 好きなキャラ選ぶよろし、ただ3年組の方が上手く話が展開できそう ハギヨシさんとかもいいんじゃない?(きゅふふ) 京太郎「悪い大星。今日は事務所に行かなきゃいけねぇんだ」ゴメン 淡「事務所?」キョトン 京太郎「芸能事務所だよ。さっきも言ったけど俺はアイドル候補生なんだよ」 淡「あいどるこーほせー?」 京太郎「いやだから、俺はアイドルなんだよ」 淡「あーそっか。アイドルなんだね」ウンウン 京太郎「まだ駆け出しだけどな」 淡「って!! すごいじゃん!!」ガタッ! クラス一同「「「!?」」」 淡「サインくれる?」キラキラ 京太郎「いや、だから俺はまだ見習い……」 淡「いつか値打ちが出るんでしょ?」 京太郎「そりゃまぁ、な」ドヤァ 淡「だからはい。サインして」キラキラ 京太郎「……変わってるな、お前」カキカキカキ サイン「英雄になる男 須賀京太郎」バーン! 淡「うわー。字が汚いけど、まぁいいか」 京太郎「うっせぇ!」 教師「仲がいいのねー、二人共」ニコニコ 淡京「「あっ……」」 教師「廊下……出ましょうね」ニッコリ ウボァァァァ!! 【廊下】 淡「全部タローのせいだからねっ!」 京太郎「いや、完全にお前だろ!」 淡「うるさぁーい!」 ギャーギャー! 大星淡と出会いました 339 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 18 08 37.52 ID YtyrBRSbo [13/42] 【芸能事務所 アクセル1】 京太郎「という感じで災難でしたよ」ハァ 社長「転校初日からやらかしてくれるね」ハハハ 京太郎「だけど、なんとかやっていけそうです」 社長「それはよかった。では、芸能活動も頑張ってもらうよ」 京太郎「はい!!」ビシッ 社長「まずそこで、今後の方針なんだが」 京太郎「方針ですか?」 社長「本来、アイドルにはプロデューサーとマネージャーが付いているものなんだ」 京太郎「そりゃまぁ、そうでしょうね」 社長「しかし、うちの事務所には声優担当の経験者しかいない」 京太郎「え? じゃあ俺の担当は……?」 社長「……」チラッ 京太郎「……」チラッ ... -―━━..、―- .. / \ \ / { \ \ / ∧ \ \ . / | \ 、 \〉 l | . // l l | \ {≧=┤ 从{ . __ | | l ト、从 y'´_)心}〉 / .. \\ 八{ l |∧y'心 V炒 l/ /⌒ . __ \\__ r┐\ハ八ハ`Vリ . . / /_/ . \\ /´} ∨//し' /. ∧ . ' ___ / / / . _____ 、  ̄ ', 〈 1i { / .、 Vノ / / イ . `_ー‐ァ ∨∧ \ } / 介 .. _... ´ /」__| . ゝ-‐ァ _ ∨∧ )ノ / /≠ニ二フ~ ̄Ⅴl | || . / ', ∨ } ' / / /∠二ニ=- l l | || .. ' ∨ { / /{ /∠~\ l | || \ ', ‘, _」' / ̄|从/\ \ /ノl | || \ \ ', ∨/ / ∨∧ /´ l .| || \ \ /∧ ‘, / /'∨∧/ l .|_|| {\ \ \ ..... --//∧ ‘、/ ,/⌒ヽ∨/ | 从 { \ \ \ ... {///∧ / / ̄/~~\ _ _ \ \ ̄`丶 \.  ̄| ̄‘, / / / } _/\ \ \ \. | ^`ー=彡 / ー┬ 、 \ \ \. |__ . -‐ / / \ \ \ } 〉 ノ / { \ \ \ \// { / { \ }\ }\ \ / { __〉 | \ | \}\ 〉 / }  ̄\ | } | } / /___ } \ ノ | / / /__/  ̄ ‐- { 、 \ | / /匚_/__ . -- . _ ○| \___∧ j/ ∨ ` . .___」 \○ ∧ 竜華「うちや!」デデーン! 京太郎「」 345 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 18 17 19.40 ID YtyrBRSbo [14/42] 京太郎「え? 冗談ですよね? それとも、もうドッキリの仕事が?」ハハハハ 竜華「ちょい待ちぃ! なんやねんその態度!」ウガー 京太郎「いやだって! 明らかにただの女子高生じゃないですか、やだー!」 竜華「ちゃうで、もうじき大学生や!」ドヤァ 京太郎「それでも素人じゃないですかぁぁ!?」 社長「時給980円で働いてくれるっていうから」テヘッ 竜華「いや、ほら。上京してくるのにも金がいるからなぁ」 京太郎「何これナニコレェェェェェ!?」 社長「ちなみに須賀君。君の時給は255円だよ」ニッコリ 京太郎「労働基準法ぉぉぉぉぉ!?」 竜華「住む部屋の家賃、水道、光熱費出してもろうとって何言うとんねん?」ヤレヤレ 社長「レッスン費も無料だしね」 京太郎「いや、それを言われると何も言えないですよ」ズーン 竜華「安心せぇ須賀」ポン 京太郎「清水谷さん……?」 竜華「何があっても、うちがついとる……//」テレッ 京太郎「あ、そうですか」ホジホジ 竜華「なんやねんワレェェェ!?」ガクガクッ 京太郎「」ブンブンブンッ 社長「いやぁ、お茶が上手い」ズズーッ 356 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 18 28 10.40 ID YtyrBRSbo [15/42] 京太郎「」ボロボロ 竜華「こらからはビシバシしごいたる! 覚悟しときや!」プイッ 京太郎「もう既にしごかれているんですが、それは……」ピクピク でも蹴られる時にスカートの中見れたからそれはそれで…… 京太郎「ふへへ」ニヤニヤ 竜華「なんや、にやけて気持ち悪い」ザザッ 社長「夫婦漫才はそこまでにして、話を戻してもいいかな?」 京太郎「あ、はい」 社長「続いてマネージャーの件なんだが……」 竜華「!?」ガタッ 京太郎「清水谷さん?」キョトン 竜華「ちょ、聞いてへんよおじさん!!」 社長「ん? 何がだい?」 竜華「え、ここはうちが須賀の面倒を全て見るってシーンやないの!?」 社長「そんなの無理に決まってるでしょ。765プロじゃあるまいし」 京太郎「765プロ……あの超絶ブラック企業と有名な」ゴクリ 竜華「うぅ……」 社長「まぁ、我慢してくれ。若い子だから君たちも気に入ると思うよ」 京太郎「え? もう決まってるんですか!?」 竜華「どんな奴や?」ジトーッ 社長「では、早速入ってきてもらおうか」パンパン ガラララッ テクテクテク ???「……」 京太郎「あ、貴方は!?」 京太郎が出会った女性とは一体誰? ※これから京太郎のマネージャーとして活躍するかもしれない人です ※口調等は気にしなくていいです(後でなんとか話合わせます) ※咲キャラの女性で、清澄メンバー以外(アラフォー達も当然おk) ※三年以上推奨、別に↓でもおk 最初に数人安価で決めて、その後に多数決します なので、まずは候補を決めましょう(同人物、清澄勢の場合はひとつずつズレます) 一人目 ↓2 二人目 ↓3 三人目 ↓4 四人目 ↓5 五人目 ↓6 394 名前: ◆RwzBVKdQPM[saga] 投稿日:2013/08/21(水) 18 47 31.11 ID YtyrBRSbo [17/42] ,≠´ `ヽ /. \_ . ∧ マ ``丶、 // 、 / ' / W*、 \ ,′ | \| ∨ | } i i \ }\. ,.≠ { | | ∧| i i /| /| i|!| ヽ / .. / ; W ∧ / ヽ }从,x=≠≪jノリ j / } ,, ゙ / V V ,z==ミ、 'ブ ノ},灯‐く ,.≠´ /. / { ;/ ヽ ぅ*イ ,ノ ハ 弋辷ソ .!' < / i 乂 i{ 〉^ヾ 弋辷ソ /// ! < / ! ≧=‐-‐ ヤ_,,゙ , /// ′ j''′`¨¨¨¨´ ‘ ; /\_゚ r  ̄, ′ |. \ _;; *''´ ゝ. 、__/ / __人,r-、 , ‐- 、. `¨⌒ ` .,_, イ__ `Y´\ ヽ/ / `ヽ ハ] _少゙ \ _____ | ' , `〈_,/ / } __/ `7V¬ i `ヽ { ∨_,z / , ´ | o / ' , o / ' , A / / \/\_/\/ |\ /} / \ {___} / ', |  ̄ ̄i| / Y i ´ 厶=-‐/ | xく/\ ∨ i | ∨'///,/ } / \/\ | || } ̄ ̄| / / \/\ | | | j / 煌「花田煌です。よろしくお願いします」ペコリンチョ 京太郎「煌さん!」 煌「ふふっ、お久しぶりです京太郎様……」ボソッ 京太郎「しっ! ここでそれはやめてください!」アセアセ 煌「承知しました」フフフフ 竜華「花田、煌……」 煌「あっ、清水谷さん。お久しぶりですね」スバラッ! 竜華「待ちぃ、確か花田さんは二年やったろ? 学業はどうするん?」 煌「それはどうかな! そもそも、どうして私はここにいるのでしょう?」ニヤリ 竜華「は? もしかして……?」 選択安価 ↓3 1 煌「転校してきました」バーン 2 煌「辞めてきました」ニッコリ
https://w.atwiki.jp/ocltslyrkyo/pages/126.html
13位「オカルトスレイヤー」 須賀 京太郎 ベーススタイル:『技術昇華』 攻撃力:40/40 防御力:40/40 速度:40/40 技術:60/60 幸運:10/10 気力:80/80 ※(40+60)/2+10=60 コンマ40以上にて聴牌 ※40×(10+60/2)=1600 これをコンマ一桁倍 『情報(0)』 『分析(0)』 『対策(0)』 【六欲天】『他化自在天(10)』 オカルトに由来する能力を逆手にとり、己の読みの材料とする。 他化自在天の表す魔から生まれた言葉の意味に、男性・障害・破棄・殺者がある。 【六欲天】『楽変化天(10)』 手牌読み・捨て牌カウンティングによる王牌読みの極致。 自ら作り出す快楽。カンドラ爆撃。 【六欲天】『兜率陀天(10)』 手牌読み・捨て牌カウンティングによる山読みの極致。 弥勒の慧眼。一発ツモ和了。 大津の園城寺にて、弥勒菩薩を本尊として修する法会があり、それを竜華会と呼ぶ。 【六欲天】『須夜摩天(10)』 手牌読み・捨て牌カウンティング・山読み・王牌読みによる一点読みの極致。 夜摩とは閻魔に通じ、閻魔はヤマに通ずる。 ヤマは牛頭天王に通じ、牛頭天王は本地して建速須佐之男命となる。 【六欲天】『三十三天(10)』 帝釈天、即ちインドラの矢。手牌読みによる高精度の狙撃。 【六欲天】『四大王衆天(10)』 四つのアナログ技能の昇華 『他家利用(アガリ潰し・鳴き呼び・鳴き封じ)』『攻守・攻速変換』『心理攻撃』『???』 ★麻雀スキル 『情報(0)』 事前に、牌譜や映像などを収集する。 コンマ判定により、収集できる情報量が変化する。 なお、この技能は闘牌以前にしか使用不可能。 『分析(0)』 技術+判定コンマ=100以上にて、対象の分析が完了。この判定は半荘毎に行える 『対策(0)』 『分析』済みの相手との闘牌に際し、1名につき技術+5 『オカルトスレイヤー(10)』 オカルトという独自の論理を読みとき、それを推理や読み、戦いの足掛かりにする技能。 分析済みの同卓する面子の能力により、聴牌判定に正の補正を得る。 この効果はあらゆるオカルトにより無効化されず、変更されない。 『最古の害虫(10)』 飛蝗が群生相となるように――卓上の流れが密集し、膠着することにより京太郎の読みは威力を増し、山に及ぶ。 全員の聴牌判定“コンマ”が一定範囲内の場合発動可能。 和了判定時、自身の速度を技術で代替して割合を算出し判定を行い、 自身の和了による打点判定時には、攻撃力を技術で代替する。 『偽・闇を裂く雷神(10)』 『偽・神眼の拳闘家(10)』 『偽・悪魔の天敵(10)』 聴牌判定差一定以内の相手のツモ・ロン和了を妨害し、その他聴牌者の和了に変更する。 『偽・天上の荒武者(10)』 自身のロン和了及びツモ和了時に発動可能。 和了の対象を聴牌判定値一定内から選択する。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6134.html
京太郎主役のSS メインは有珠山 非安価(メンバーの詳細が明らかになっていないのに安価すると確実に破綻する) Qじゃあ何故書いたし? A求められた気がした 基本的にポストはやりんである真屋由暉子とHする内容 性的表現が含まれますので、未成年はご遠慮ください 不定期、遅筆。好き勝手に書く 上記の注意点に賛同できない方は、閲覧をご遠慮することを勧めます それ以外の方は、理解した上でご拝読をお願い致します 最後に非常に大事なことを言っておきます この世界では、『下着』が存在します ◆序章 両親の仕事の都合で、京太郎は生まれ育った長野と、幼なじみの少女と別れを告げることになった。 この時点で安っぽいギャルゲーのような展開を感じざるを得ないかもしれないが、寛大な目で見守って欲しい。 だがそんなメタ的なことを考える余裕もないほど、京太郎は沈み込んでいた。 短い期間とは言え、麻雀部唯一の男子として、全国大会に臨む少女たちの力になっていた京太郎。 最後まで彼女たちの仲間として残れなかったことへの悲壮感が、彼をそこまで追い込んでいるのか。 京太郎「……なんてことだ」 新たな土地に向かう電車の中で、京太郎は嘆く。 ここまで抑え込んでいた後悔の念を、独り零す。 それは…… 京太郎「もう、和のおっぱいを拝めないなんて」 周りの女性から冷めた目を向けられる慟哭であった。 京太郎は生粋のおっぱい星人である。 麻雀部に入ったのも、もともとは巨乳美少女の原村和とお近づきになりたかったため。 『大会始まれば画面越しで見れるじゃん?』という慰めも、今の彼には通用しない。 京太郎が求めるのは、実物のおっぱいである。 息づくように存在感を放つおっぱい。 僅かな動作で揺れるおっぱい。 卓に乗ってしまいそうな重圧のおっぱい。 それを肉眼で、生で見なければ、京太郎は我慢ならないのだ。 京太郎は泣いた。 わりと本気で泣いた。 おっぱい星人である彼が見つけた、理想的な二つの膨らみ。 それを、もう画面越しでしか拝めることができないのだ。 うおおおおっ! と唸るように京太郎は頬を大粒の涙で濡らした。 彼を泣く泣く見送った部員たちの厚意が、一気に冷めるだろう、最低な嘆きであった。 確かにここまで不純な動機で麻雀部に所属していたというのは、責められるべき点かもしれない。 だが、彼はただ『純粋』だったのだ。 己の欲望を誤魔化すことができない人種。 常にオープン状態という、ある意味で清々しい男。ギャグで言っているわけではない。 ――そしてなにより、それほどのおっぱいへの拘りと、欲望の抑制ができない彼でなければ、この物語は始まらないのだ。 京太郎を乗せた電車は、やがて到着点へ近づく。 トンネルを抜けると、そこは雪国…… 夏なんだからあるわけねえだろボケ。 京太郎「というわけで、来ました北海道」 京太郎はとりあえず、「あーあーあああああーあー」と歌っておいた。 ホタルー…… 京太郎の転校先は、南北海道に位置する有珠山高校であった。 ミッション系の学校らしく、制服には十字の紋様が添えられている。 どこの高校でもそうだが、あくまで教育理念を目標として生活するように、と言っているだけで、 決して入信を強制しているわけではない。 朝礼兼ミサにしっかり参加さえすれば、基本的に個性は尊重される。 それでも以前の高校とは異なる校風に、京太郎は戸惑った。 だが、元来気さくな性格のおかげで、ひと月もすればすっかり友人たちもできていた。 新たな部活仲間も。 爽「京太郎ー。この衣装スケッチ、ファイリングしといてー」 京太郎「あいあいさー」 京太郎は転校先でも麻雀部に所属した。 最初の動機は和のおっぱいであったが、やはり経験のある部活に身を置くのがベストだろうと踏んだのだ。 以前の麻雀部で雑用をこなしていたと自己紹介したら、問答無用で雑用係を命じられた。 アンマリダー、と大袈裟に泣いた京太郎だったが、後輩の役目であると言い聞かせて、実直に勤めた。 それが結果的によかったようである。 京太郎の無駄のない仕事ぶりに感心した部員たちは、あっという間に彼を信頼した。 そうして今日も、信頼と好意を持たれた上で、雑用を任せられる日々である。 衣装のファイリングって麻雀と関係あるん? というツッコミには後に答えさせていただく。 新たに入部した麻雀部は、清澄と似たメンバーで構成されていた。 まず、少数精鋭という共通点。 そして男子は都合よく京太郎だけ。本当に都合のよい。 揺杏「京太郎~。お前もよかったら、こういうヒラヒラ着てみるか~?」 京太郎「ジョークでもやめてください岩館先輩」 少人数の部活ともなると、人間というのは決められたポジションに着くものなのかもしれない。 京太郎は部員の一人ひとりに、まるで清澄麻雀部メンバーの、面影のようなものを感じていた。 二年の岩館揺杏は、度々間延びした口調で京太郎をからかう。 まるで以前の部長である竹井久のように。 爽「ふむ。京太郎のルックスなら、女装もイケルかもね」 揺杏のからかいに同調する三年の獅子原爽は、久の相棒とも言える染谷まこと言ったところか。 誓子「京くんの女装かぁ。ちょっと見てみたいかも」 穏やかにクスクスと微笑みながらお茶を用意しれくれる桧森誓子は、少しトゲの少ない原村和のようであった。 成香「あ、あのあの。京たろーくんが嫌がることは……いつも、私たちのために雑用をしてくれているのに」 控えめに京太郎のフォローに回る本内成香は、長野でもよく擁護役となってくれた幼なじみの宮永咲だ。 完全にそっくり、というわけではないが、京太郎に与える影響力や立ち回りは、やはりどこか似ている部分があった。 となると、残るのはよく京太郎に絡み、懐いていた小柄な片岡優希だが……。 確かに、小柄という点は共通している。 京太郎を振り回し、悩ましているというところも同じ。 しかし、その『振り回し』は、優希とはまったくベクトルの異なるものだった。 なにより、性格も雰囲気も……そしてその肢体も、優希とは完全に真反対である。 『彼女』は、京太郎の女装の話題にも、無表情に反応しているだけだった。 由暉子「女装ですか。私は須賀さんがそういう格好をなさっても、別にいいかと思いますよ」 そう言って真屋由暉子は興味なさげに、クールに肩を揺らした。 その瞬間、彼女の動作の反動で、大きく揺れる二つの物体。 それは、決して優希が持っていなかったもの。 有珠山麻雀部の他の部員も持たない、究極の逸品。 そう、それは…… おっぱいである。 京太郎(やっぱり由暉子の胸デカァァァァァァァァァイっ!!) 京太郎は心の中で歓喜の咆哮を上げた。 京太郎と同じ一年生である由暉子は、身長だけ見れば、まるで小学生と錯覚してしまいそうなほど小柄である。 優希も小さかったが、由暉子はそれ以上に低身長かもしれない。 京太郎と並んだら、彼の胸に届くか届かないほどである。 だが、由暉子の驚くべき点はもっと別にある。 まるで身長の成長が、すべて他の部分に行ってしまったかのように、その肉体は『たわわ』なものなのだ。 京太郎(ゴクリ……) 何度見ても、思わず唾を飲み込んでしまう。 制服越しでも輪郭がわかるほどに膨らんだ、豊かな胸部。 同じ内臓が詰まっているのか心配になるほどに細い、蜂のようにくびれたウエスト。 そしてその下では、思わず舌舐めずりしたくなるような、丸い足腰が存在を主張している。 白いサイハイソックスに包まれた太ももは、細く引き締まりながらも、適度な肉厚を備え、むっちりとしている。 肌色と白色のコントラストが、実に扇情的だ。 そんな官能美を見せつける肉体に加え、その容姿も、飛び切りの美少女と来ている。 その手の性癖を持つ男からすれば、まさしく垂涎の的と言えた。 京太郎はいままで、小柄な女性には無関心だった。 よく自分に懐いていた優希や咲も、仲良しではあるが、決して異性として意識はしていなかった。 それは、煩悩まみれな彼なりに、未成熟な少女に欲望をいだいてはならないという、良識があったためだ。 同い年であっても、見た目が幼女のような異性には、どうしても欲情などいだけなかった。 由暉子に出会うまでは……。 京太郎(うっ。また、元気になりやがった。治まれ治まれ。こんなところ皆に見られたら……) 硬く起立し始めた股間に、京太郎は意識を向けて、それ以上の脈動を抑える。 しかし頭の中に浮かぶのは、由暉子の小柄ながらも艶かしい痴態ばかり。 有珠山高校に来てからというもの、もう何度も京太郎は、彼女を想像しては分身をいきり立たせている。 制服に包まれた大きな乳房を。 ミニのスカートからチラチラと覗く尻肉を。 ソックスのゴムから溢れるむちむちの太ももを。 想像すればするほど、禁断の欲望が鎌首をもたげる。 小柄な少女に欲情などするはずがない、という彼の価値観を壊してしまうほどの魅力を、由暉子は備えていた。 あるいは、男を堕落させる魔力と言うべきか。 京太郎(由暉子……はぁはぁ、由暉子……) 結局は、豊満な胸を持った相手ならば、誰でもよかったのか? そういうわけでもない。 京太郎は、同い年ながらも、毅然と振る舞い、落ち着きを持った由暉子に、どこか憧憬に似た感情をいだいた。 その佇まいは、どこか和に似ていると言えた。 恋した彼女を重ねて、見ている節もあったのだろう。 しかし、いつしか由暉子だけしか考えられないようになっていた。 彼女への思いは徐々に肥大化し、やがて彼女のすべてをモノにしたい衝動へと昇華された。 いま、このときも、京太郎は暴れ出しそうな衝動を、必死に抑えている。 由暉子「……須賀さん」 静かに葛藤する京太郎の苦労も露知らず、由暉子は彼の制服をきゅっと握る。 感情の波が感じられない上目遣いで、じっと彼を見据える。 由暉子「須賀さん。本日も、サポート、よろしくお願いします」 由暉子が小さく会釈すると、合わせるように乳房もたわんだ。 京太郎は溢れる情欲を塞き止めながら、にこやかに頷いた。 そう、今日も彼女のサポートをする。 その役割の、なんと幸福なことか。 京太郎が、有珠山高校で雑事に専念するのは、ひとつ理由がある。 それは…… 京太郎(俺は、俺は……) このやらしい肉づきをした小柄な少女の『マネージャー』ということだ。 アイドル雀士として、現役アイドルである『瑞原はやり』のポストとなるための逸材。 有珠山麻雀部が目指す、もうひとつの目的。 京太郎は、そんな彼女のマネージャーを任せられた。 それは最も近しい立場。 彼女の日常に密着できる存在。 京太郎(俺が必要と言えば、由暉子の生活にだって、干渉することができる……) マネージャーという役割を利用して、もっと彼女と近しくなる。 それは、望みさえすれば可能なのだ。 少し勇気を持てば……。 いや、さらなる邪念があれば、の間違いか。 それが実行すれば、自分たちの距離は、今よりももっと縮まるだろう。 果ては、もっと親密に、深く……。 京太郎(あぁ。由暉子……かわいい由暉子……) 理性と本能との葛藤の裏で、下卑た欲望の種は、静かに芽を息吹き出し始めていた。 序章・了 京太郎のマネージャーとしての仕事。 仕事とは言っても、専門的なことをするわけではない。 所詮は学生がやっていることだ。プロには及ばない。 単純なスケジュール管理や、衣装製作のための材料集め。そういったものばかりだ。 細かいチェックが必要なとき、男手が必要な場合、京太郎の仕事は回ってくる。 しかし最近では、衣装作りの裁縫も嗜み始めている。 揺杏「京太郎さ~お前吸収力早いよな~」 京太郎「岩館先輩の教えがいいからっすよ」 由暉子の衣装専門である揺杏は、あっという間に裁縫のノウハウを身につけてしまった京太郎に感心の目を向けていた。 もともと要領がいい京太郎だが、そこにはある熱意がこもっているからでもある。 京太郎(際どい衣装が作れるようになれれば、由暉子がそれを……グヘヘ……) 爽「京太郎から邪念を感じるぞ」 京太郎「なぜバレたし!?」 揺杏「そりゃそんなゲス顔されればね~」 京太郎「マジですか」 成香「京たろーくん。不潔です……」 誓子「なるかは繊細だねー。それとも嫉妬かな?」 成香「……ち、違いますよ」 京太郎(ヤバい。こんなところ由暉子に見られたら幻滅される」 爽「漏れてる漏れてる」 由暉子「別に平気ですよ?」 京太郎「べ?」 由暉子「男性ファンの中には、そういう色欲の目を向けてくる方もいるんでしょ?」 由暉子「なら、そういう目にも慣れなければいけませんし、私そこまでデリケートじゃありません」 爽「さすがユキ。ゲスい男の性欲に動じないその精神力。いいねいいね」 男の性欲の対象にされても気にしない由暉子の精神力は、寛容というよりは、あまりに抵抗感がない、と言えた。 それが証拠に、揺杏が作る大胆な衣装も、彼女毎回はまったく動じずに着こなす。 京太郎(由暉子のそういうところ、男にとっては理想的だけど……) 誰でも平気そうに身を差し出しかねない由暉子の態度に、京太郎はヤキモキする。 爽「しかし、言われるまで気がつかなかったけど、確かに男のスケベ心を掴むやり方は考えてなかったな」 京太郎「え?」 爽「今までの衣装は、はやりんを意識した似たようなのばかりだったし、ここはまた別方向で挑戦してみるか」 揺杏「いいね~。ちょうどスケベ心の化身である京太郎もいることだしね~」 京太郎「ひどい言いわれよう」 誓子「違うの?」 京太郎「違いません。ごめんなさい」 純真な目を向ける誓子の前では、何故か嘘を吐けない。 誓子「素直でよろしい」 誓子に頭を撫でられる。 思わずニヤける京太郎。 京太郎「ぐへへ」 成香「むっ。えい」 京太郎「イテッ! な、なんで脛蹴るんですか成香先輩」 成香「し、知りませんっ」 成香は、ぷいっと頬を膨らませた顔を逸らす。 誓子「アハハ。ごめんね、なるか。怒らないで?」 成香「お、怒ってません」 京太郎(成香先輩、いつもは俺に優しいけど、ときどき唐突に怒るんだよな) その頻度は、彼女以外の女性と仲良くしている時に多い。 京太郎「ハッ。さては、成香先輩、俺に対して特別な思いを……」 由暉子「都合のいい妄想して違っていたら、致命的に恥ずかしいですよ?」 京太郎「はい……」 由暉子に諭され、甘い妄想を打ち消す。 爽「さて、話は戻るが。京太郎、マネージャーであるお前にひとつ仕事を頼もう」 京太郎「あ、はい。何ですか?」 爽「覚えたての裁縫で、ユキの衣装を作ってみろ」 京太郎「え? 俺が? 衣装製作は岩館先輩の担当でしょ?」 爽「だから今までのとは違う衣装を作るんだよ。それには京太郎が適任だと思うんだ」 京太郎「え~っと、つまりそれは……」 爽「うん。男の煩悩を刺激するエロ衣装を、お前の趣味全開で作ってみろ」 京太郎(なに、そのある意味公開処刑……) というわけで、京太郎は由暉子の衣装を作ることになった。 由暉子「どうぞ」 京太郎「お、お邪魔します」 由暉子の自室に案内され、緊張気味の京太郎はおずおずと入る。 今回の衣装作りは、二人で打ち合わせをして決めて欲しい。 という指示を爽から受けたのだ。 それならばと、由暉子はどちらかの自宅で話し合おうと提案した。 その提案に真っ先に反応を見せたのは、打ち合わせとは関係ない成香だった。 成香『ダ、ダメです! そ、そんなことしたら……』 由暉子『何か不都合でも?』 成香『あ、い、いえ、そういうことではなくて、あの、その……うぅ……』 何か言いたいことがあったらしい成香だが、控えめな性格が災いして、結局押し黙ってしまった。 泣く彼女を誓子がよしよしと頭を撫でていたが、京太郎にはチンプンカンプンである。 そして学校から近い由暉子の家で打ち合わせすることになった。 由暉子「お茶でも入れてきます」 京太郎「お、おう」 由暉子がリビングに向かう。 彼女の自室に一人残された京太郎は、正座をしながら身体を硬直させていた。 なにせ、意識している異性の部屋にいるのだ。これで落ち着けというのが無理な話というものである。 京太郎(意外と女の子の部屋って感じだな。そういえば和も、堅いイメージに反してファンシー好きだったっけ) 由暉子の思わぬ少女の面を垣間見たような気がして、京太郎はますます緊張した。 しかし、沈黙が続くと、逆に湧いてくるのは卑しい感情だ。 ……今ならば、好き勝手に部屋を詮索できるのではないか。 そんな欲望が起きる。 いやいや、さすがにそれは……と頭を振る京太郎だが、身体は勝手に動いていた。 欲望に忠実な手は、タンスに伸びる。 あの中に、由暉子がいつも使っている下着が入ってるのだ。 小柄な肢体に似合わない、大きな乳房を包むブラジャー。 むちむちとした尻肉を覆うショーツ。 それが、いくつもいくつも……。 京太郎「……」 ダメだ。ヤレ。いけない。やるんだよ。 理性と本能が交錯する。 これまで溜めに溜めていた劣情が、由暉子の部屋に来たことで、一気に爆発しようとしている。 俺はここまで下劣だったのか、と自己嫌悪ではなく、自己憎悪に近い負の感情が沸き立つ。 それでも、手は意識から独立したように、タンスを開けようとして…… 由暉子「お待たせしました。紅茶でよろしかったですか?」 京太郎「あ、あぁ。あんがと」 部屋の主が戻ってくると、京太郎はすかさず元の位置に正座した。 由暉子「……何か気になることでもありました?」 京太郎「い、いや別に……」 そうですか、と由暉子はテーブルに紅茶とクッキーを並べた。 途中で正気に戻れて心底安堵した。 鋭い由暉子は、京太郎の不審な態度から何か思ったらしいが、特に指摘することはなかった。 再び安堵しながら、京太郎の目線は、紅茶を並べるために屈んでいる由暉子に向かう。 屈んだことによって、大きな乳房が重力に従った形を描いている 先ほどのことを懲りず、煩悩はまだ影をちらつかせている。 彼女の動きに合わせて揺れる豊乳は、テーブルにつきそうなほどだ。 唾を飲み込みたくなるのを必死に我慢した。 いけないのに、どうしても彼女を性的な目で見てしまう。 由暉子「それでは、衣装について打ち合わせをしましょうか」 彼女のほうから本題を提示する。 京太郎は熱した頭を振って冷まし、自分がすべきことに専念する。 今日ここに来たのは、新しい衣装の作成をするためだ。 与えられた役割をしっかりこなそうと意識を働かせることで、京太郎は劣情を掻き消そうとした。 しかし、内容が内容だけに、京太郎の煩悩は増すばかりだった。 由暉子「ですから、殿方はどういう時に劣情を催すのですか?」 京太郎「いや、だから、それは、胸元とか……」 男のスケベ心を狙う衣装ということで、先ほどから話題はそっち方面ばかりだ。 由暉子「つまり、胸の谷間が見えるような衣装にすればいいのですね?」 京太郎「まぁ、そうだけど。あ、でも嫌なら、別にいいんだぜ?」 由暉子「何故? そういう目的の衣装を作るんでしょ。なら、気にしませんよ」 彼女はどこまでも抵抗感を見せない。 それが必要なことならば、とあっさり納得してしまうのだ。 本当に何でも了承してしまいそうな勢いを感じる。 それを危なっかしいと思う一方で、卑しい願望が浮上してくる。 ダメだ、と黒い欲望を打ち消して、話し合いを続ける。 由暉子「スカートも、下着が見えるぐらいがいいですかね。あとスリットも」 京太郎「いや、それは、いくらなんでも露骨過ぎないか?」 由暉子「意図的過ぎるものは、逆に冷めると?」 京太郎「ま、まぁそうかな」 由暉子「では、スカート丈はいつも通りに」 それでも短いスカートに変わりないが。 由暉子と相談しつつ、新衣装のデザインが出来上がっていく。 由暉子「こんなところでしょうか。どうですか須賀さん? 男の人から見て、興奮しますか?」 京太郎「お、おう。するよ。というか、俺の好み聞いて描いたんだし……」 出来上がった衣装スケッチは、完全に京太郎の趣味が丸出しの、際どいものとなった。 己の卑しい部分を見せ付けられているようで、京太郎は羞恥に悶えそうになった。 由暉子「了解しました。ではこの衣装で作業を進行しましょう」 そう言って、由暉子は立ち上がる。 打ち合わせが終わり、京太郎はホッとして溜め息を吐いた。 由暉子との二人だけの時間という、甘美な状況だったが、正直心臓に悪い。 語っていた内容も手伝って、変な気持ちが絶えず顔をチラつかせる。 また暴走しかける前に、京太郎は荷物をまとめてお暇しようとした。 京太郎「っ!」 しかし、目の前の光景に、京太郎は我が目を疑った。 京太郎「お、お前! な、何してんだ!?」 男の前で、由暉子は制服のボタンをプチプチと外していたのだ。 由暉子「何って、次にやることは決まっているでしょ?」 京太郎「な、何をだよ!?」 由暉子「採寸です」 ブレザーのボタンをすべて外し終わり、するりと脱いでいく。 ブラウスに包まれた胸部が現れた。目を凝らせば、奥の下着の色もわかってしまいそうだ。 京太郎は思わず目を逸らした。 衣擦れの音が続く。 由暉子「今日の内にできることは、済ませてしまいましょう。時間は有効に使うべきです」 京太郎「だ、だからって、俺にやらせることないだろ!」 由暉子「衣装製作を任せられたのは須賀さんですよ? あなたが全部やらないでどうするんです」 スカートのホックを外した音がした。 見てはならないと京太郎は思う。 しかし視線は音に釣られるように、発生源の元へ向く。 桃色のショーツが目に入った。 かわいらしい色だが、デザインは中々に過激だ。 際どいラインを描くそのショーツは、ぷっくりと膨らんだ豊かなヒップを包んでいる。 パサッと脱ぎかけのスカートが床に落ちた。 白いサイハイソックスと、ショーツだけの下半身が丸出しになる。 京太郎の視線を浴びても、由暉子は躊躇せず、ネクタイを外し、ブラウスのボタンにも手をかけ始めた。 プチ、プチ、と、スローモーションのように、外されるボタンの動きが鮮明に見える。 胸の谷間が見えてくると、外される反動で、ぷるんと揺れ始める。 ブラはショーツと同じ色とデザイン。 やはり、小さな身体に不釣合いな、凶悪過ぎる膨らみがそこに実っていた。 アンバランスな大きさが、逆にエロスでもある。 すべてのボタンを外し、ブラウスも脱ぎ捨てる。 これで完全に半裸となった。 小柄で凹凸の激しい肉体には、桃色の下着と白のソックスだけが残された。 京太郎は見惚れた。 完成された肉体美が、目の前にあると思った。 艶かしいラインを描き、膨らむべきところがしっかりと膨らみ、引っ込むところが引っ込んだ奇跡の肉体。 それは、想像していたよりも、刺激的だった。 無表情なまま、由暉子は下着姿を京太郎に曝す。 由暉子「早く計ってください。夏とは言え、風邪を引きます」 京太郎は、まるで誘蛾灯に引き寄せられるように、コクリと頷いた。 もう、理性の均衡は崩れつつあった。 メジャー測定器を由暉子の身体に回していく。 まずはバスト。 桃色のブラに包まれた巨峰がたわむ。 由暉子「ん……」 メジャーの紐によって歪んだバストが目の前にある。 視覚的に興奮を煽られる光景だ。至近距離だと、彼女のいい香りも感じ取れる。 京太郎は過剰に分泌される唾液を飲み込みながら計測をする。 数字を読み込むのにそんなに時間はかからないのに、京太郎は長い時間、メジャーをバストに巻きつけていた。 由暉子も文句を言う様子はない。調子に乗って強く締めつけて、紐から乳肉が溢れ出しそうになっても黙っている。 広い胸の谷間が、白い光沢を放っている。触れていなくても、艶のいい質感を秘めているのがわかる。 紐から零れんばかりの乳肉も、その柔らかさを物語っている。 由暉子「まだですか?」 さすがに長い時間バストの計測をしているため、由暉子が声をかけてきた。 慌てて次はウエストを測る。 やはり細い。乳房が大きい分、余計に細さが際立つ。 バストのカップ数は、身長とウエストの数値によって大きく変わる。 ただでさえ数字の大きい由暉子のバストは、低身長とウエストの細さのせいで、とんでもないカップ数を誇っていた。 数値によって具体化された由暉子の肢体の豊満さに、京太郎は改めて圧巻する。 欲望の火が沸々と理性を蒸発させていく。 最後にヒップだ。 低身長の下半身に寄るため、京太郎は床に這いつかんばかりに、低姿勢となる。 下から由暉子の半裸を見上げる。 胸元の肉が大きな山を作り、由暉子のかわいらしい口元を隠している。 くびれたウエストと、健康的な生足も実にセクシーだ。 鼻の息が荒くなるのを自覚しながら、京太郎はヒップにメジャーを回していく。 尻肉も豊かだ。 きゅっと引き締まっているにも関わらず、丸いラインを描き、程よい肉づきをしている。 太ももの付け根が目に眩しい。サイハイソックスから上の肌色が、絶妙な存在感を放っている。 思わず、そのムチムチとした太ももに頬ずりしたくなる。 それを必死に堪えながら、京太郎はヒップを計測する。 ショーツと共にたわむ尻肉。 電車に乗っていれば間違いなく痴漢の対象になっているだろう、実に悩ましい形だった。 京太郎「……」 下着の桃色に感化されるように、京太郎の脳内も色欲に染まっていく。 もう頭の中には由暉子のことしかない。 京太郎(由暉子……) 恋愛感情と呼ぶには、あまりに露骨な性的衝動。 しかし、それに対する自己嫌悪も、忌避の感情も、やがて磨耗して消えていく。 寧ろ、これほどの肢体を前にして欲情しないというのが失礼じゃないか、という都合のいい思考に向かう。 計測が済むと、京太郎は結果数値を書き込んでいく。 その数値は、彼女のデリケートな部分に踏み込んだ証だ。 まるで由暉子が自分のものになったかのような錯覚を起こさせる。 衣装作りのためとは言え、同い年の少女のスリーサイズを測る。 とても経験できるようなことではない。 彼女の下着姿を拝め、淫靡な数値まで知ることができたのだ。 それだけでも少年にとっては、しばらくの間使える自慰のネタだ。 ……しかし、火の着いた性欲は、どこまで貪欲だった。 溶けきった理性は、とうに働いていない。ただ煩悩のままに、彼を衝き動かす。 もっと欲しい。触れて、その温もりを感じたいと。 由暉子「須賀さん。もう服を着てもよろしいですか?」 数値を書き込んだ京太郎を見て、計測は済んだと判断した由暉子は制服を拾い上げる。 京太郎「……いや」 そこで京太郎は待ったをかける。いやに冷静な声で。 自分の声と思えなかった。 京太郎「もっと、詳しく、細かく調べたい」 特殊な衣装だから、メジャーだけではなく、実際に身体に触れてみないと、ちゃんとしたものを作れない。 そんな下心が丸見えな提案に、由暉子は躊躇なく頷いた。 由暉子「マネージャーさんが必要と言うなら、その通りにしましょう」 彼女はあくまで合理的だった。 そして抵抗しない。心配の種だった由暉子の警戒心の薄さは、今の京太郎にとっては好都合でしかない。 下種なのはわかっている。それでも止められない。 由暉子と二人きりの空間で、彼女の下着姿を見て、スリーサイズを測った。 それだけでもう、彼は限界だった。由暉子も抵抗しない。 ならいいではないか。もうどうにでもなってしまえと、本能に従うだけの野獣と堕ちる。 京太郎「じゃぁ、そのままの格好で、じっとしてて」 由暉子「はい」 言われたとおり、由暉子は直立不動で京太郎の前に立つ。 まるで精巧に作られた人形のようだ。それも卑しい目的のために作られた愛玩人形。 感情の機微が感じられない態度が、余計にそう思わせる。 しかし彼女は確かに生きた少女なのだ。艶かしい肉体を息づかせる美少女だ。 その少女の柔肌に、卑しい男の手が伸びる。 由暉子「ん……」 最初は少し触れるだけ。それこそ、本当に素手で計測するような動きだ。 なめらかなウエストから、下へ滑らして、腰元に手をあてがっていく。 だがその動きはやがて撫でさするような露骨なものとなる。 腰元から後ろへ手を回し、豊かなヒップを撫で回した。 掌にたっぷりとした肉感が広がる。ショーツの生地が手に心地いい。 そのまま豊満なヒップを弄る。由暉子はそれでも抵抗しない。 解放された情欲が調子に乗り出す。 ショーツの中に手を差し込んだ。布のない柔肉が直に感じられる。 最早計測とは言い難い撫で方でも、彼女は動じない。あくまで手による計測だと思い込む。 京太郎「はぁ、はぁ……」 息が荒くなる。由暉子の素肌に触れているという事実が、より彼の興奮度を上昇させる。 存分に尻肉の感触を味わうと、そのままねっとりと舌で舐めるように、手を太ももへと滑らせ、上へと昇っていく。 彼の目的はただひとつである。 ブラに包まれた豊乳を鷲掴んだ。 由暉子「あ、ぅ……」 強く掴みすぎたせいか、さすがの由暉子も眉を歪ませた。だが文句は言わない。言われたとおりじっとしている。 由暉子の態度に満足した京太郎は、夢にまで見た彼女の豊乳を揉みしだく。 京太郎よりもひと回りもふた回りも小さな身体だと言うのに、二つの乳房は彼の手から溢れんばかりのボリュームだ。 ブラ越しでもその柔らかさがはっきりとわかる。生地からこぼれる乳肉が、男の劣情をさらに煽る。 いつまで揉んでいても飽きがこない。まさしく世の男の願望が結集したような至高の逸品だった。 下から持ち上げて、たぷたぷと揺らす。波打つ谷間が目の保養となる。 京太郎はもう夢中で由暉子の乳房を揉みしだく。 情欲の火は止まらない。 京太郎「由暉子、後ろ向いて」 彼女の背後から、豊満な乳房を両手で揉む。 起立した男根を、彼女のヒップや太ももにすりつける。 柔らかすぎる肢体。そして女子特有の甘い香り。 彼の怒張はもう破裂せんばかりにいきり立っていた。 由暉子「須賀さん……」 これまで黙っていた由暉子が、とうとう口を開く。 由暉子「あの、後ろから硬いものが……」 それがどうしたと言わんばかりに、京太郎は片手で乳房を揉みこね、もう片手はムチムチの太ももを撫でさする。 由暉子「須賀さん」 明らかに計測でない行為に、由暉子も気づく。 由暉子「エッチなことを、したいんですね?」 京太郎「そうだよ」 彼はもう開き直った。 京太郎「由暉子が悪いんだぞ」 そのまま由暉子な小柄な身体を抱え、ベッドに放り投げる。 すぐにその上を取った。 京太郎「二人きりで、平気で下着姿になって、スリーサイズ測らせて、その上触れることにも抵抗しないんだから」 逃げ場を与えないよう、彼女の手首を拘束する。しかし拒む様子は感じられない。 京太郎「男なめてんのか? ここまでされて、普通にしていれる奴はいねえぞ」 股間は痛いほどに膨張している。早く目の前の少女を味わいたいと、熱く脈打っている。 ズボン越しでもわかる京太郎の怒張に、由暉子は目を向けつつも、表情を崩さない。 本当に感情がないのか、そう思わせるほどの鉄面皮だった。 由暉子「舐めてはいませんよ。というか……」 しかし、そんな彼女が口にした言葉で、すべての均衡が完全に崩れ去る。 由暉子「ここまで鎌をかけたのに、反応されないと私がヘコみます」 視界が熱く染まった。 己の心臓の鼓動が、うるさいくらいに響く。 由暉子「どうでもいい男の人を部屋に招くほど、私、警戒心が薄い女じゃありません」 プツリ、と確実に何かが切れた音がした。 京太郎「由暉子」 由暉子の身体にむしゃりぶりついた。 乳房に顔を埋め、豊かな谷間に舌を滑らせる。 舌先から乳肉の柔らかさと温もりが伝わってくる。 下から持ち上げた乳房に唾液をコーティングし、陶磁のように白い谷間に光沢を広げてく。 やがて舌先はブラ越しの乳首の部分を、ツンと刺激する。そこはすでに、硬く膨張しているように思えた。 ブラの裏に息づく、生の乳房を想像して、ゴクリと喉を鳴らす。 ブラの生地に手をかける。一度由暉子の顔をうかがう。 京太郎「いいか?」 それは最終的な確認だった。ここで待ったをかけられなければ、この先は絶対に止まれないだろう。 由暉子は、相変わらず毅然として、ベッドに身を預けている。しかし、若干頬が上気しているようにも見えた。 小さな口が、言葉を紡ぐ。 由暉子「どうぞ、お好きに」 オスの情欲が完全に露わとなった。 ブラを上側へずり上げると、ブルンと大きな乳房が揺れて、空気のもとに解放される。 どういう育ち方をすれば、これほどの大きさが実るのか。 目を疑いたくなるほどの豊満な膨らみが、京太郎の前で広がっている。 前に突き出るような形をした乳房は、横たわっていても丸い形をたもち、お椀方に広がっている。 細いウエストと相まって、物凄い存在感をずっしりと主張している。 乳首は膨らみに反して、かわいらしい大きさだった。 薄桃色の綺麗な先端が、ぷっくりと乳輪から突き出ている。 円錐の形を描く乳首は、幼さを象徴しているようで、愛らしくさえある。 だがその下ではオスを刺激して止まない雫のような豊乳がふるふると揺れている。 幼さと扇情的な肢体が合わさった見た目が、極上のエロスと化して少年を衝き動かす。 乳首に吸いついた。 下乳を揉み上げながら、ねっとりと舌で舐め、口に含み吸引していく。 由暉子「んぅ、あぁう」 小さく鳴く少女の声に耳を澄ませながら、頬を窄めて吸っていく。 赤ん坊が母乳を飲むように吸うのとは違う、情欲一色に染まった性的な吸引だ。 チュウチュウと吸引音を響かせて、乳房を引っ張ったり、押し潰したりする。 おいしい、と京太郎はうっとりと乳首を吸い続ける。 味覚的なおいしさではなく、感覚的な甘さが京太郎の舌を悦ばせる。 顔中に広がる柔らかい感触や、乳肉のムッとしたにおいに、脳が蕩けそうになる。 ちゅぽんと乳首から口を離すと、レロレロと舌を動かして先端を弄くり回す。 由暉子「は、ぅうん」 唾液に濡れる乳首を転がし絶えず刺激を与えると、由暉子はくすぐったそうに身をくねらせ始めた。 しかし火照った顔から、ただくすぐったいと感じているだけではないことがわかる。 普段ならば聞けない、由暉子の悩ましい嬌声。もっと聞きたくて、乳房への愛撫を激しくする。 乳首だけではなく、乳輪、白い乳肉も舌でなぞっていく。 わざとらしく唾液の音を響かせながら、巨乳全体にむしゃぶりつく。 乳肉は歪にたわみ、強欲な男の舌であちこちを舐め回される。 由暉子「ひぅ、んぅ、あぁ」 好き勝手に舐められ、吸われ、揉みしだかれ、由暉子は声だけではなく瞳も艶っぽく彩らせていく。 乳房の感触と味。そして由暉子の情欲に染まっていく様子を見て、怒張がさらに唸る。 京太郎(もう我慢できない!) 乳房から顔を離した京太郎は、忙しなくベルトに手をかける。 限界まで起立し下着に引っかかっている怒張に難儀しながらズボンを脱ぎ去り、ボロンと外へ解放させる。 由暉子「あ……」 乳房を唾液で濡らした由暉子は、現れた京太郎の分身をまじまじと見つめる。 グロテスクな男のモノは、目の前の少女を求めて生き物のようにひくついている。 怒張に向ける由暉子の視線は、だんだんと自分の胸元に続いていく。 怒張が彼女の豊かな乳房に迫ってきたのだ。 京太郎「はぁはぁ、は、挟むぞ」 上乗りの状態で、京太郎は怒張を由暉子の巨乳の間に挟んだ。 たまらない心地が、怒張に広がる。柔らかな温もりで、ヒクヒクと先端が脈打つ。 京太郎は手で巨乳を中央に寄せ上げながら、男根を前後させた。 さんざん舐め尽くしたおかげか、唾液が潤滑剤の役目を果たし、スムーズな挿入ができた。 ぬぷぬぷと、前後する度に谷間から亀頭が顔を出す。 しかし大きすぎる乳房のせいで、出てくるのは鈴口ぐらいだ。 肉樹と亀頭のほとんどが埋まってしまうほどの巨乳の間で、京太郎はだらしなく涎を垂らした。 その追い討ちをかけるように、鈴口に快感が奔った。 由暉子「ちゅぱ、ちゅる」 谷間に顔を寄せた由暉子が、亀頭の先端を舐め回していた。 股間にさらなる快感が広がる。 由暉子「じゅるじゅる、ちゅぱぁ」 もっと彼女の口淫を味わいたくて、巨乳を上側へと寄せる。 亀頭が口内に埋まってしまうほどに、怒張を前後させる。 由暉子「じゅっ、じゅっ、じゅちゅるるるるる」 鈴口を刺激する舌先と、亀頭全体を吸引する力。 そして淫猥にたわむ乳肉で怒張を扱き続け、限界だった情欲が臨界点を突破する。 京太郎「うっ、出る」 亀頭を由暉子の口内に押し込んだまま、滾った欲望を解放した。 由暉子「んぅ、んじゅうう」 容赦なく放出された淫液を、由暉子は抵抗なく飲み込んでいった。 普通ならば、いきなり少女に精液を飲ませるなど、できることではない。 しかし何事にも躊躇しない由暉子の態度を見ていたら、自然とそのまま放出してしまったのだ。 何よりこちらが指示したわけでもないのに、亀頭を口に含んでくれた由暉子を見て、好きにしても構わないと思ったのだ。 由暉子「んぐ、んっ、んっ……」 現に、由暉子は流れ込む精液を飲み干している。 京太郎が口から怒張を引き抜いても、彼女は追うように、白く染まった舌で先端を舐め回した。 そのせいで、射精したばかりの怒張はすぐに回復した。 口内で精液を転がす由暉子の姿を、改めて眺める。 大きな乳房がなければ、本当に幼女と間違えてしまいそうな身体。 本来ならば、忌避の感情が勝り、欲望の矛先など向けられない相手のはずであろう。 しかし、京太郎の怒張は彼女を強く求めている。 彼自身の本能も、少女が愛しくてしょうがないと訴えている。 すべてを、彼女のすべてをものにしたい。 そうして、自分なしでは生きられない身体に……。 京太郎は、由暉子のショーツに手をかけた。 由暉子「あ……」 スルスルと刺激的な下着を、むっちりとした美脚に滑らせ、足首のところで止める。 由暉子の秘所が丸見えとなった。 陰毛は少ない。 そこだけは見れば、あどけない少女の下半身としか例えようがない。 それでも怒張は萎えなかった。 京太郎「由暉子」 由暉子「はい」 小さな身体は、男の情欲を感じ取って、艶かしく昂揚していく。 由暉子の短い言葉は、もうすでに覚悟が決まった証のように思えた。 京太郎「いくぞ」 先端を淫裂にあてがった。 ぬぷぬぷと小さな膣口に、怒張が埋没していく。 京太郎「くぅ」 由暉子の膣内はきつかった。 まるでそこだけは身長と同じように未発達であるかのように。 果実の繊維を無理矢理引き剥がしていくような感触。 由暉子「ふ、ぅう、ぁん」 痛みがあるのは間違いない。しかし由暉子は苦痛の表情を浮かべず、黙って成り行きを見守っている。 決して受け身というわけではない。彼女も男を受け入れるために、努力しているのだ。 ならばいつまでも立ち止まって苦痛を与えるよりは、一気に押し進んでしまったほうがいい。 京太郎はそのまま腰を前進させた。 ズプズプと怒張の姿が消えていく。 由暉子「は、あぁ」 プツリ、と何かを破いた感触を突破し、最奥に辿り着いた。 由暉子「んんんんぅっ!」 初めて由暉子の甲高い声を聞いた気がした。 ベッドのシーツを強く握り、足を動かしている。 生暖かい感触が、怒張を通り抜けた。 膣口から漏れた赤い筋は、破瓜の証だ。 途方もない優越感が、彼を満たす。 この子の初めてになれたのは自分だ。 今自分と彼女はひとつになっているのだ。 傍から見れば、身長差がありすぎる二人の結合は、痛々しいものだろう。 無抵抗な幼女を、大の男が強姦しているようにしか見えない。 事実、それは強姦に近いものかもしれない。 挿入した瞬間、京太郎は相手の体調も考えず、腰を動かし始めていたのだから。 由暉子「ひぅ、あぁっ」 小さな肢体が、ベッドの上で跳ねる。 限界まで詰まった怒張に貫かれて、か弱い身体は抵抗もできず、好き勝手にされる。 京太郎「あぁ、あぁ、気持ちいい。気持ちいいよ由暉子」 どこか虚ろな光を瞳に灯して、本能のまま抽挿していく。 由暉子はただ小さく声を上げる。 しかし、その声もただの悲鳴ではなく、やがて蠱惑的なものを含んだ音色に変わる。 強姦されると、女性の肉体は通常の性交よりも興奮するという話がある。 無理矢理犯されるような形であっても、由暉子の身体は確かに喜悦し興奮を覚えているのだ。 なにより、少女にとっては力ずくでも構わなかった。 由暉子「あっあっ、あっ、ああぁっ」 パンパンと肌同士がぶつかる音が響く。 抽挿の勢いが増せば増すほど、豊かな乳房がゆっさゆさと波打つ。 揺れを抑えつけるように、腰の抽挿を続けながら乳房を鷲掴む。 結合部から瑞々しい音が響く。 由暉子自身も、京太郎の動きに合わせるように腰を揺すり始めた。 ムチムチの美脚を彼の腰に絡め、より深い抽挿を求める。 もう痛みは快感によって上書きされたようだった。 由暉子「ああああぁっ、あぁぁっ」 京太郎「うおおっ。最高だ、由暉子。気持ちよすぎて、止まらねえ」 細い腰を掴んで、大きく揺れる乳房を眺めながら、京太郎はフルスピードで腰を前後させた。 本能を昂ぶらせるのは何も肉体の快感だけではない。 この一瞬にしか聞けない由暉子の嬌声が、京太郎をより衝き動かしている。 膣肉は複雑に脈動し、前後する怒張をきつく締めつける。 初めての体験に、慣れない京太郎はもう限界だった。 京太郎「あぁ、ぁ、ダメだぁ、イク。出るっ出るっ!」 射精の宣言をしても、由暉子は絡めた足を解かない。 そのまま結合したまま、怒張は爆ぜ、ありったけの欲望を膣内に注ぎ込んだ。 ドクドクと注ぎ込まれる樹液は、膣奥を目指して流れ込んでいく。 京太郎「はぁはぁ……」 立て続けに二度の射精をした京太郎は、脱力して由暉子の身体にもたれかかった。 なるべく体重を預けないように力を入れようとするが、別に構わないとでも言うように由暉子は彼の背中に手を回した。 互いに息を荒くしながら、身を重ねる。 結合部からビュッビュッと、入りきらなかった精液が隙間から漏れ出た。 由暉子「須賀さん、気持ちよかったですか?」 京太郎は機械じかけのように何度も頷いた。 至高の快感によって、意識が朦朧としてしまっている。 そんな彼の頭を、由暉子は愛しそうに撫でた。 そして『かぷり』と吸血するように京太郎の肩に歯を立てる。 びくっと京太郎の身体が跳ねる。 痛みというよりは、快楽による電気信号だ。 由暉子はちろちろと、噛みあとに舌をあてがう。 京太郎の耳元で、くすりと笑う声が聞こえた気がした。 脱力した身体では、彼女の顔を見ることができないが、微笑んでいるような気がした。 由暉子「責任取ってくださいね。マネージャーさん」 そういう彼女の声には、今後の展開を楽しむような、妖艶的なものを含んでいた。 121 名前: ◆Mo0KvHoaic[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 11 27 25.30 ID IySrJlbI0 [29/29] 以上。 始まりとか書いたけど、要はひたすらエッチするだけ。 ストーリーのカケラもなし。 ヘタなAV感覚で読んでくれるとありがたいです。